「私の実績を全部見てほしい!」
その熱意から、出願書類と一緒に大量の「添付資料(ポートフォリオ)」を送りつけようとしていませんか?

過去に書いた論文(全文)

デザインした制作物(全集)

関わったプロジェクトの企画書(100ページ)


「読み手の時間を奪う、要約能力のない学生だ」とマイナス評価を下すことさえあります。
相手はプロの研究者であり、多忙です。
今夜は、忙しい教授に「おっ、読んでみようかな」と思わせる、賢い添付資料の作り方を解説します。

1. 「要約(サマリー)」が本体である

原則として、添付資料には必ず「A4・1枚の要約(サマリーシート)」をつけてください。
そして、教授が読むのはその1枚だけだと思ってください。

論文を添付する場合: 論文そのものではなく、「要旨(Abstract)」と「目次」、そして「結論」だけを抜粋したダイジェスト版を作る。

作品を添付する場合: 代表作3点のみを載せたカタログシートを作る。

「詳細は別冊の通りですが、この1枚で全容がわかるようにしました」。この配慮ができるかどうかが、実務能力の証明です。

2. 「成果」ではなく「プロセス」を見せる

特にクリエイティブ系や建築、プロジェクト実績などのポートフォリオで重要なのは、完成品の写真ではありません。
「どういう思考を経て、その形になったのか」というプロセスです。

初期のラフスケッチ

没になったアイデアとその理由

制作途中の試行錯誤のメモ

完成品は「結果」ですが、プロセスは「研究能力」です。
綺麗な写真集を作るのではなく、あなたの脳内が透けて見えるような「思考のログ」を提示してください。教授が見たいのは、あなたのセンスではなくロジックです。

3. 送る前に「募集要項」を100回読む

そもそも、添付資料を受け付けていない大学院もあります。
「任意の資料を添付可」と書いてあればチャンスですが、何も書いていない、あるいは「指定書類以外は同封不可」とある場合は、絶対に送ってはいけません。
それはアピールではなく、単なる「ルール違反」です。

もし「どうしても見てほしい」場合は、自己推薦書の本文中に URL(自身のWebサイトやGoogleドライブのリンク) を記載し、「詳細はWEBポートフォリオにまとめております」と誘導するのがスマートです(ただし、アクセスしてくれる保証はありません)。

まとめ:編集権を行使する

情報は、量が多いほど価値が下がり、厳選されるほど価値が上がります。
あなたのこれまでの活動の中から、今回の研究テーマに最も関連性が高く、かつ自分の能力が際立つものを「編集」してください。

「これだけしか送らないの?」と不安になるくらいまで削ぎ落とす。
その研ぎ澄まされた数枚の資料こそが、あなたの知性を最も雄弁に語ります。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。