女性の東京大学大学院進学事情を解説!女子学生の割合と多様性を支える取り組み
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今回のテーマは「女性の東京大学大学院進学事情」です。
東京大学大学院への進学を検討している女性の中には、「男性が多く、研究室で孤立しないだろうか」「女性が研究を続けやすい環境なのだろうか」と不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
東京大学では、学部生に占める女性の割合が約2割であることがよく知られています。しかし、大学院のデータを見ると、修士課程や博士課程、専門職学位課程では、学部よりも高い割合で女性が学んでいます。
研究科によっては女性が半数を超えており、理系研究科でも多くの女性が研究に取り組んでいます。この記事では、2025年5月1日現在のデータをもとに、東京大学大学院に在籍する女性の割合や研究科ごとの特徴、大学が進める支援について解説します。
大学院では学部より女性の割合が高い
2025年5月1日現在、東京大学大学院の修士課程には7,253名が在籍しており、そのうち女性は1,867名です。女性の割合は約25.7%で、4人に1人以上が女性となっています。
博士課程には6,762名が在籍し、女性は1,978名です。割合は約29.3%で、修士課程よりもさらに高くなっています。
専門職学位課程では、在籍者829名のうち女性が350名で、割合は約42.2%です。法律、公共政策、公衆衛生など、実務と結びついた専門分野では、女性が半数近くを占めています。
東京大学全体を見れば、まだ男女比に差があることは事実です。ただし、大学院では学部よりも女性の割合が高く、特に博士課程や専門職学位課程では、多くの女性が専門性を深めています。
女性が半数を超える研究科もある
研究科別に見ると、女性が過半数を占める分野もあります。
教育学研究科の修士課程では、在籍者208名のうち女性が120名で、割合は約57.7%です。教育制度、発達、心理、学校教育など、多様なテーマを研究する女性が在籍しています。
公共政策学教育部の専門職学位課程では、在籍者287名のうち女性が151名で、約52.6%です。官公庁、国際機関、自治体、民間企業などで政策実務に関わることを目指す学生が学んでいます。
学際情報学府の修士課程では、在籍者254名のうち女性が131名で、割合は約51.6%です。メディア、情報社会、文化、デジタル技術など、文系と理系を横断する研究が行われています。
医学系研究科の修士課程では、在籍者111名のうち女性が74名で、約66.7%です。生命科学、医科学、保健、公衆衛生などの分野で女性が多く学んでいることがわかります。
このように、「東京大学は男性ばかり」というイメージが、そのまますべての大学院や研究科に当てはまるわけではありません。
理系研究科でも多くの女性が研究している
理系分野では女性の割合が低い研究科もありますが、在籍者数で見ると、多くの女性が研究に取り組んでいます。
農学生命科学研究科の修士課程では、在籍者635名のうち女性が222名で、割合は約35.0%です。生命科学、食料、環境、動植物、微生物などの幅広い分野で女性が研究しています。
新領域創成科学研究科の修士課程では、在籍者911名のうち女性が259名で、約28.4%です。学部を持たない独立研究科であり、他大学出身者や留学生など、多様な学生が集まっています。
工学系研究科の修士課程では、女性の割合は約17.0%です。割合だけを見ると少なく感じるかもしれませんが、女性の在籍者数は410名に上ります。
工学系研究科には多数の専攻や研究室があるため、専攻によって男女比は異なります。進学先を検討するときは、研究科全体の数字だけでなく、志望する専攻や研究室の構成も確認するとよいでしょう。
研究室を選ぶときは男女比以外の環境も確認する
女性の割合は研究環境を知る一つの材料ですが、人数だけで研究室の過ごしやすさが決まるわけではありません。
研究室選びでは、教員の指導方針、学生同士の関係、研究時間の考え方、学会や出張の頻度、修了生の進路なども確認することが大切です。
研究室訪問が可能であれば、実際に所属している大学院生から話を聞いてみましょう。女性の先輩がいる場合は、研究生活、進路、就職活動、博士課程への進学について質問することで、入学後の生活を具体的に想像できます。
また、出産や育児との両立を考えている方は、研究室だけでなく、研究科や大学全体の支援制度も確認しておくと安心です。
東京大学が進める多様性と包摂の取り組み
東京大学は、基本方針であるUTokyo Compassにおいて、「多様性の海へ:対話が創造する未来」という理念を掲げています。
異なる経験や価値観を持つ人々が協力することで、新しい知識や研究を生み出すことを重視しています。
東京大学憲章でも、国籍、性別、年齢などにかかわらず、構成員が差別されることなく大学の活動に参加できることを示しています。また、男女が大学運営の責任を均等に担う共同参画の実現も掲げられています。
2024年4月には、大学全体のダイバーシティ&インクルージョンを進める組織として、多様性包摂共創センターが設置されました。
制度を整えるだけでなく、学生や教職員が安心して学び、研究できる環境をどのようにつくるかという課題に、大学全体で取り組んでいます。
研究と出産・育児の両立を支える施設
修士課程や博士課程への進学を考える際、研究と出産や育児を両立できるか不安に感じる方もいます。
東京大学には、本郷キャンパスの本郷けやき保育園や、駒場キャンパスの駒場むくのき保育園など、学内の保育施設があります。大学院生や研究者が子育てをしながら研究を続けるための環境づくりが進められています。
ただし、保育施設には利用条件や定員があり、希望すれば必ず利用できるとは限りません。進学時期や出産予定などが具体的に決まっている場合は、募集時期、対象者、保育時間、費用などを早めに確認する必要があります。
また、所属する研究科や課程によって、休学、在学期間、授業の履修方法、研究活動への支援内容が異なる可能性があります。必要な制度は、入学前から個別に調べておくとよいでしょう。
学生生活や心身の悩みを相談できる体制もある
東京大学では、相談支援研究開発センターを中心に、学生生活や心身の健康、修学上の悩みなどを相談できる体制が整えられています。
大学院では、研究が思うように進まない、指導教員との関係に悩む、将来の進路を決められないなど、学部とは異なる悩みを抱えることがあります。
一人で抱え込まず、学生相談所や研究科の相談窓口などを利用することも、研究を続けるために大切です。
支援制度の存在だけでなく、どの窓口に何を相談できるのかを事前に知っておくと、困ったときに動きやすくなります。
女性であることを志望理由の中心にする必要はない
院試では、女性であること自体が研究計画の評価を高めるわけではありません。大切なのは、大学院で何を研究したいのか、なぜその研究科や研究室を選ぶのかを具体的に示すことです。
一方で、自分の経験から生まれた問題意識が研究テーマにつながる場合は、その経緯を無理に隠す必要もありません。
例えば、働く女性のキャリア、医療における男女差、子育て支援、ジェンダーと教育などを研究したい場合は、個人的な関心だけで終わらせず、先行研究や社会的背景を調べ、学術的な問いへ整理することが必要です。
自分の経験を出発点にしながらも、誰にとってどのような意味を持つ研究なのかを説明できるようにしましょう。
まとめ
2025年5月1日現在、東京大学大学院では、修士課程の約25.7%、博士課程の約29.3%、専門職学位課程の約42.2%を女性が占めています。
教育学研究科、公共政策学教育部、学際情報学府、医学系研究科の修士課程など、女性が半数を超える分野もあります。
理系研究科でも、農学生命科学研究科に222名、新領域創成科学研究科に259名、工学系研究科に410名の女性が在籍しています。
進学先を考える際は、女性の割合だけで判断せず、教員の指導方針、研究室の雰囲気、支援制度、修了後の進路まで確認することが大切です。自分が安心して研究を続けられる環境かどうかを具体的に調べたうえで、志望研究室を選びましょう。
※学生数、女性の割合、支援組織、保育施設、相談制度などは年度によって変更される場合があります。最新の在籍状況や支援内容については、必ず東京大学および各研究科の公式サイトでご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。



