大学院受験において、研究計画書や志願者調書の作成は最も重要な準備の一つです。
自分の研究テーマやこれまでの経験をしっかり伝えたいと考えるあまり、「枠内に書ききれない」「もっとアピールしたい」と感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし、慶應義塾大学大学院の出願では、この“もっと書きたい”という気持ちがそのまま評価につながるわけではありません。
むしろ、ルールを守れていないことがマイナスになる可能性があります。
この記事では、出願書類でやりがちなミスと、その背景にある考え方について解説します。
指定されたページ数と枠内に収めるのが前提
慶應義塾大学大学院の出願書類には、それぞれ決められたフォーマットとページ数があります。
志願者調書や研究計画書についても、記入する枠や文字数があらかじめ設定されています。
そして重要なのは、「その枠内に収めること」が前提条件になっているという点です。
公式の案内でも、書ききれない場合は別紙を使うのではなく、所定のページ数や枠内に収まるようにまとめることが求められています。
つまり、「枠からはみ出しても内容が良ければ評価される」ということはありません。
どれだけ優れた内容であっても、フォーマットを守れていなければ、その時点で評価の土台に乗らない可能性があります。
大学院は研究の場であると同時に、ルールに基づいて書類を作成する力も求められます。
そのため、まずは指定された形式を正しく守ることが大前提になります。
別紙添付は原則認められていない
「どうしても書ききれないので別紙をつけたい」と考える方は多いですが、この対応は原則として認められていません。
志願者調書や研究計画書は、あくまで指定された形式の中で完結させる必要があります。
別紙を追加することで情報量は増えるかもしれませんが、それは大学側が想定している評価の枠組みから外れてしまいます。
また、受験生ごとに情報量がバラバラになってしまうと、公平な評価が難しくなります。
そのため、「書ききれないから別紙で補う」という発想自体が、評価のルールから外れてしまう可能性があります。
書きたい内容が多い場合こそ、どこを削るべきか、どの情報を優先すべきかを考えることが重要です。
指定外の資料の同封もNG
別紙だけでなく、追加資料の同封にも注意が必要です。
たとえば、自分の実績を示すために作品やポートフォリオ、レポートなどを同封したくなるかもしれません。
しかし、慶應義塾大学大学院では、各研究科が指定している提出書類以外の資料は、原則として同封しないよう明記されています。
大学側は、すべての受験生を同じ条件で評価する必要があります。
指定されていない資料を勝手に追加してしまうと、その公平性が崩れてしまう可能性があります。
結果として、評価にプラスになるどころか、「指示を守れていない」という印象を与えてしまうリスクもあります。
どれだけアピールしたい内容があっても、指定されていないものは出さないという判断が重要です。
限られた枠内で伝える力が評価される
なぜここまで厳しくルールが決められているのかというと、それ自体が評価の一部になっているからです。
大学院では、自分の研究を限られた時間や分量の中で説明する場面が多くあります。
研究発表や論文執筆でも、「必要な情報を整理して、簡潔に伝える力」が求められます。
出願書類も同じで、決められた枠の中でどれだけ論理的にまとめられるかが見られています。
「書ききれない」と感じたときは、内容が多すぎる可能性があります。
重要なポイントに絞り、言い回しを見直し、不要な部分を削ることで、より伝わる文章にすることができます。
このプロセスそのものが、大学院で必要とされる力につながります。
まとめ|ルールを守ることが評価の前提になる
慶應義塾大学大学院の出願書類では、指定されたページ数や枠内に収めることが絶対条件です。
別紙の添付や、指定外の資料の同封は原則として認められていません。
どれだけ熱意があっても、ルールを守れていなければ評価につながらない可能性があります。
重要なのは、限られた分量の中で、自分の研究テーマや強みを整理して伝えることです。
まずは要項をしっかり確認し、そのルールに沿った形で書類を仕上げていきましょう。
どうしても伝えきれない内容がある場合は、面接など別の場で説明できるよう準備しておくことも大切です。
※本記事の内容は変更される可能性があります。必ず公式サイトをご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。



