横浜国立大学大学院の留学生向け入試ガイド|渡日前特別選抜と英語による教育プログラム
海外に住みながら日本の大学院への進学を考えている方や、現在日本の大学で学び、さらに専門的な研究へ進みたい留学生の方もいるのではないでしょうか。
横浜国立大学大学院では、海外からの学生を受け入れるため、渡日前特別選抜や英語による教育プログラム、国費外国人留学生向けの選抜などが用意されています。
日本語で専門的な授業を受けることに不安がある方や、入試のためだけに日本へ渡航することが難しい方でも、志望する学府や専攻によっては海外から出願・受験できる可能性があります。
この記事では、横浜国立大学大学院を目指す留学生に向けて、渡日前特別選抜、英語で学位取得を目指せるプログラム、国費外国人留学生向け制度、出願前に確認したい手続きについて解説します。
海外から受験できる渡日前特別選抜とは
一般的な大学院入試では、指定された試験日に大学へ行き、筆記試験や面接を受ける場合があります。しかし、海外に住んでいる志願者にとって、受験のためだけに来日することは簡単ではありません。
航空券や宿泊費が必要になるだけでなく、査証の取得や仕事、学業の予定も調整しなければなりません。
こうした海外在住者の負担を軽減するため、一部の学府や専攻では、来日前に選考を受けられる渡日前特別選抜が実施される場合があります。
渡日前特別選抜では、成績証明書、卒業証明書、研究計画書、語学能力の証明書などによる書類審査に加え、オンライン面接などを通じて選考が行われることがあります。
例えば、国際社会科学府の経営学専攻では、過去に博士課程前期の渡日前特別選抜に関する募集要項や入試情報が公開されています。
ただし、すべての学府や専攻で渡日前入試が実施されているわけではありません。対象となる課程、出願資格、選考方法は年度によって異なるため、必ず自分が受験する年度の募集要項を確認してください。
渡日前入試でも早めの準備が必要
海外から受験できる制度であっても、準備が簡単になるわけではありません。外国の大学を卒業した方は、通常の出願期間より前に出願資格の事前審査が必要になる場合があります。
また、卒業証明書や成績証明書が日本語または英語以外で作成されている場合は、翻訳文の提出を求められることがあります。
国や大学によって証明書の発行に時間がかかることもあるため、出願直前ではなく、数か月前から準備を始めましょう。
オンライン面接が行われる場合は、通信環境、カメラ、マイク、時差も確認します。面接時刻は日本時間で示されることがあるため、自分の居住地の時刻へ正しく換算することが大切です。
英語だけで学べる教育プログラム
横浜国立大学大学院では、授業や研究指導を英語で受け、英語で学位論文を作成できる教育プログラムが設けられています。
日本語能力に不安がある留学生にとって、日本語による専門授業を受けずに学位取得を目指せることは大きな利点です。
ただし、英語によるプログラムであっても、日常生活や大学内での手続きでは日本語が必要になる場合があります。入学前から基礎的な日本語を学んでおくと、日本での生活を始めやすくなります。
また、英語で授業を受けられることと、日本語で開講されるすべての科目を英語で受講できることは同じではありません。希望する研究指導や授業が英語で提供されているかを確認しましょう。
経済学専攻の英語教育プログラム
国際社会科学府の経済学専攻では、英語による教育プログラムとしてIMAPやIPhDが案内されています。
経済理論、統計、計量経済学、国際経済などを英語で学び、修士または博士の学位取得を目指すプログラムです。
出願時には、TOEFLやIELTSなどの英語能力試験のスコア提出を求められる場合があります。必要な試験の種類、最低スコア、スコアの有効期限は募集要項で確認してください。
英語で学んできた経験があっても、出身大学の証明書だけでは英語能力試験が免除されないことがあります。自己判断せず、免除条件を細かく確認しましょう。
経営学専攻の博士課程後期プログラム
国際社会科学府の経営学専攻では、博士課程後期に英語で学ぶ国際的なプログラムが設けられる場合があります。
日本企業の経営、組織、雇用、イノベーションなどを研究し、日本的経営を国際的な視点から分析できる点が特徴です。
博士課程後期では、専門知識だけでなく、自分で研究課題を設定し、国際的な学術研究として成果を発表する力が必要です。
出願時には、修士論文や研究実績、博士課程での研究計画などが審査対象になる可能性があります。志望教員の研究内容や英語論文を確認し、自分の研究との共通点を整理しておきましょう。
都市イノベーション学府の英語教育
都市イノベーション学府では、建築、都市基盤、地域社会などを対象とした英語教育プログラムが案内される場合があります。
都市計画、インフラ、防災、地域開発などは、国や地域を越えて取り組む必要がある課題です。そのため、異なる国の学生と英語で学び、各地域の事例を比較できることは大きな魅力です。
ただし、コースによって入試科目、提出書類、求められる専門知識が異なります。
建築系では作品集や設計能力、都市基盤系では数学や土木工学の知識、地域社会系では社会科学的な研究計画が重視される場合があります。
英語プログラムという点だけで選ぶのではなく、自分の研究テーマに適した教員とカリキュラムがあるかを確認してください。
国費外国人留学生向けの特別プログラム
横浜国立大学大学院では、私費留学生向けの入試だけでなく、日本政府の奨学金を利用する国費外国人留学生向けの選抜や教育プログラムも案内されています。
理工学府では、機械・材料・海洋系工学専攻や、化学・生命系理工学専攻、数物電子情報系理工学専攻などを対象とした特別プログラムが設けられる場合があります。
また、中国国家留学基金管理委員会と連携するCSC-YNU Joint Scholarship Programや、国際協力機構による留学生受け入れ制度などが案内されることもあります。
先進実践学環でも、国費外国人留学生を対象とした特別選抜が実施される年度があります。
国費留学生の応募方法には、大使館推薦、大学推薦などがあり、それぞれ応募時期や手続きが異なります。大学の通常入試と同じ準備だけでは応募できないこともあるため、早めに制度を確認しましょう。
志望教員への事前連絡を確認する
留学生入試では、出願前に志望教員へ連絡し、研究指導を受けられるか確認するよう求められる場合があります。
教員へ連絡するときは、氏名、所属大学、これまでの研究、大学院で取り組みたいテーマ、志望理由を簡潔にまとめます。
研究計画書や履歴書を添付する場合は、ファイル名や形式にも注意しましょう。
単に「あなたの研究室に入りたい」と伝えるのではなく、教員のどの研究に関心を持ち、自分のテーマとどのような関係があるのかを具体的に説明することが大切です。
教員から受け入れの可能性を示されても、それだけで入試の合格が決まるわけではありません。正式な出願と選考が必要です。
安全保障輸出管理の手続き
理工学府、環境情報学府、都市イノベーション学府などで科学技術に関する研究を希望する外国人志願者は、安全保障輸出管理に関する確認を求められる場合があります。
これは、軍事転用される可能性のある技術や情報が適切に管理されるようにするための手続きです。
国籍だけで判断されるものではなく、これまでの所属機関、研究内容、希望する研究分野などが確認されることがあります。
審査に時間がかかる可能性もあるため、対象となる方は出願直前ではなく、募集要項が公開された段階で必要な手続きを確認してください。
英語能力試験のスコアを早めに準備する
留学生向けプログラムでは、TOEFLやIELTSなどのスコア提出を求められることがあります。日本語で学ぶプログラムでも、英語試験の成績が選考に使われる場合があります。
注意したいのは、専攻によって受け付ける試験やスコアの種類が異なることです。
TOEFL iBTは認められても別形式は認められない、IELTSはAcademic Moduleのみ対象になるなど、細かな条件が設けられることがあります。
また、出願日から2年以内に受験したスコアなど、有効期限が指定される場合もあります。スコア証明書の発行や大学への直送に時間がかかることも考え、早めに受験しましょう。
合格後の在留資格と経済的支援
海外在住の方が合格した後は、日本へ入国するための在留資格認定証明書や留学ビザに関する手続きが必要です。
必要書類の提出期限を過ぎると、予定していた入学時期に来日できない可能性があります。合格通知を受け取ったら、大学から案内される手続きを確認してください。
私費外国人留学生を対象とした授業料免除、奨学金、学生寮などの情報も案内される場合があります。
ただし、奨学金や授業料免除は希望者全員が利用できるとは限りません。申請条件、選考方法、支給期間を確認し、学費や生活費について現実的な資金計画を立てることが大切です。
最新の募集要項から準備を始めよう
横浜国立大学大学院では、渡日前特別選抜、英語による教育プログラム、国費外国人留学生向けの特別選抜など、海外から進学を目指す方に向けた複数の制度があります。
一方で、利用できる制度や選考方法は、学府、専攻、課程、入学時期によって異なります。
まずは志望する研究分野と教員を決め、自分が応募できるプログラムを確認しましょう。そのうえで、出願資格、語学スコア、研究計画書、証明書の翻訳、事前審査、教員への連絡などを進めます。
海外からの出願では、書類の準備や郵送、時差を考慮した面接などに時間がかかります。募集要項が公開される前から研究テーマと語学試験の準備を始めることが、余裕を持って出願するためのポイントです。
自分が研究したい内容と横浜国立大学大学院の教育環境を具体的に結び付け、計画的に入試準備を進めましょう。
※渡日前特別選抜、英語による教育プログラム、国費外国人留学生向け選抜、語学要件、安全保障輸出管理、奨学金、在留資格に関する手続きは、年度や学府・専攻によって異なります。必ず最新の公式サイトと学生募集要項をご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。



