
キャンパスは地球!同志社大学大学院「グローバル・スタディーズ研究科」で養う多様性と国際感覚
院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「院試お役立ち記事」をご覧いただき、ありがとうございます。今回のテーマは「同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科」です。
国際関係や地域研究に関心がある方、将来は国際的な環境で働きたい方に注目してほしいのが、グローバル・スタディーズ研究科です。
現在の世界には、経済格差、移民・難民、紛争、安全保障、ジェンダー、人種差別、環境問題など、一つの国や一つの学問分野だけでは捉えきれない課題が数多くあります。たとえば移民問題を研究する場合でも、国際政治だけでなく、経済、歴史、文化、宗教、法律、人権など、複数の視点から考える必要があります。
グローバル・スタディーズ研究科では、こうした複雑な問題に対して、地域研究と学際的な視点を組み合わせながら研究を進めます。「海外に興味がある」というだけではなく、具体的な地域や社会課題について深く研究したい受験生にとって、検討したい研究科の一つです。
3つのクラスターから研究テーマを考える

グローバル・スタディーズ研究科は、「アメリカ研究」「現代アジア研究」「グローバル社会研究」という3つのクラスターから構成されています。
アメリカ研究クラスターでは、アメリカ合衆国の歴史、文化、政治、社会などを幅広く研究します。単に現在のアメリカ社会について学ぶのではなく、歴史的な背景を踏まえながら現代社会を考えたり、アメリカから見た日本やアジアについて研究したりすることもできます。
たとえば、人種や移民、宗教、外交、文化表象など、アメリカという地域を軸にしながらさまざまなテーマを設定できます。アメリカ研究所が蓄積してきた資料など、同志社大学の研究環境にも目を向けておきたいところです。
現代アジア研究では中国・朝鮮半島・東南アジア・日本などを扱う
現代アジア研究クラスターでは、中国、朝鮮半島、東南アジア、日本などを重点的な対象として、現代アジアが抱えるさまざまな問題を研究します。
対象となるテーマは、政治や外交だけではありません。社会、経済、歴史、文化などの視点から、現在のアジアを考えていきます。
たとえば、東アジアにおける人口移動、日韓関係、中国社会の変化、東南アジアの経済発展、文化交流など、一つの地域についても複数の研究テーマが考えられます。
大学院入試では「アジアを研究したい」という大きなテーマのままでは、研究計画を具体化することが難しくなります。どの国・地域を対象にするのか、どの時代を見るのか、政治・経済・社会・文化のどの側面に注目するのかまで絞り込むことが重要です。
グローバル社会研究では国境を越える課題に注目
グローバル社会研究クラスターでは、特定の一地域だけでは捉えにくいグローバルな問題について研究します。
人口移動、国際協力、安全保障、開発政策、ヒューマンセキュリティ、ジェンダーなどが研究対象として挙げられます。複数の国や地域を比較したり、国境を越えて広がる問題を研究したりしたい方にとって、関心のあるテーマを見つけやすいでしょう。
たとえば「難民問題」を研究する場合でも、受け入れ国の政策を研究するのか、難民となった人々の生活やアイデンティティを研究するのか、国際機関による支援を研究するのかによって、研究方法は大きく変わります。
グローバルなテーマだからこそ、研究計画書では対象を具体的に設定することが大切です。「世界の貧困を解決したい」といった大きな問題意識を、大学院で実際に調査できる研究課題まで落とし込んでいく必要があります。
クラスターの壁を越えた学際的な研究も可能

グローバル・スタディーズ研究科の特徴は、3つのクラスターに分かれている一方で、その枠を越えた研究も重視されていることです。
ジェンダー、人種差別、経済格差、平和的共生、地球環境などの問題は、一つの地域だけを見ても十分に理解できない場合があります。複数の地域を比較したり、歴史学、政治学、社会学、文化研究など異なる学問分野の考え方を取り入れたりすることで、問題をより多面的に捉えることができます。
たとえばアメリカとアジアにおける移民政策を比較する、複数地域におけるジェンダー問題を研究するなど、テーマによってはクラスターを横断する視点が必要になります。
ただし、「学際的に研究したい」と書くだけでは研究計画として十分ではありません。どの分野の知識を組み合わせるのか、それによって何を明らかにできるのかまで具体的に考えることがポイントです。
課題発見から研究発表までを段階的に学ぶ
大学院に入学すると、研究テーマを持っているだけではなく、それを実際の研究として進める力が必要になります。
グローバル・スタディーズ研究科では、必修科目などを通じて、課題の発見から研究プロジェクトの組み立て、成果の発表まで、研究に必要なプロセスを学んでいきます。
特に他学部出身者や社会人の場合、「興味のあるテーマはあるけれど、研究としてどのように進めればよいか分からない」ということもあるでしょう。大学院では、問題意識を研究上の問いに変え、先行研究を調査し、適切な方法を選び、結果を論理的に説明する力を身につける必要があります。
受験準備の段階でも、自分の問題意識だけを書くのではなく、「何を、どのような資料や方法を使って明らかにしたいのか」まで考えておくと、研究計画書を作りやすくなります。
グローバル・スタディーズ学会で研究を発表する機会も

研究科には、学生と教員が構成員となるグローバル・スタディーズ学会があります。研究成果を共有し、異なる専門分野の研究者や学生と議論する場が設けられています。
パネルセッションやポスターセッションなどが開催され、自分の研究を他者に伝え、意見を受ける機会があります。また、学問分野や地域を越えて時代の課題を議論する雑誌「RONDO論堂」の刊行や、優れた研究発表を評価する学会賞の制度も設けられています。
大学院では、指導教員と一対一で研究を進めるだけではなく、自分とは異なるテーマを研究している人との議論から新しい視点を得ることも重要です。研究成果を発表し、フィードバックを受ける環境があることも確認しておきましょう。
多様な国籍・背景を持つ学生と学ぶ環境
グローバル・スタディーズ研究科では、外国人留学生を含め、多様な背景を持つ学生と学ぶ機会があります。日本政府による国費外国人留学生制度や国際協力機構との関係などを通じて、国際的な研究環境が形成されています。
グローバルな問題を研究するとき、自分が当然だと思っている価値観が、別の国や文化の人にはまったく異なって見えることがあります。異なる経験を持つ学生との議論は、自分の考えを見直すきっかけにもなるでしょう。
単に「外国人留学生が多いから国際的」ということではなく、多様な視点の中で自分の研究テーマを捉え直せることが、大学院で学ぶ意味の一つです。
受験前に教員と研究テーマの相性を確認しよう
グローバル・スタディーズ研究科を志望する場合、まず自分の研究テーマが3つのクラスターのどこに位置するのかを整理してみましょう。そのうえで、各クラスターに所属する教員の研究分野や論文、著書などを確認することが重要です。
「国際問題に興味がある」「アジアについて学びたい」という理由だけでは、大学院の研究テーマとしてはまだ広すぎます。対象地域、時代、社会課題、研究方法まで少しずつ絞り込み、そのテーマを指導できる教員がいるかを確認していきます。
また、クラスターをまたぐ研究を考えている場合には、なぜ複数の地域や学問分野を組み合わせる必要があるのかを説明できるようにしておきましょう。
グローバル・スタディーズ研究科で求められるのは、単に「海外が好き」「国際的に活躍したい」という気持ちだけではありません。世界で起きている具体的な問題に対して問いを立て、地域や学問分野の境界を越えながら研究する姿勢が重要です。自分がどの問題を、なぜ研究したいのか。その出発点を明確にするところから、受験準備を始めてみてください。
この記事の内容は執筆時点の情報です。クラスターの構成、カリキュラム、所属教員、研究活動、学会、留学生制度、入試方式などは変更される場合があります。受験を検討する際は、必ず同志社大学の公式サイトおよびグローバル・スタディーズ研究科の最新の入試要項をご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。



