「作文に書けるようなドラマチックな体験がありません……」
「少し脚色しても大丈夫でしょうか?」
大学院入試を考えている方から、よく聞かれる悩みです。
結論から言うと、事実をゼロから作る必要はありません。
大切なのは、実際の経験をもとに、その意味や学びを伝わる形で整理することです。
読み手が知りたいのは出来事の派手さではなく、
あなたが何を経験し、何に気づき、どう考えたのかです。
1. 読み手に伝わりやすくする「整理と編集」はOK
実際の出来事を、わかりやすく伝えるために整理することは問題ありません。
時間の整理
実際には数か月にわたる出来事を、流れが伝わるように簡潔にまとめる。
内容の統合
複数の人から受けた助言を、一つの学びとしてまとめる。
表現の調整
実際の言葉の趣旨を保ちながら、伝わりやすい表現に整える。
これらは事実を歪めるものではなく、
読み手に理解しやすく伝えるための整理・編集です。
2. 避けたいのは「事実」と「感情」の作り込み
一方で、実際に経験していないことを書く必要はありません。
- 担当していない役割を担ったことにする
- 感じていない強い感動を作り出す
こうした表現は、面接や質疑応答の中で説明しづらくなるだけでなく、文章の自然さも損なわれてしまいます。
出来事の大きさよりも、本当に心が動いた瞬間を大切にしてください。
3. 「小さな経験」から意味を見出す
特別な出来事である必要はありません。
例えば、
「地域清掃活動に参加した」
→ 環境問題への関心のきっかけとなった
「アルバイトで接客を担当した」
→ 相手の立場を考える姿勢の重要性に気づいた
このように、経験そのものを大きくするのではなく、そこから得た気づきを深めることが大切です。
事実を脚色するのではなく、
経験の意味を丁寧に言葉にすることが、説得力につながります。
まとめ:あなたの経験を、自分の言葉で伝えよう
大学院入試の作文は、特別な物語を書く場ではありません。
あなたが経験してきたことを、自分の言葉で振り返り、その意味を伝える機会です。
出来事の大きさではなく、そこから何を学び、どのような関心につながったのか。
その過程を丁寧に表現することで、あなたの考え方や探究心は十分に伝わります。
自分の経験を信頼しながら、読み手に伝わる形で整理してみてください。
その言葉は、きっと相手に届きます。
志樹舎
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。



