社会人向け|横浜国立大学大学院「横浜ビジネススクール(YBS)」の魅力と入試対策

仕事を続ける中で、「自社の課題を経験や感覚だけでなく、理論的に分析したい」「経営全体を見渡せる知識を身につけたい」と感じている方もいるのではないでしょうか。

近年は、社会人の学び直しやリスキリングへの関心が高まり、働きながら大学院へ進学する人も増えています。その選択肢の一つとなるのが、横浜国立大学大学院の横浜ビジネススクール、通称YBSです。

横浜ビジネススクールは、国際社会科学府の経営学専攻に設けられている社会人専修コースです。企業や団体などで実務経験を積んだ社会人が、経営学の理論と自身の仕事上の課題を結び付けながら学びます。

この記事では、横浜ビジネススクールの特徴、働きながら学ぶメリット、入試スケジュールの傾向、過去問の活用方法、研究計画の考え方について解説します。


横浜ビジネススクールとは

横浜ビジネススクールは、実務経験を持つ社会人を対象とした経営学専攻の社会人専修コースです。一般的な経営知識を学ぶだけでなく、仕事の現場で抱えている問題を研究課題として捉え直し、経営学の理論や研究方法を使って分析します。

例えば、組織内の人材育成、新規事業の立ち上げ、顧客との関係づくり、企業の財務戦略など、実務で直面する課題が研究の出発点になることがあります。

ただし、業務上の悩みをそのまま研究テーマにするわけではありません。誰にでも当てはまる問いへ広げたり、先行研究と照らし合わせたりしながら、学術的に検討できる課題へ整理する必要があります。

自分の経験を研究に生かせることは、社会人向け大学院ならではの特徴です。一方で、経験だけに頼らず、理論やデータを使って客観的に考える姿勢も求められます。


実務上の課題を理論的に分析できる

横浜ビジネススクールで学ぶメリットの一つは、日々の仕事で感じている問題を、経営学の視点から整理できることです。

例えば、「部下の意欲が低い」という問題に対して、経験だけで対応方法を考えるのではなく、組織行動論や人的資源管理の理論を使って原因を分析します。

また、「新商品が売れない」という課題であれば、マーケティング、消費者行動、ブランド戦略などの視点から検討できます。

経営学の理論を学ぶことで、これまで自社や自分の部署だけの問題だと考えていたことが、多くの企業に共通する課題であると分かる場合もあります。

仕事で起きている現象を、研究対象として一歩引いて見る力を身につけられる点は、社会人が大学院で学ぶ大きな意味といえるでしょう。


異なる業界の社会人から学べる

横浜ビジネススクールには、さまざまな業界や職種で働く社会人が集まります。

同じ経営課題でも、製造業、金融、IT、教育、医療、行政など、所属する業界によって捉え方や対応方法は異なります。

授業やグループワークで異なる経験を持つ学生と議論することで、自社の中だけでは得られない考え方に触れられます。

例えば、自社では当たり前だと思っていた人事制度が、別の業界ではまったく異なる形で運用されていることに気づくかもしれません。こうした比較は、自分の職場を客観的に見るきっかけになります。

教員から専門的な指導を受けるだけでなく、同じ社会人学生との交流を通じて視野を広げられることも、ビジネススクールで学ぶ魅力です。


仕事との両立を具体的に考える

働きながら大学院へ通う場合、仕事と学業の両立は避けて通れない課題です。

授業への出席だけでなく、事前の文献調査、レポート作成、グループワーク、研究指導、修士論文の準備などにも時間が必要になります。

特に、仕事が忙しい時期と大学院の試験や提出期限が重なる可能性があります。入学後に慌てないためにも、出願前から1週間のスケジュールを想定しておきましょう。

平日の夜や休日にどの程度の時間を確保できるか、勤務先の理解を得られるか、通学にどのくらい時間がかかるかを確認します。

大学院で学びたいという意欲だけでなく、2年間継続して学ぶための生活環境を整えることも重要です。


入試情報は7月頃を目安に確認する

横浜ビジネススクールの最新情報は、横浜国立大学大学院の経営学専攻公式サイトで案内されます。

過去の公開状況を見ると、社会人専修コースの募集要項や入試情報は、7月中旬から下旬頃に掲載された年度があります。

例えば、2025年7月17日には、2026年度の大学院経営学専攻社会人専修コースに関する募集要項と入試情報が公開されました。

ただし、毎年同じ日に公開されるとは限りません。募集要項の公開時期、出願期間、試験日、合格発表日は年度によって変更される可能性があります。

受験を考えている方は、春頃から公式サイトを定期的に確認し、募集要項が公開されたら早めに保存しましょう。


入試説明会を活用する

横浜ビジネススクールでは、入試説明会が実施される年度があります。

過去には、2025年7月7日や2024年6月11日に、社会人専修コースの入試説明会に関する案内が公開されました。

説明会では、コースの目的、カリキュラム、研究指導、入試方式などについて、公式サイトや募集要項だけでは分かりにくい内容を確認できる可能性があります。

参加する前に、自分が研究したいテーマや仕事との両立について、質問したいことを整理しておきましょう。

例えば、授業の時間帯、研究指導の進め方、社会人学生の学修負担、研究テーマと教員の専門分野の関係などを確認すると、進学後のイメージを持ちやすくなります。


過去問を使って出題形式を把握する

社会人入試では、限られた時間の中で効率よく対策を進める必要があります。そのため、過去問を早めに確認することが大切です。

横浜国立大学大学院の経営学専攻では、社会人専修コースの過去の試験問題が公開された実績があります。過去には、令和2年度入試の問題公開に関する案内も掲載されました。

過去問を入手したら、問題の内容だけでなく、試験時間、出題数、文字数、解答形式も確認しましょう。

小論文や論述問題では、経営学の知識だけでなく、問題を整理し、根拠を示しながら自分の考えをまとめる力が問われます。

最初は時間を気にせずに答案を作り、その後は本番と同じ時間を設定して書く練習を行いましょう。書き終えた答案は、結論が明確か、具体例に偏りすぎていないか、理論や根拠が示されているかを見直します。


リーフレットからYBSの特徴を整理する

経営学専攻の公式サイトでは、募集要項に加えて、横浜ビジネススクールのリーフレットが公開される場合があります。

リーフレットには、カリキュラム、学びの特徴、教員、修了生の声などが掲載されることがあります。

これらの情報は、「なぜ他大学のビジネススクールではなく、横浜国立大学大学院のYBSを志望するのか」を考える際に役立ちます。

志望理由書では、大学名や知名度だけを理由にするのではなく、自分の研究テーマとYBSの教育内容を結び付ける必要があります。

受けたい授業や指導を希望する教員、研究に生かしたい環境を具体的に示すことで、志望理由に説得力が生まれます。


研究計画では実務経験を学術的な問いに変える

横浜ビジネススクールの入試対策で特に重要なのが、研究計画や志望理由の準備です。

単に「経営について学びたい」「管理職として成長したい」と書くだけでは、研究内容が伝わりません。

まずは、仕事の中でどのような問題に直面したのかを具体的に整理します。そのうえで、その問題が自社だけの課題なのか、他社や社会にも共通する課題なのかを考えます。

例えば、若手社員の離職を研究する場合は、自社の離職者数だけを見るのではなく、職場の人間関係、評価制度、キャリア形成、仕事への満足度など、どの要因を分析するのかを絞り込みます。

次に、先行研究を調べ、これまで何が明らかになっているのかを確認します。そのうえで、調査対象、研究方法、分析方法を具体化しましょう。

アンケートを行うのか、インタビューを行うのか、既存のデータを分析するのかによって、研究計画の内容は変わります。


面接では研究とキャリアのつながりを説明する

面接では、なぜ今大学院で学ぶ必要があるのか、研究テーマを選んだ理由、修了後に学びをどう生かすのかなどを質問される可能性があります。

これまでの職務経験、現在の問題意識、大学院での研究、修了後のキャリアが一つの流れとしてつながるように整理しましょう。

また、研究計画書に書いた内容については、専門用語に頼らず説明できるようにします。

研究対象を選んだ理由、調査方法が適切だと考える理由、研究を進める際の課題なども聞かれる可能性があります。

仕事が忙しい中で学修時間をどのように確保するのかについても、具体的な計画を答えられるようにしておくと安心です。


早めの情報収集から準備を始めよう

横浜国立大学大学院の横浜ビジネススクールは、社会人が実務経験を生かしながら、経営学を体系的に学べる環境です。

異なる業界の社会人や教員との議論を通じて、自社の課題を客観的に見直し、理論やデータに基づいて考える力を身につけられます。

一方で、働きながら入試対策を進め、入学後も仕事と研究を両立するには、計画的な準備が欠かせません。

まずは経営学専攻の公式サイトを確認し、募集要項、入試説明会、過去問、リーフレットなどの情報を集めましょう。

そのうえで、実務上の問題を学術的な研究課題へ整理し、なぜYBSで学ぶ必要があるのかを言葉にしてください。

自身の経験と研究テーマ、修了後のキャリアを一貫して説明できるようにすることが、横浜ビジネススクールの合格に向けた重要な準備になります。


※募集時期、入試方式、出願資格、試験内容、説明会、過去問やリーフレットの公開状況などは年度によって変更される場合があります。必ず最新の公式サイトと学生募集要項をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。