小論文や作文の試験勉強を始めようとするとき、多くの人が真っ先にやる間違い。
それは、「名文」や「感動的な文章」を書こうとすることです。

「気の利いた表現を使いたい」
「読み手をあっと言わせたい」


試験における小論文は、小説やポエムのような「芸術作品」ではありません。
設計図通りに、論理というレンガを積み上げる「建築物」です。

1. 「小論文」と「作文」の決定的な違い

まず、問いを知りましょう。あなたが受けるのは「小論文」ですか? それとも「作文」ですか?
この二つは、求められるOSが全く異なります。

作文(Sakubun):

目的: あなたの「人柄」や「感性」を伝える。

材料: 個人の「体験」と、そこから生まれた「感情」。

正解: 読み手が「共感」してくれたら勝ち。

小論文(Shoronbun):

目的: あなたの「論理的思考力」と「説明能力」を証明する。

材料: 客観的な「事実」と、そこから導かれる「意見」。

正解: 読み手が「納得(説得)」されたら勝ち。

小論文で「悲しかった」「嬉しかった」という感情語を使ったり、作文で理屈っぽいデータ分析をしたりするのは、サッカーの試合でバットを振るようなものです。
まずは自分が立つフィールドを確認してください。

2. クリエイティビティ(創造性)は邪魔になる

合格点を取るために、オリジナリティ溢れる「斬新な視点」は必要でしょうか?
答えはNOです。
試験官は、あなたが天才的な思想家であることなど期待していません。

期待されているのは、「聞かれたことに、ルール通りに答える実務能力」です。
奇をてらった表現や、誰も思いつかないような突飛なアイデアは、論理破綻のリスクを高めるだけです。
「誰でも思いつくような平凡な主張」で構いません。それを「誰よりも正確な構成」で書く人が合格します。

まとめ:設計図を用意せよ

今日から、「どう書こうか(表現)」と悩むのをやめて、「どう組み立てようか(構成)」と考えてください。
美しい文章を書く必要はありません。
雨漏り(論理の矛盾)がせず、柱(主張)が真っ直ぐ立っている家を建てる。それができれば、確実に合格点は取れます。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。