大学院に行くべきか迷ったら?自分に問いかけたい7つの質問

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「大学院に興味はあるけれど、本当に進学するべきなのだろうか」「就職するか大学院に行くか、なかなか決められない」。そんな悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。

大学院に進学すれば、専門分野について深く学び、研究活動に取り組むことができます。一方、進学には学費や時間が必要であり、修了後の進路についても考えなければなりません。

大学生であれば、就職活動を始めるか、大学院入試の準備を進めるかで迷うことがあるでしょう。社会人であれば、今の仕事を続けるべきか、大学院で学び直すべきか悩むかもしれません。

こうした迷いに、すべての人に共通する正解はありません。

志樹舎では、大学院進学を考えるうえで大切なのは、できるだけ早く結論を出すことではなく、自分が何を求めているのかを丁寧に考えることだと捉えています。

迷っているということは、それだけ自分の将来について真剣に考えているということでもあります。

今回は、大学院進学を迷っている方に向けて、自分に問いかけたい7つの質問を紹介します。すぐに答えが出なくても構いません。一つずつ考えながら、自分に合った進路を探してみましょう。


質問① なぜ大学院に行きたいと思ったのか?

最初に考えたいのは、大学院に興味を持ったきっかけです。

大学の授業で興味のある分野に出会い、さらに詳しく学びたいと思った人もいるでしょう。

卒業論文に取り組む中で、調べきれなかった問題について研究を続けたいと考える人もいます。

また、社会人であれば、仕事で感じた疑問を専門的に研究したいと思うことがあるかもしれません。

一方、「周囲の友人が大学院に進学するから」「就職活動に自信がないから」という理由で、大学院を検討する場合もあります。

そうした理由があること自体は、悪いことではありません。

ただし、大学院では自分で研究課題を設定し、長い時間をかけて取り組む場面があります。そのため、進学後に何を学びたいのかが曖昧なままだと、研究活動への意欲を保つことが難しくなる場合があります。

まずは、大学院に興味を持ったきっかけを紙に書き出してみましょう。

「授業で学んだ教育格差の問題が気になった」「仕事で組織運営の難しさを感じた」など、具体的な経験を振り返ると、自分の関心が見えてくることがあります。

そして、もう一つ考えてみてください。

「もし誰にも大学院進学を勧められなかったとしても、自分は学びたいと思うだろうか」という問いです。

他人の期待をいったん脇に置くことで、自分自身の進学理由が見えてくるかもしれません。

質問② 大学院で何を学び、何を明らかにしたいのか?

大学院に進学したい理由が見えてきたら、次に考えたいのは、具体的に何を学びたいのかということです。

例えば、「心理学を学びたい」という希望がある場合でも、心理学にはさまざまな研究分野があります。

人間関係について研究したいのか、学習や記憶について調べたいのかによって、適した研究科や指導教員は異なります。

また、「経営学を学びたい」と考えている場合も、経営戦略、マーケティング、組織行動、人材育成など、関心のある分野を整理する必要があります。

大学院での研究では、専門知識を学ぶだけでなく、具体的な研究課題を設定することが求められる場合があります。

例えば、「企業の人材育成について学びたい」という関心から、「なぜ同じ研修制度を導入しても、社員によって学習成果が異なるのか」という問いを考えることができます。

ただし、進学前に研究テーマを完全に決めておく必要があるかどうかは、大学院や研究科によって異なります。

現時点で具体的な研究テーマが決まっていなくても、興味のある分野の専門書や論文を読み、どのような研究が行われているのかを調べることから始められます。

志樹舎では、研究テーマを考えることは、自分が社会や人間のどのような問題に関心を持っているのかを知る過程でもあると考えています。

最初から立派な研究テーマを掲げる必要はありません。

身近な疑問であっても、その背景を調べ、問いを深めていくことで、研究につながる可能性があります。

大学院進学を検討する学生が専門書や論文を読み、研究テーマを整理するイメージ

質問③ その目標を実現するために大学院は必要なのか?

大学院に進学したいと思ったときには、大学院以外の方法でも目的を実現できないかを考えてみましょう。

例えば、特定の分野について知識を深めたい場合には、専門書を読んだり、大学の公開講座を受講したりする方法があります。

また、仕事で必要な技能を身につけたい場合には、資格取得や専門的な研修が適していることもあるでしょう。

一方、指導教員のもとで研究活動に取り組み、学位取得を目指したい場合には、大学院進学が適している可能性があります。

例えば、地域社会の課題について研究したいと考えている場合、独学でも資料を集めて学ぶことはできます。

しかし、研究方法について専門的な指導を受けたり、他の学生と議論したりしながら研究を深めたいのであれば、大学院で学ぶ意味があるでしょう。

大切なのは、大学院に進学すること自体を目的にしないことです。

志樹舎では、大学院進学を勧める立場だからこそ、進学以外の選択肢にも目を向けることが重要だと考えています。

大学院に行かなくても実現できる目標であれば、別の方法を選ぶことが合理的な場合もあります。

それでも大学院で学びたいと思う理由があるのか。

この問いは、進学の必要性を考えるうえで重要です。

質問④ 大学院修了後にどのような進路を考えているのか?

大学院進学を考える際には、修了後の進路についても考えておくことが大切です。

例えば、大学や研究機関で研究を続けたい場合には、修士課程修了後に博士後期課程への進学を検討することがあります。

一方、企業への就職を考えている場合には、大学院で学んだ専門知識や研究経験を、どのような仕事に生かせるのかを整理する必要があります。

また、社会人であれば、現在の仕事で専門性を高めたいのか、新しい分野へ転職したいのかによって、適した大学院が異なる場合があります。

例えば、企業で人事業務を担当している人が、組織行動や人材開発について大学院で研究し、その知識を現在の仕事に生かすことが考えられます。

ただし、大学院を修了すれば、必ず希望する仕事に就けるわけではありません。

希望する職種によっては、実務経験や資格などが求められる場合もあります。

進学前には、大学院の修了生がどのような進路に進んでいるのかを調べたり、希望する仕事の採用条件を確認したりするとよいでしょう。

将来の進路を一つに決める必要はありません。

むしろ、大学院で学ぶことによって、それまで知らなかった仕事や研究分野に出会う可能性もあります。

将来の選択肢を固定するためではなく、自分の可能性をどのように広げたいのかという視点から考えてみましょう。

質問⑤ 学費や生活費を無理なく準備できるか?

大学院進学には、入学金や授業料などの費用が必要です。

また、通学にかかる交通費や教材費、研究活動に必要な費用などが発生する場合もあります。

遠方の大学院に進学するために一人暮らしを始める場合には、家賃や生活費も考える必要があります。

社会人が退職して大学院に進学する場合には、在学中の収入が減る可能性もあるでしょう。

そのため、学費だけでなく、修了までに必要な費用をできるだけ具体的に見積もっておくことが大切です。

大学院によっては、奨学金や授業料免除制度などを利用できる場合があります。

ただし、制度ごとに申請条件や選考があり、必ず利用できるとは限りません。

例えば、奨学金を利用する予定であっても、採用されなかった場合にどのように学費を負担するのかを考えておく必要があります。

大学院進学を検討する際には、学びたい気持ちだけでなく、経済的に学び続けられるかどうかも確認しましょう。

志樹舎では、進学のために生活のすべてを犠牲にすることが、必ずしも望ましいとは考えていません。

学びを続けるためには、学習意欲だけでなく、生活を維持できる環境も必要です。

進学に必要な費用を考えることは、夢を諦めるためではなく、その夢を現実的な計画にするための作業です。

大学院進学に必要な学費や生活費を計算し、資金計画を検討するイメージ

質問⑥ 研究や学習のための時間を確保できるか?

大学院では、授業への出席だけでなく、予習や復習、文献調査、研究発表、論文執筆などに時間が必要です。

文系大学院では、専門書や論文を読み、研究テーマに関する資料を整理する時間が必要になります。

理系大学院では、研究内容によって実験やデータ分析などにまとまった時間が必要になる場合があります。

また、修士論文の提出が近づくと、研究成果の整理や執筆に多くの時間を使うこともあるでしょう。

社会人の場合には、仕事と学業をどのように両立するのかを考える必要があります。

例えば、平日の夜間に授業を受け、休日に研究を進める方法があります。

ただし、仕事の繁忙期や家庭の予定などによって、計画どおりに学習時間を確保できないこともあります。

進学前には、現在の1週間の生活を振り返り、どの程度の時間を学習に使えるのかを確認してみましょう。

また、大学院によっては夜間や土曜日に授業を開講している場合がありますが、研究指導や実験などが同じ時間帯に行われるとは限りません。

授業時間だけでなく、研究活動に必要な時間も含めて考えることが大切です。

時間の確保が難しい場合には、進学時期を変更したり、長期履修制度のある大学院を検討したりする方法もあります。

大切なのは、無理な計画を立てることではなく、学び続けられる計画を立てることです。

質問⑦ 大学院に進学しなかった場合、どのような道を選ぶか?

大学院進学を迷っているときには、進学する場合だけでなく、進学しなかった場合についても考えてみましょう。

例えば、大学4年生で進学を迷っている場合には、大学院に進学する道と、就職して実務経験を積む道があります。

就職した場合には、仕事を通じて新しい知識や技能を身につけることができるでしょう。

また、社会人であれば、現在の仕事を続けながら独学で学んだり、資格取得を目指したりする方法もあります。

大学院進学を選ばなかったとしても、学ぶ機会がなくなるわけではありません。

一方、大学院に進学することで、指導教員のもとで研究に取り組んだり、専門分野について体系的に学んだりする機会が得られます。

それぞれの選択肢には、メリットと注意点があります。

例えば、就職すれば実務経験を積める一方、大学院で研究する時間を確保することは難しくなるかもしれません。

反対に、大学院へ進学すれば研究に取り組めますが、その間の学費や生活費を考える必要があります。

志樹舎では、大学院に進学することだけが前向きな選択だとは考えていません。

就職することも、働きながら学ぶことも、進学を数年後に見送ることも、それぞれに意味があります。

重要なのは、どの道を選ぶかという結果だけでなく、なぜその道を選ぶのかを自分で説明できることです。

7つの質問に答えられなかったら進学を諦めるべき?

ここまで、大学院進学を考えるための7つの質問を紹介しました。

しかし、すべての質問にすぐ答えられる人ばかりではありません。

大学院で研究したい分野は決まっていても、具体的な研究テーマが見つかっていない場合があります。

また、将来の仕事について、まだ明確な目標がない人もいるでしょう。

そうした場合に、すぐ大学院進学を諦める必要はありません。

大切なのは、答えられなかった質問をそのままにせず、必要な情報を集めて考えていくことです。

例えば、研究テーマが決まらない場合には、興味のある分野の専門書や論文を読んでみましょう。

大学院生活のイメージがつかない場合には、大学院の説明会に参加したり、授業内容や修了要件を調べたりすることが役立ちます。

また、将来の進路に迷っている場合には、希望する職種の採用条件や、大学院修了生の進路情報を確認する方法があります。

志樹舎では、答えがすぐに出ないこと自体を、否定的に捉える必要はないと考えています。

研究もまた、最初から答えがわかっている問題に取り組むものではありません。

自分の進路について考えることも、わからないことを明らかにしていく過程です。

大学院進学を決めるまでの時間も、自分の関心や将来について考える大切な機会になるでしょう。

迷ったときは「今すぐ進学する必要があるか」も考えよう

大学院進学を考える際には、進学するかどうかだけでなく、いつ進学するかという視点も重要です。

大学卒業後すぐに大学院へ進学する方法があります。

一方、いったん就職して実務経験を積んだ後に、大学院へ進学することも考えられます。

社会人の場合には、現在の仕事を続けながら大学院へ通う方法や、仕事を休んで学業に専念する方法などがあります。

研究したいテーマが明確で、学費や生活費の準備もできている場合には、早い段階で進学を目指すことが適しているかもしれません。

一方、研究したい分野がまだ定まっていない場合には、仕事や学習を通じて関心を整理してから進学する方法もあります。

ただし、希望する大学院の入試日程や出願資格によっては、準備に時間が必要になる場合があります。

進学時期を検討する際には、自分の生活状況と大学院の募集日程をあわせて確認しておきましょう。

大学院進学と就職、社会人としての学び直しなど複数の進路を比較するイメージ

大学院進学を判断するときは、条件に優先順位をつけよう

7つの質問について考えてみると、大学院進学に求めることが複数見つかるかもしれません。

例えば、「専門分野を研究したい」「将来の仕事に生かしたい」「できるだけ学費を抑えたい」「仕事を続けながら学びたい」といった希望が考えられます。

しかし、すべての希望を満たす大学院が見つかるとは限りません。

研究内容が自分の関心に合っていても、授業時間が仕事と両立しにくい場合があります。

また、通学しやすい大学院であっても、希望する研究テーマを指導できる教員がいない場合もあるでしょう。

そのため、進学先を選ぶ際には、自分にとって何が最も重要なのかを整理することが大切です。

研究内容を最優先にするのか、仕事との両立を重視するのか、学費を抑えることを優先するのかによって、大学院の選び方は変わります。

志樹舎では、進学先を選ぶことは、自分にとって譲れないものを明らかにする作業でもあると考えています。

何を優先し、何を調整できるのか。

その判断を重ねることで、自分に合った大学院の条件が少しずつ明確になっていくでしょう。

大学院に行くべきか迷ったら、まず一つ行動してみよう

大学院進学について考えていても、情報を集めるだけでは決断できないことがあります。

そんなときには、無理に結論を出そうとするのではなく、まず一つ行動してみましょう。

例えば、興味のある大学院の公式サイトを開き、研究科や専攻の特徴を調べてみる方法があります。

また、関心のある研究テーマについて、専門書や論文を一つ読んでみることもできます。

大学院の説明会が開催されている場合には、参加してみるのもよいでしょう。

実際に情報を集めることで、「この分野をもっと研究したい」と感じることもあれば、「今は仕事を続けながら学ぶほうがよさそうだ」と考えることもあります。

どちらの結論になったとしても、自分の考えを整理するための大切な経験です。

大学院進学は、周囲の人と同じタイミングで決めなければならないものではありません。

志樹舎では、進学の意思決定において、他人の正解を探すよりも、自分の判断に必要な材料を集めることが重要だと考えています。

最初の一歩は、小さなもので構いません。

一つの論文を読む。一つの大学院を調べる。一人の教員の研究を知る。

その積み重ねが、自分にとって納得できる進路を考える手がかりになるでしょう。

まとめ|大学院進学を決める前に、自分の答えを探そう

大学院に行くべきか迷ったときには、まず自分が何を学びたいのか、将来どのような道に進みたいのかを整理することが大切です。

今回紹介した7つの質問は、大学院進学の目的や研究内容、将来の進路、学費、時間などを考えるためのものです。

すべての質問にすぐ答えられなくても構いません。答えが見つからない部分について、必要な情報を集めていくことが重要です。

また、大学院進学以外にも、就職や転職、資格取得、公開講座など、学びを続ける方法はあります。

大学院に進学することが、自分にとって最も適した選択なのかを考えてみましょう。

大学院進学は、人生の中で大きな決断の一つになるかもしれません。

だからこそ、周囲の評価だけで判断するのではなく、自分が何を大切にしたいのかを考え、納得できる進路を選ぶことが重要です。

大学院に進学するという答えも、進学しないという答えも、自分で考え抜いたものであれば意味があります。

そして、今はまだ決められないという状態も、決して無意味ではありません。

迷いながら考え、調べ、行動すること。その過程で、自分自身の学びたいことや将来への考え方が少しずつ明確になっていくはずです。

次回は「大学院進学を決める前に整理したい、自分の将来と学びたいこと」をテーマに、これまで考えてきた内容を具体的な進学計画につなげる方法について解説します。

※大学院の研究内容、出願資格、入試制度、学費、授業形態、修了要件などは大学院・研究科によって異なります。最新の情報は、各大学院の公式サイトや募集要項で必ずご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。