東京大学大学院のキャンパスと研究施設を解説!全国・海外に広がる研究フィールド

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今回のテーマは「東京大学大学院のキャンパスと研究フィールド」です。

東京大学と聞くと、赤門や安田講堂のある本郷キャンパスを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、東京大学大学院の研究拠点は、本郷だけではありません。

駒場や柏をはじめ、東京都内の複数のキャンパス、日本全国に設置された演習林や観測施設、さらに海外の天文台まで、研究分野に応じた多様な施設があります。

大学院の研究室を選ぶときは、教員の専門分野だけでなく、どのキャンパスを拠点とし、どのような設備や研究フィールドを利用できるのかを確認することが大切です。

この記事では、東京大学大学院の主なキャンパスと、全国・海外に広がる研究施設の特徴を解説します。


本郷地区には主要な研究科が集まっている

本郷地区は、本郷、浅野、弥生の各キャンパスから構成される東京大学の中心的な研究拠点です。

本郷キャンパスには、法学政治学研究科、医学系研究科、工学系研究科、人文社会系研究科、理学系研究科、経済学研究科など、多くの研究科があります。

文系と理系の研究科が近い場所に集まっているため、異なる分野の授業を受けたり、共同研究や研究会に参加したりしやすい環境です。

浅野キャンパスには、情報基盤や放射線・アイソトープに関係する研究施設があります。弥生キャンパスには、農学生命科学研究科をはじめ、地震研究所や定量生命科学研究所などが置かれています。

同じ本郷地区でも、研究室によって日常的に利用するキャンパスや建物は異なります。研究室訪問の際は、所在地や最寄り駅まで確認しておくとよいでしょう。


駒場地区は学際研究と先端技術の拠点

駒場地区には、駒場Ⅰキャンパスと駒場Ⅱキャンパスがあります。

駒場Ⅰキャンパスには、総合文化研究科と数理科学研究科があります。総合文化研究科では、言語、文化、地域、国際社会、自然科学など、既存の学問分野を横断する研究が行われています。

駒場Ⅱキャンパスには、生産技術研究所と先端科学技術研究センターがあります。基礎研究だけでなく、新しい技術の開発や社会実装を目指す研究が進められています。

例えば、エネルギー、材料、情報、ロボット、都市、防災、医療など、社会課題とつながる幅広いテーマを扱っています。

総合文化研究科や工学系の研究室を志望する場合は、駒場地区の研究施設と連携しているかどうかも確認すると、入学後の研究環境を具体的に考えられます。


柏地区には世界水準の研究所が集まる

千葉県柏市にある柏地区キャンパスは、新しい学問分野を生み出す研究拠点として整備されました。

新領域創成科学研究科を中心に、宇宙線研究所、物性研究所、大気海洋研究所、カブリ数物連携宇宙研究機構などが集まっています。

物質、宇宙、生命、環境、海洋、情報、エネルギーなどの分野で、研究科や研究所を越えた共同研究が行われています。

柏Ⅱキャンパスや柏の葉キャンパス駅前サテライトもあり、大学内の研究だけでなく、自治体や企業と連携したスマートシティの実証研究なども進められています。

柏キャンパスは本郷から離れているため、進学前には通学時間や住居も確認しておきましょう。研究内容だけでなく、日々の生活を無理なく続けられるかを考えることも重要です。


白金台キャンパスは生命科学と医療研究の拠点

東京都港区の白金台キャンパスには、医科学研究所と附属病院があります。

がん、感染症、免疫、ゲノム、再生医療などに関する基礎研究と、研究成果を診断や治療へつなげる研究が行われています。

実験室で得られた成果を医療現場へ届けるだけでなく、臨床で見つかった課題を基礎研究へ戻して検証できる点が特徴です。

医学、薬学、生命科学、情報科学などを学んだ方が、分野を越えて研究に参加する機会もあります。医療に関わる研究を希望する場合は、本郷の医学系研究科だけでなく、白金台の研究室も調べてみるとよいでしょう。


小石川・三鷹などにも専門施設がある

東京大学の研究施設は、3大キャンパス以外にも点在しています。

文京区には、理学系研究科附属植物園である小石川植物園があります。植物の分類、進化、生態などを研究するための貴重な植物資源が保存されています。

小石川には総合研究博物館の分館もあり、建築、科学史、標本などに関する研究や展示が行われています。

東京都三鷹市には、理学系研究科附属天文学教育研究センターがあります。天文学を専門とする大学院生にとって、観測やデータ解析を行う重要な研究拠点です。

所属する研究科と、実際に研究を行う場所が異なることもあるため、志望研究室の活動場所を事前に確認しましょう。


農学生命科学研究科は全国に演習林を持つ

農学生命科学研究科には、日本各地の自然環境を活用した演習林や実験施設があります。

北海道富良野市の北海道演習林、埼玉県の秩父演習林、千葉県鴨川市の千葉演習林、山梨県の富士癒しの森研究所、愛知県の生態水文学研究所などが代表例です。

地域によって気候、植生、地形が異なるため、森林の成長、生態系、水の循環、災害、地域との関係などを比較しながら研究できます。

静岡県には水産実験所や樹芸研究所もあり、海洋生物、養殖、園芸植物などを対象とした研究が行われています。

農学や環境学の研究では、実験室での分析だけでなく、山林や海で長期間の調査を行うこともあります。フィールドワークの頻度や調査場所、必要な体力も確認しておきましょう。


岐阜県神岡には宇宙・素粒子研究の施設がある

岐阜県飛騨市神岡町には、宇宙線研究所の神岡宇宙素粒子研究施設があります。

地下深くには、ニュートリノを観測するスーパーカミオカンデなどの大型装置が設置されています。宇宙や素粒子の性質を明らかにする世界的な研究が行われてきました。

同じ神岡地区には、重力波を観測するKAGRAもあります。

こうした大型施設を利用する研究では、観測装置の運用、データ解析、国内外の研究者との共同作業が必要です。

理学系研究科や宇宙線研究所に関わる研究室を志望する場合は、本郷や柏だけでなく、神岡で研究活動を行う可能性も理解しておきましょう。


海洋・地震・生物研究の拠点も全国に広がる

岩手県には、大気海洋研究所の大槌沿岸センターがあり、三陸の海を利用した海洋生態系や地域環境の研究が行われています。

神奈川県三浦市には、理学系研究科附属臨海実験所があります。海洋生物の発生、進化、生理などを実際の海に近い環境で研究できます。

地震研究所は、和歌山、広島、鹿児島など、日本各地に観測施設を持っています。地震や火山活動は地域によって特徴が異なるため、全国的な観測網が必要です。

鹿児島県奄美市には、医科学研究所の奄美病害動物研究施設があります。地域特有の動物や感染症に関する研究が進められています。

東京大学大学院では、研究テーマによって東京都外での調査や滞在が必要になる場合があります。研究室選びでは、出張や長期観測の有無も確認すると安心です。


南米チリには標高5,640メートルの天文台がある

東京大学の研究施設は、日本国内だけではありません。

南米チリには、東京大学アタカマ天文台があります。チャナントール山の山頂付近、標高5,640メートルという非常に高い場所に設置された天文台です。

空気中の水蒸気が少ない高地の環境を活かし、赤外線によって銀河や星の形成などを観測します。

天文学を専攻する大学院生は、日本国内でデータ解析を行うだけでなく、海外の観測施設や共同研究機関と関わる可能性があります。

国際的な研究へ参加したい方は、研究室がどの国の大学や観測施設と連携しているかも調べてみましょう。


研究室選びでは所在地と研究設備まで確認する

大学院の志望先を選ぶ際は、研究科名や教員名だけで判断しないことが大切です。

同じ研究科でも、研究室によって活動するキャンパスや利用する施設が異なります。また、研究テーマによっては、全国の演習林や観測所、海外の施設へ行くこともあります。

研究室のウェブサイトや教員の論文を確認し、どの設備やデータを使って研究しているのか、共同研究先はどこかを調べましょう。

研究室訪問では、普段の活動場所、フィールドワークの頻度、出張期間、設備の利用方法などを質問すると、入学後の生活を具体的にイメージできます。


まとめ

東京大学大学院の研究拠点は、本郷、駒場、柏の主要キャンパスだけではありません。

白金台、小石川、三鷹などの都内施設に加え、北海道から鹿児島まで、演習林、海洋研究施設、地震・天文・宇宙線の観測拠点が広がっています。

さらに、南米チリの東京大学アタカマ天文台など、海外にも研究施設があります。

大学院での研究環境を比較するときは、研究科の知名度だけでなく、自分の研究に必要な設備、資料、観測場所、共同研究体制が整っているかを確認しましょう。

どこで、どのような方法で研究するのかまで考えることで、自分に合った研究室を選びやすくなります。


※キャンパス、研究所、附属施設の名称、所在地、組織、利用状況は変更される場合があります。最新の研究施設や活動内容については、必ず東京大学および各研究科・研究所の公式サイトでご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。