医療技術の発展や社会構造の変化に伴い、現代社会での「生と死」をめぐる課題は非常に複雑になっています。終末期医療、孤独死、グリーフケア、宗教観の多様化など、さまざまな状況で私たちは命と向き合わなければなりません。
こうした課題に対して、上智大学大学院では「実践宗教学研究科」が独自のアプローチで取り組んでいます。今回は、現代の死生学的課題に向き合う死生学専攻の特徴やカリキュラムについてご紹介します。
現代の死生学的課題に多角的にアプローチ
実践宗教学研究科は、現代社会が抱える死生学的課題に多角的に取り組むことを目的とした研究科です。単に宗教の教理や歴史を学ぶだけでなく、現実社会の問題に対して宗教学の視点からどのように応答できるかを探求する、実践的な学びの場となっています。
例えば、終末期医療やグリーフケアの現場では、医療や福祉の専門知識と宗教的理解を組み合わせることが求められます。実践宗教学研究科では、こうした現場で役立つ知識や方法論を学ぶことが可能です。
複数の宗教をまたぐ「死生学専攻」の協働的アプローチ
死生学専攻の大きな特徴は、特定の宗教に偏らず、複数の宗教を横断した協働的なアプローチを取り入れている点です。現代社会では、さまざまな宗教的背景や価値観を持つ人々が共生しており、一つの視点だけで生と死を語ることは困難です。
この専攻では、キリスト教、仏教、イスラム教、ユダヤ教など、複数の宗教的伝統から得られる知見を交差させることで、現代の臨床的・実践的な課題に柔軟に応じられる独自のカリキュラムが組まれています。
具体的には、ケーススタディやフィールドワーク、ディスカッションを通じて、多様な価値観に触れながら問題解決能力を養うことが可能です。これにより、医療現場や福祉施設、教育現場などで直面する複雑な課題に対応できる力を身につけることができます。
社会の現場に直結する学び
実践宗教学研究科で学ぶ知識は、医療や福祉、心理学、教育など、人と深く関わる現場で活かすことができます。例えば、終末期患者のケアや遺族支援、地域コミュニティでの死生観に関する教育など、幅広い場面で実践的な知が役立ちます。
また、複数の宗教を横断する学びは、異なる価値観を持つ人々との協働力や共感力を養うことにもつながります。これは、現代社会で求められる人材力としても重要です。
研究計画書で問われる視点
死生学専攻に出願する際、研究計画書では「現代社会における生と死の課題にどのように取り組むか」を明確に示すことが重要です。例えば、終末期医療、グリーフケア、災害や孤独死への対応、宗教と医療の関係など、具体的な社会的文脈に結びつけて計画を立てると説得力が増します。
単に宗教の理論を学ぶだけでなく、現実社会の問題解決にどのように応用できるかを示すことが、審査においても大切なポイントです。
まとめ:協働的アプローチで現代の死生学に向き合う
上智大学大学院 実践宗教学研究科の死生学専攻は、複数の宗教を横断し、現代社会の生と死の課題に実践的に取り組むことを目的としています。
医療、福祉、教育、心理など、人と深く関わる現場で活かせる知識を得られる点が大きな特徴です。また、宗教の枠を超えた協働的な学びを通じて、現代人の抱える痛みや死生観の問題に寄り添う力を養うことができます。
命や死に向き合う課題に関心があり、社会の現場で実践的に学びたい方は、ぜひ死生学専攻での研究を検討してみてください。
※研究内容や入試制度は変更される場合があります。必ず公式サイトも確認してください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。



