横浜国立大学大学院・国際社会科学府の入試とは?経済学・経営学・国際経済法学の特徴と対策

横浜国立大学大学院への進学を目指す文系の学生や社会人の方の中には、「経済学・経営学・法学のどの専攻を選ぶべきか」「専攻ごとに入試対策はどう違うのか」と迷っている方もいるのではないでしょうか。

横浜国立大学大学院の国際社会科学府は、経済学専攻、経営学専攻、国際経済法学専攻の3専攻で構成されています。いずれも社会科学を扱う専攻ですが、学ぶ内容や求められる知識、将来の進路、入試方式には違いがあります。

学部からそのまま大学院へ進学する学生だけでなく、社会人や留学生を対象とした入試や教育プログラムが用意されることも、国際社会科学府の特徴です。

この記事では、3つの専攻の特徴と入試対策を紹介しながら、自分に合った専攻を選ぶためのポイントを解説します。


国際社会科学府は3つの専攻で構成されている

国際社会科学府では、経済、企業経営、法律、政治、国際社会などの問題を、それぞれの専門的な方法で研究します。

経済学専攻では、経済理論や統計、データ分析を用いて、社会や政策の動きを明らかにします。経営学専攻では、企業や組織が抱える課題を、経営戦略、会計、マーケティング、組織論などの視点から研究します。

国際経済法学専攻では、法学や政治学を基礎として、国際取引、経済活動、公共政策、国際社会の制度などを研究します。

どの専攻も社会で起きている問題を扱いますが、研究対象への近づき方が異なります。志望専攻を決める際は、興味のあるテーマだけでなく、そのテーマをどのような理論や方法で分析したいのかを考えることが大切です。


経済学専攻では理論とデータ分析を学ぶ

経済学専攻では、ミクロ経済学、マクロ経済学、計量経済学などを基礎として、現代社会が抱える経済問題を分析します。

研究テーマには、雇用、賃金、金融、国際貿易、産業政策、地域経済、社会保障、環境問題などがあります。経済現象を感覚的に説明するのではなく、理論や統計データを使って検証することが求められます。

近年は、経済学とデータサイエンスを組み合わせた学びも重視されています。企業や行政が保有するデータを分析し、政策や事業の判断に役立てる力は、研究だけでなく実務でも必要とされています。

社会人向けには、データサイエンスを活用した学び直しに関する入試やプログラムが設けられる場合があります。また、留学生などを対象とした英語による教育プログラムが案内されることもあります。


経済学専攻の入試対策

経済学専攻の一般入試を目指す場合は、ミクロ経済学やマクロ経済学などの基礎を早めに固める必要があります。

過去問題を確認し、消費者行動、企業行動、市場均衡、経済成長、金融政策など、どの分野が出題されているかを整理しましょう。数式を暗記するだけでなく、前提条件や結論を自分の言葉で説明できるようにすることも大切です。

統計や計量経済学が必要な場合は、回帰分析、仮説検定、確率分布などの基礎も確認します。他学部出身者は、経済学の専門用語や数学的な表現に慣れるまで時間がかかるため、余裕を持って学習を始めましょう。

研究計画書では、社会問題を取り上げるだけでなく、どのデータを使い、どのような方法で分析するのかを示す必要があります。

社会人受験生の場合は、職務経験をそのまま研究テーマにするのではなく、実務上の疑問を経済学の問いへ置き換えることが重要です。


経営学専攻では企業や組織の課題を研究する

経営学専攻では、経営戦略、組織論、マーケティング、会計、財務、人材マネジメントなど、企業や組織の運営に関する幅広い分野を学びます。

例えば、新規事業が成長する条件、従業員の意欲を高める仕組み、企業のブランド戦略、会計情報と経営判断の関係などが研究テーマになります。

国際社会科学府の経営学専攻には、一般的な博士課程前期のほか、社会人が働きながら学ぶ横浜ビジネススクールなどのコースが設けられる場合があります。

実務家向けのコースでは、仕事で経験した課題を理論的に捉え直し、研究や経営判断に結び付けることが求められます。単に経営の知識を学ぶだけでなく、自分の経験を客観的に分析する姿勢が重要です。


経営学専攻の入試対策

経営学専攻では、一般入試に加えて、推薦入試や内部進学など、複数の選抜方式が用意される場合があります。募集時期や出願資格は方式によって異なるため、早めに募集要項を確認しましょう。

一般入試では、経営学の基礎理論や専門分野に関する筆記試験、研究計画書、面接などが行われることがあります。

過去問題を確認するときは、どの分野から出題されているかだけでなく、用語説明、論述、事例分析など、解答形式も確認してください。

経営学では、一つの問いに対して複数の考え方が成り立つことがあります。そのため、理論を暗記するだけでなく、具体的な企業事例へ当てはめて説明する練習が必要です。

社会人向けのコースを志望する場合は、これまでの業務内容、問題意識、大学院で学ぶ目的、修了後のキャリアを一貫して説明できるようにしましょう。

例えば、「管理職として組織づくりを学びたい」だけではなく、現場でどのような課題を感じ、その課題をどの理論や方法で研究したいのかまで具体化すると、志望理由に説得力が生まれます。


国際経済法学専攻では法学と政治学を基礎に学ぶ

国際経済法学専攻では、法学や政治学を基礎として、国際社会や経済活動に関わる制度やルールを研究します。

研究対象には、国際取引、企業活動、貿易、知的財産、国際機関、行政、公共政策、国際関係などがあります。

法律の条文を覚えるだけではなく、制度が作られた背景や、社会にどのような影響を与えているのかを考える力が求められます。

また、国際的な課題を扱うため、外国語の文献や海外の制度を調べる場面もあります。英語力は入試だけでなく、入学後の研究にも必要となる可能性があります。


国際経済法学専攻の入試対策

国際経済法学専攻を志望する場合は、法学や政治学の基礎を身につけたうえで、関心のある国際問題について自分の考えを整理しておくことが大切です。

過去問題が公開されている場合は、憲法、行政法、民法、商法、国際法、政治学など、どの分野から出題されているかを確認しましょう。

論述問題では、結論だけでなく、法律上の根拠や対立する考え方を示しながら説明する力が求められます。過去問題を使い、制限時間内に論理的な文章を書く練習を行いましょう。

外部英語試験のスコア提出が必要な場合は、利用できる試験の種類、有効期間、提出方法を確認します。TOEFL、TOEIC、IELTSのすべてを自由に選べるとは限らないため、募集要項の条件を正確に読む必要があります。

スコアの発行や郵送には時間がかかることがあります。出願直前に英語対策が残らないよう、できれば出願の数か月前までに提出可能なスコアを確保しておきましょう。


3専攻に共通する研究計画書のポイント

国際社会科学府の入試では、専攻によって形式は異なりますが、研究計画や志望理由を確認されることがあります。

研究計画書では、興味のある社会問題を紹介するだけでは不十分です。先行研究で何が明らかになっているのか、そのうえで何を新しく検討するのかを示す必要があります。

経済学専攻であれば、分析に使うデータや経済理論を具体化します。経営学専攻であれば、対象とする企業や組織、調査方法、利用する経営理論を整理します。

国際経済法学専攻では、対象となる法制度や事例、比較する国や地域、検討する法律上の論点などを明確にしましょう。

さらに、志望する教員の研究分野と自分のテーマが合っているかを確認することも重要です。教員の論文や担当授業を調べ、なぜその専攻で研究したいのかを具体的に説明できるようにしてください。


入試方式と募集時期を早めに確認する

国際社会科学府では、一般入試だけでなく、推薦入試、内部進学、社会人向けの選抜、留学生向けの入試などが実施される場合があります。

同じ専攻でも、選抜方式によって試験科目や提出書類が異なる可能性があります。筆記試験がある方式、研究計画書と面接を中心とする方式、外部英語試験のスコアを求める方式など、条件はさまざまです。

また、1次募集と2次募集が実施される年度もありますが、毎年同じ回数の募集が行われるとは限りません。2次募集では募集人数が少なくなることも考えられるため、可能であれば早い時期の入試に向けて準備を進めましょう。

入試説明会の資料や過去問題が公開される場合は、募集要項と合わせて確認してください。公開期間が限られる可能性もあるため、必要な資料は早めに保存しておくと安心です。


自分の研究方法に合う専攻を選ぼう

横浜国立大学大学院の国際社会科学府は、経済学、経営学、国際経済法学という3つの専門分野から構成されています。

経済現象を理論やデータで分析したい方は経済学専攻、企業や組織の課題を研究したい方は経営学専攻、法律や政治の視点から国際社会の問題を考えたい方は国際経済法学専攻が選択肢になります。

専攻名だけで決めるのではなく、自分が明らかにしたい問いと、利用したい研究方法を整理することが重要です。同じ社会問題でも、経済学、経営学、法学では研究の進め方が異なります。

志望専攻が決まったら、募集要項、アドミッション・ポリシー、教員の研究分野、過去問題を確認しましょう。そのうえで、専門科目、英語試験、研究計画書、面接の準備を計画的に進めてください。

国際社会科学府の特徴を理解し、自分の研究テーマと将来像に合う専攻を選ぶことが、横浜国立大学大学院の合格に向けた第一歩になります。


※専攻の構成、教育プログラム、入試方式、試験科目、英語スコアの条件、募集時期などは年度によって変更される場合があります。必ず最新の公式サイトと学生募集要項をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。