外国人留学生が東京大学大学院を目指すには?外国人特別選抜と国際化の現状を解説

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今回のテーマは「外国人留学生が東京大学大学院を目指す方法」です。

東京大学大学院への進学を考えている外国人留学生の中には、「日本人と同じ入試を受けなければならないのか」「日本語に自信がなくても受験できるのか」と不安を感じている方もいるのではないでしょうか。

東京大学大学院には、外国籍の受験生を対象とした外国人特別選抜を実施している研究科があります。英語だけで学位取得を目指せるプログラムや、書類審査と口述試験を中心に選考する入試もあり、海外の大学から進学するための選択肢が用意されています。

一方で、出願資格や試験方法、必要な語学力は研究科や専攻によって異なります。この記事では、東京大学に在籍する留学生の状況や、外国人特別選抜の特徴、受験前に準備しておきたいポイントを具体的に解説します。


東京大学には5,234名の外国人留学生が在籍している

2025年5月1日現在、東京大学が受け入れている外国人留学生は5,234名です。

このうち、学部学生は288名、大学院生は4,166名、研究生などは780名となっています。留学生の大半が大学院に在籍しており、東京大学大学院が世界各国の学生を受け入れる研究拠点になっていることがわかります。

大学院では、研究室に所属して教員や他の学生と共同研究を行うため、国籍や出身大学の異なる学生と交流する機会が多くあります。

研究科や研究室によっては、授業、ゼミ、研究発表、日常的な連絡を英語で行う場合もあります。そのため、日本語を学びながら、英語を中心に研究を進めることが可能な環境もあります。


世界114の国と地域から留学生が集まっている

東京大学には、世界114の国と地域から留学生が集まっています。

地域別ではアジアからの留学生が4,569名で、全体の多くを占めています。国や地域別では、中国が3,486名、韓国が401名、台湾が178名、インドネシアが103名となっています。

アジア以外にも、ヨーロッパ、北米、中南米、アフリカ、オセアニアなど、さまざまな地域から学生が来日しています。

東京大学は、日本国内だけで研究を完結させるのではなく、海外の大学や研究機関との共同研究、留学生の受け入れ、学生の海外派遣などを進めています。

留学生にとっては、日本の研究環境で専門性を高めながら、世界各国の学生や研究者とつながれることが大きな魅力です。


工学系研究科と新領域創成科学研究科には多くの留学生が在籍

研究科別では、特に工学系研究科に多くの留学生が在籍しています。

2025年5月1日現在、工学系研究科には、修士課程に584名、博士課程に758名の留学生が在籍しています。AI、ロボット、都市、エネルギー、材料、航空宇宙など、国際的な研究テーマが多いことも特徴です。

柏キャンパスを拠点とする新領域創成科学研究科では、修士課程に341名、博士課程に342名の留学生が学んでいます。学部を持たない独立研究科であり、他大学出身者や留学生が集まりやすい環境です。

総合文化研究科では、修士課程に119名、博士課程に172名、理学系研究科では、修士課程に104名、博士課程に181名の留学生が在籍しています。

理系研究科だけでなく、人文科学、社会科学、文化、地域研究などの分野でも国際化が進んでいます。


外国人特別選抜とは

外国人特別選抜とは、外国の大学を卒業した人や外国籍の受験生などを対象とする入試方式です。

過年度には、人文社会系研究科、法学政治学研究科、経済学研究科、総合文化研究科、理学系研究科、工学系研究科、農学生命科学研究科、薬学系研究科、新領域創成科学研究科、情報理工学系研究科、学際情報学府、公共政策学教育部などで実施された例があります。

修士課程と博士課程の両方で実施する研究科もあれば、どちらか一方だけを対象とする研究科もあります。

一方、教育学研究科や数理科学研究科などでは、外国人特別選抜を設けず、外国人留学生も一般選抜を受験する場合があります。

外国籍であれば必ず外国人特別選抜を受験できるわけではありません。出身大学、在留資格、日本での教育歴などによって応募条件が決められているため、募集要項で出願資格を確認する必要があります。


試験方法は研究科やプログラムによって異なる

外国人特別選抜では、研究計画書、成績証明書、推薦状、語学能力の証明、口述試験などを組み合わせて選考する場合があります。

一般選抜で課される専門科目の筆記試験が免除されることもありますが、すべての研究科に共通するわけではありません。専攻によっては、外国人特別選抜でも専門科目や小論文の試験があります。

また、英語だけで出願、授業、研究指導、学位取得まで進められるプログラムもあります。その場合、日本語能力試験の提出を求められないことがあります。

一方、日本語で授業や研究指導を行う専攻では、高い日本語力が必要です。日本語能力試験のN1に相当する力や、日本語で専門的な文章を読み書きする力が求められる場合があります。

募集要項を読む際は、「外国人特別選抜があるか」だけでなく、試験言語、提出書類、筆記試験の有無、面接方法まで確認しましょう。


研究計画書では東京大学で研究する理由を示す

外国人特別選抜では、研究計画書が重要な評価材料になります。

研究計画書には、母国の大学で学んだ内容や関心だけではなく、大学院で明らかにしたい研究課題、先行研究、研究方法、期待される成果を具体的に書く必要があります。

特に重要なのが、「なぜ日本で研究するのか」「なぜ東京大学のその研究室なのか」という点です。

例えば、日本の政策や企業、文化、技術を研究対象にする場合は、日本で調査する必要性を説明できます。理系分野では、志望研究室が持つ実験設備、データ、研究手法、共同研究体制などと自分の計画を結びつけることが大切です。

大学の知名度だけを志望理由にするのではなく、指導希望教員の研究と自分の研究計画がどのように一致するかを示しましょう。


指導希望教員への連絡は早めに進める

研究科や専攻によっては、出願前に指導を希望する教員へ連絡し、受け入れの内諾を得る必要があります。

最初の連絡では、自分の氏名、所属大学、専攻、研究テーマ、希望する入学時期を簡潔に伝えます。履歴書や研究計画書の概要を添付する場合もあります。

「東京大学に入りたいので指導してください」という内容だけでは、研究上の相性が伝わりません。教員の論文や研究プロジェクトを確認し、どの研究に関心を持ったのか、自分の計画とどうつながるのかを具体的に書きましょう。

教員から返事がない場合に備え、出願締め切りの直前ではなく、数か月前から準備を始めることが大切です。


日本語と英語の両方を準備する場合もある

語学力の条件は、受験するプログラムによって異なります。

英語で学ぶプログラムでは、TOEFLやIELTSなどのスコア提出を求められることがあります。スコアの有効期限や、大学から直接送付する必要があるかどうかも確認しましょう。

日本語で学ぶ課程では、日本語能力試験の成績や、日本語による研究計画書、筆記試験、口述試験が必要になる場合があります。

日常会話ができても、学術論文を読み、研究内容を説明するには別の力が必要です。専門用語を使って自分の研究を説明する練習を行い、面接で質問されたときに短く正確に答えられるようにしましょう。


留学生向けの住居や生活支援も用意されている

東京大学には、目白台、駒場、柏、追分などに、外国人留学生や研究者が利用できる宿舎があります。

ただし、部屋数には限りがあり、入学すれば必ず入居できるわけではありません。申請時期や入居条件、利用期間を早めに確認する必要があります。

研究科やキャンパスには、在留手続き、奨学金、生活、日本語学習などを支援する窓口もあります。

渡日前に、授業料、住居費、生活費、健康保険、在留資格の手続きを整理しておくと、入学後に研究へ集中しやすくなります。


まとめ

2025年5月1日現在、東京大学には5,234名の外国人留学生が在籍し、そのうち4,166名が大学院生です。世界114の国と地域から学生が集まり、特に工学系研究科や新領域創成科学研究科では多くの留学生が研究しています。

外国人特別選抜は多くの研究科で実施されていますが、出願資格や試験方法は専攻ごとに異なります。書類審査と口述試験を中心とする入試もあれば、専門科目の筆記試験が必要な場合もあります。

合格を目指すには、研究計画書の完成度を高め、指導希望教員との研究上のつながりを明確にすることが重要です。語学試験や教員への事前連絡には時間がかかるため、出願期限から逆算して早めに準備を進めましょう。


※外国人留学生数、外国人特別選抜の実施状況、出願資格、必要書類、試験内容、語学要件、宿舎や生活支援の内容は年度や研究科、専攻によって変更される場合があります。最新の募集要項や入試情報については、必ず東京大学大学院および各研究科の公式サイトでご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。