
関西学院大学大学院のベーツ支給奨学金と大学院研究者育成奨励金を解説
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大学院進学を考えるとき、研究内容や指導教員と並んで気になるのが学費です。特に博士課程まで進学する場合は、数年間にわたって研究を続けることになるため、経済的な負担をどのように抑えるかも重要な問題になります。
関西学院大学では、2025年度から大学院生向けの経済支援を拡充しており、その中心となる制度が「ベーツ支給奨学金」と「大学院研究者育成奨励金」です。前者は博士課程前期課程や専門職学位課程など、後者は博士課程後期課程を主な対象としています。この記事では、2つの制度の対象者や支給内容、進学前に確認しておきたいポイントを整理します。
ベーツ支給奨学金は博士前期課程などの学生が対象
ベーツ支給奨学金は、博士課程前期課程、修士課程、専門職学位課程に在籍する学生を対象とした給付型の奨学金です。対象となるのは、博士前期課程の新入生と専門職学位課程の新入生のうち、研究科から推薦を受けた学生です。ただし、神学研究科キリスト教伝道者コースの一部や司法研究科など、対象外となる課程もあります。
この奨学金は、希望者が入学後に自由に応募する一般的な制度とは異なり、研究科からの推薦を前提としている点が特徴です。支給額は、授業料、実験実習費、教育充実費の合計額に相当する金額のうち、3分の2または3分の1です。
給付期間は原則として2年間の継続支給ですが、初年度のみの採用となる場合や、途中で支給が停止されたり、採用金額が変更されたりする可能性もあります。そのため、「2年間必ず同じ金額が支給される」と考えず、採用条件や継続条件まで確認しておくことが大切です。
入学手続きの段階で採用結果が分かる点も特徴
ベーツ支給奨学金の大きなメリットは、合格発表後、入学手続きを行う段階で採用が決まっていることです。入学後に奨学金の結果を待つのではなく、進学を最終的に判断する時点で、ある程度の学費負担を把握できます。
たとえば、2026年度入学生を基準に、神学研究科や文学研究科など一部の博士課程前期課程では初年度納入額が889,000円となっています。ただし、奨学金の対象になるのは初年度納入額全体ではなく、授業料、実験実習費、教育充実費など制度で定められた部分です。その対象額について3分の2または3分の1が支給される仕組みです。
学費を比較するときは、大学院の初年度納入額だけを見るのではなく、「そのうち何円が奨学金の算定対象になるのか」まで確認すると、実際に自分で準備する金額を計算しやすくなります。
博士課程後期課程には大学院研究者育成奨励金がある
大学院研究者育成奨励金は、博士課程後期課程に在籍する正規学生および特別学生を対象とした経済支援制度です。ベーツ支給奨学金よりも支援範囲が広く、入学金と年間学費相当額が支給されます。
対象となる年間学費には、授業料、実験実習費、教育充実費などが含まれます。そのため、条件を満たして採用された場合、博士課程後期課程の学費負担を大きく抑えることができます。なお、外国人留学生については別の奨学金制度が用意されているため、大学院研究者育成奨励金の対象外とされています。
2026年度入学生を基準にすると、博士課程後期課程の初年度納入額は一部の研究科で763,000円です。博士課程は研究期間が長くなりやすいため、こうした制度があるかどうかは、博士進学を判断するうえでも大きなポイントになります。
大学院研究者育成奨励金は継続条件にも注目する
大学院研究者育成奨励金では、採用初年度は原則として申請者全員が対象になるとされています。ただし、支給期間は原則1年間です。翌年度以降も支給を希望する場合は、一定の継続要件を満たしたうえで改めて申請する必要があります。
継続要件の一つとして、採用前年度に日本学術振興会特別研究員DCへ申請していることなどが挙げられています。また、継続して支給を受けられる期間は通算3年以内です。
博士課程後期課程への進学を考えている方は、入試対策だけでなく、日本学術振興会特別研究員への申請も含めた研究活動のスケジュールを早めに確認しておく必要があります。入学後に制度を知るのではなく、博士前期課程のうちから必要な条件を把握しておくと準備しやすくなります。
2つの奨学金は対象となる課程と手続きが異なる
ベーツ支給奨学金と大学院研究者育成奨励金は、どちらも返済不要の経済支援ですが、利用するタイミングや対象となる課程が異なります。博士課程前期課程や専門職学位課程ではベーツ支給奨学金、博士課程後期課程では大学院研究者育成奨励金が主な支援制度となります。
また、ベーツ支給奨学金は研究科からの推薦によって入学手続きの段階で採用が決まるのに対し、大学院研究者育成奨励金は入学後の申請が必要です。この違いを知っておくと、出願前からどこまで資金を準備しておけばよいのかを考えやすくなります。
博士前期課程でベーツ支給奨学金を受け、その後博士課程後期課程に進学して大学院研究者育成奨励金を利用するという進路も考えられます。修士の2年間だけでなく、博士課程まで進む可能性がある方は、複数年単位で学費と奨学金を整理しておくとよいでしょう。
出願前に奨学金まで含めた資金計画を作ろう
大学院進学の資金計画を立てるときは、学費の総額から奨学金を単純に差し引くだけではなく、いつ採用が決まり、いつ支給されるのかまで確認することが重要です。入学金や授業料の納入時期によっては、一時的にまとまった資金が必要になることもあります。
まずは志望研究科の学費を確認し、自分がベーツ支給奨学金または大学院研究者育成奨励金の対象になり得るのかを調べてみましょう。そのうえで、推薦条件や申請時期、継続条件まで確認すると、入学後の負担をより現実的に計算できます。
奨学金は大学院を選ぶ唯一の基準ではありませんが、研究に集中できる環境をつくるための重要な支援です。特に博士課程への進学を考えている方は、学費だけでなく、研究費や生活費、修了後のキャリア支援まで含めて比較し、自分に合った進学計画を立ててみてください。
本記事の内容は執筆時点の情報をもとにしています。ベーツ支給奨学金や大学院研究者育成奨励金の対象者、支給額、採用方法、継続条件などは変更される場合があります。また、入試日程、出願期間、試験内容、必要書類についても変更される可能性があるため、必ず関西学院大学大学院の公式サイトおよび対象年度の最新の募集要項をご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


