最長6年かけてじっくり修了!仕事・家庭と並行できる「長期履修制度」

院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「院試お役立ち記事」をご覧いただき、ありがとうございます。今回のテーマは「同志社大学大学院の長期履修制度」です。

社会人として働きながら大学院への進学を考えるとき、「標準の2年間で修士課程を修了できるだろうか」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。仕事には繁忙期がありますし、残業や出張が重なることもあります。育児や介護など、家庭の事情と学業を両立したい方もいるでしょう。

こうした事情を抱える学生が、無理のない計画で大学院教育を受けられるように設けられているのが「長期履修制度」です。同志社大学大学院でも、対象となる研究科において長期履修制度が用意されています。

大学院進学を「2年間すべてを研究に使える人だけのもの」と考える必要はありません。働き方や家庭環境に合わせた進学方法を考えるためにも、社会人受験生は長期履修制度の仕組みを知っておきましょう。


長期履修制度とはどのような制度なのか

長期履修制度とは、職業を持つ社会人や、育児・介護などの事情がある学生を対象として、標準修業年限を超えた期間で計画的に教育課程を履修し、修了を目指せる制度です。

一般的な博士課程前期課程では標準修業年限が2年間となっています。しかし、仕事をしながら平日の夜や土曜日を中心に学ぶ場合、2年間で授業の単位を取得しながら研究を進め、修士論文まで完成させることが難しいケースもあります。

同志社大学大学院では、対象となる課程・研究科において、博士課程前期課程、博士課程後期課程それぞれ最長6年間の長期履修が認められる制度があります。

ただし、すべての研究科で一律に最長6年間を選択できるという意味ではありません。長期履修制度を実施しているか、対象者は誰か、申請できる期間はどの程度かといった条件は研究科によって異なります。志望先を決める際には、必ず個別に確認してください。


「2年で修了できないから諦める」必要はない

長期履修制度のメリットは、自分の生活に合わせて研究計画を立てやすくなることです。

たとえば、平日はフルタイムで勤務し、夜間に授業を履修する社会人の場合を考えてみましょう。仕事が終わった後に授業へ出席し、帰宅後や休日に課題や研究を進める生活を2年間続けることは、想像以上に負担が大きくなる可能性があります。

特に大学院では、授業に出席して単位を取得すれば修了できるわけではありません。先行研究を読み、調査や実験を行い、指導教員から指導を受けながら論文をまとめる時間が必要です。

そこで、あらかじめ修了までの期間を長く設定することで、1年間に履修する授業数を調整し、研究時間を確保しやすくなります。仕事の繁忙期には大学院の負担を抑え、比較的余裕のある時期に研究を進めるなど、長期的な視点で学修計画を考えられることが長期履修制度の利点です。


育児や介護と大学院を両立したい人にも選択肢になる

長期履修制度は、働いている社会人だけを対象とした制度ではありません。研究科の定める条件によっては、育児や介護などの事情によって標準修業年限での修了が難しい学生も対象となります。

たとえば子育てをしながら大学院へ進学する場合、子どもの送迎や行事、急な体調不良などによって、研究に使える時間が限られることがあります。家族の介護をしている場合も、毎週決まった時間を大学院に使えるとは限りません。

こうした事情がある場合に、「今は大学院進学を諦めるしかない」と考えるのではなく、長期履修制度を利用して研究を続ける方法があるか確認してみる価値があります。

大学院進学では、合格することだけではなく、入学後に無理なく研究を続けられるかどうかも重要です。自分の生活状況を踏まえて、修了までの現実的な計画を考えておきましょう。


学費の納入方法も事前に確認しておこう

長期履修を検討する際に、多くの受験生が気になるのが学費です。「2年間の課程を4年間で修了したら、授業料も単純に2倍になるのではないか」と心配する方もいるでしょう。

長期履修学生については、通常の学生とは異なる学費の算出方法や納入方法が設定される場合があります。標準修業年限分の授業料を認められた長期履修期間に応じて分けて納入する仕組みなどが考えられますが、実際の計算方法は研究科や年度、在籍状況などによって確認が必要です。

そのため、「長期履修なら学費総額は必ず同じ」「在籍期間を延ばしても追加負担はない」と自己判断しないことが大切です。入学金、授業料、諸費用なども含め、最新の学費情報と長期履修学生の納入方法を確認してください。

社会人の場合は、学費だけでなく、通学費や教材費、仕事を調整することによる収入への影響なども含めて考えると、より現実的な資金計画を立てられます。


研修生制度・研究生制度という選択肢もある

同志社大学には、長期履修制度とは別に、修了後も専門的な学びや研究を続けるための制度があります。

たとえば、修士の学位を取得した後、さらに高度な専門職に必要な能力を身につけたい人を対象とする「研修生制度」があります。大学院を修了した後も、専門性をさらに高めたい人にとって検討できる制度です。

また、博士課程後期課程に6年間、あるいは一貫制博士課程に8年間在学した後、さらに専門的な研究指導を希望する人を対象とした「研究生制度」もあります。

これらは長期履修制度とは目的や対象者が異なりますが、「大学院でどこまで研究を続けるのか」という長期的なキャリアを考える際には知っておきたい制度です。博士課程への進学や研究職を視野に入れている方は、修士課程への入学だけではなく、その先の研究環境についても調べておくとよいでしょう。


関西の3大学との単位互換制度も確認

同志社大学大学院では、関西大学、関西学院大学、立命館大学との大学院単位互換制度も実施しています。

所定の条件や手続きを満たした場合、これら3大学の大学院授業科目を履修できる仕組みです。自分の研究に必要な科目が同志社大学以外の大学院で開講されている場合など、研究の幅を広げる選択肢になります。

ただし、希望する科目を自由に履修できるとは限りません。対象科目や履修条件、単位の取り扱いなどについて確認が必要です。

長期履修制度と直接同じ制度ではありませんが、時間をかけて専門性を高めたい社会人にとっては、大学院でどのような学び方ができるのかを考える材料になるでしょう。


受験前に「何年なら現実的か」を考えてみよう

長期履修制度を利用できるからといって、最初から最長期間を選べばよいわけではありません。大切なのは、自分の仕事や家庭の状況を踏まえて、何年間であれば無理なく修了を目指せるのかを考えることです。

まず、平日に大学院へ使える時間、土日の研究時間、仕事の繁忙期、出張の頻度、育児や介護の予定などを書き出してみましょう。そのうえで、授業の履修だけでなく、論文執筆や調査・実験の時間まで確保できるかを考えます。

社会人大学院生にとって、早く修了することだけが正解とは限りません。仕事や家庭を維持しながら研究を継続し、自分が納得できる成果につなげることも重要です。

同志社大学大学院を目指しているものの、「2年間で修了できる自信がない」という方は、それだけを理由に進学を諦める前に、志望研究科の長期履修制度を確認してみてください。自分の生活に合った学び方を見つけることが、大学院で研究を続けるための大切な準備になります。


この記事の内容は執筆時点の情報です。長期履修制度の対象となる研究科・課程、申請資格、履修可能期間、学費の計算・納入方法、研修生制度、研究生制度、単位互換制度などは変更される場合があります。受験を検討する際は、必ず同志社大学の公式サイトおよび志望研究科の最新の入試要項・履修要項をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。