
働きながら目指す。関西大学大学院 ガバナンス研究科・社会安全研究科の社会人入試
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今回のテーマは「働きながら目指す。ガバナンス研究科・社会安全研究科の社会人入試」です。
関西大学大学院のガバナンス研究科と社会安全研究科は、行政、政策、防災、危機管理など、実社会と深く関わるテーマを研究できる研究科です。社会人入学試験も用意されており、仕事で得た経験や問題意識を大学院での研究につなげたい方にとって検討しやすい選択肢です。
ただし、働きながら大学院を受験する場合は、研究計画書だけでなく、出願準備の時間をどう確保するかも重要になります。この記事では、両研究科の社会人入試の特徴と、仕事と両立しながら準備を進めるポイントを整理します。
ガバナンス研究科には社会人向けの入試区分がある
ガバナンス研究科の博士課程前期課程では、一般入学試験、外国人留学生入学試験などに加えて、社会人入学試験、社会人1年制コース入学試験が用意されています。
社会人として働いている方は、まず一般入学試験だけを見るのではなく、自分が社会人入学試験や社会人1年制コースの対象になるかを確認しましょう。入試区分によって出願資格や必要書類などが異なる可能性があるため、募集要項を最初に確認しておくことが大切です。
2027年度春学期入学の10月募集では、出願登録期間が2026年8月21日から9月4日、試験日は2026年10月11日です。10月募集を目指すのであれば、8月21日の出願開始までに研究テーマや研究計画書の骨子をある程度固めておきたいところです。
社会人1年制コースという選択肢もある
ガバナンス研究科には、社会人1年制コース入学試験という区分があります。通常より短い期間での修了を目指すコースで、限られた時間の中で専門的な学びを深めたい社会人にとって選択肢の一つになります。
一方で、短期間で修了を目指すからこそ、入学後に研究テーマをゼロから考えるのではなく、受験段階から問題意識をある程度明確にしておくことが重要です。「行政について学びたい」「政策に興味がある」という広い関心から、具体的にどの制度、地域、組織、政策を研究したいのかまで絞り込んでいきましょう。
1年制コースを検討する場合は、対象となる条件だけでなく、仕事と学修を実際に両立できるかという点も確認しておく必要があります。
社会安全研究科も実務経験を生かしやすい
社会安全研究科にも社会人入学試験が用意されています。防災、危機管理、安全に関する政策など、実際の社会で起きている課題と関係の深い分野を研究できることが特徴です。
2027年度春学期入学の10月募集では、出願登録期間が2026年8月21日から9月4日、試験日は2026年10月10日です。ガバナンス研究科の試験日である10月11日とは異なるため、日程を混同しないよう注意してください。
自治体、企業、地域、防災関連の仕事などで経験を積んできた方であれば、実務の中で感じた課題を研究テーマの出発点にしやすい研究科です。
実務上の悩みをそのまま研究計画書にしない
社会人受験生の強みは、実際の仕事を通じて具体的な課題を知っていることです。ただし、「職場でこのような問題があります」という説明だけでは、大学院の研究計画書としては十分ではありません。
例えば行政職の方が地域防災に課題を感じているのであれば、「住民の防災意識が低い」という感想で終わらせず、どの地域を対象にするのか、何が防災行動を妨げているのか、既存の制度にどのような課題があるのかまで掘り下げていきます。
企業のリスク管理部門で働く方であれば、社内の危機対応や事業継続について感じた疑問を、他社との比較や制度、組織の仕組みと結びつけて考えることもできます。仕事上の経験を、研究によって確かめられる「問い」に変えることがポイントです。
ガバナンス研究科と社会安全研究科の違いを整理する
どちらの研究科も実社会の課題を扱いますが、関心の中心によって向いている研究科は変わります。行政、政策、社会制度、公共的な課題などに関心がある場合は、ガバナンス研究科との接点を考えやすくなります。
一方、防災、災害、危機管理、安全に関する仕組みや政策を中心に研究したい場合は、社会安全研究科の教員や研究内容を確認してみるとよいでしょう。
研究科名だけで決めるのではなく、自分の研究したいテーマに近い教員がいるか、どのような研究が行われているかまで確認して比較することが重要です。
働きながらの受験準備は時間の使い方を決めておく
社会人受験では、「仕事が落ち着いたら研究計画書を書こう」と考えていると、なかなか準備が進まないことがあります。出願日から逆算し、平日と休日で作業を分けておくと進めやすくなります。
例えば平日は30分から1時間程度、関連論文を読む時間に使い、休日には2〜3時間を確保して研究計画書を書くという進め方があります。毎日長時間勉強することよりも、研究テーマを考える時間、文献を読む時間、文章を書く時間を分けて継続することが大切です。
10月募集を目指す場合は、2026年8月21日の出願開始までに研究計画書を一度完成させ、その後に修正する時間を取れるスケジュールにしておくと安心です。
ニュースや行政資料を研究テーマ探しに使う
ガバナンス研究科や社会安全研究科では、現在の社会で起きている問題が研究テーマにつながることがあります。行政の政策、防災対策、企業の危機管理、地域課題など、自分の関心分野に関連するニュースや公的機関の資料を日頃から確認しておきましょう。
ただし、ニュースを読んだ感想だけでは研究にはなりません。「なぜこの問題が起きているのか」「現在の制度では何が解決できていないのか」「どのようなデータを使えば検証できるのか」と考える習慣をつけることが重要です。
自分の実務経験と社会全体の課題を結びつけることができれば、社会人ならではの研究テーマを作りやすくなります。
授業見学会や説明会で入学後を具体的に考える
ガバナンス研究科では、実際の授業を見学できる機会が設けられることがあります。授業見学では、教員の講義の進め方だけでなく、大学院生がどのように議論しているのかを見ることができます。
社会人にとっては、研究内容だけでなく、仕事と大学院生活を両立できるかも重要です。進学説明会やWeb相談会などを利用し、授業や研究の進め方について情報を集めておくと、入学後の生活を具体的にイメージしやすくなります。
オンデマンド配信が用意されている場合は、仕事の都合で説明会に参加できない方も活用しやすいでしょう。
指導教員の研究内容も早めに調べる
研究テーマの候補ができたら、ガバナンス研究科と社会安全研究科の教員情報を確認します。自分と同じ言葉を研究テーマに使っている教員を探すだけではなく、最近どのような研究を行っているのかまで見ておきましょう。
例えば「防災」というテーマでも、地域政策、住民行動、企業の危機管理など研究の切り口はさまざまです。「政策」という言葉でも、行政制度を扱うのか、地域社会の課題を扱うのかによって適した教員は変わります。
研究計画書を書き切ってから教員を探すのではなく、テーマを考える段階から教員の研究内容を確認すると、研究科との相性を判断しやすくなります。
出願後は仕事と試験対策の切り替えを意識する
出願が完了した後も、試験日までは準備が続きます。10月募集の場合、社会安全研究科は2026年10月10日、ガバナンス研究科は2026年10月11日が試験日です。
出願後は、募集要項に記載されている試験内容を確認し、それに合わせた対策へ重点を移します。研究計画について説明する機会がある場合に備え、自分の研究目的、研究方法、なぜその研究科を志望するのかを、自分の言葉で説明できるよう整理しておきましょう。
仕事の繁忙期と試験前が重なる可能性もあります。試験直前になって慌てないよう、出願前から試験日まで含めて勤務予定を確認しておくことも社会人受験では大切です。
まずは仕事の中で感じている疑問を書き出してみよう
ガバナンス研究科と社会安全研究科のどちらを受験するか迷っている方は、まず仕事の中で感じている疑問や課題を3つほど書き出してみてください。
その中から、「大学院で時間をかけて調べてみたい」と思えるものを一つ選び、関連する教員や研究を調べます。ガバナンス研究科と社会安全研究科の両方に近いテーマであれば、両研究科の説明会や教員情報を比較してみましょう。
社会人入試では、これまで働いてきた経験そのものが研究テーマを考える材料になります。まずは自分の実務経験を振り返り、それをどのような研究の問いに変えられるか考えるところから準備を始めてみてください。
※社会人入学試験、社会人1年制コースの出願条件、入試区分、入試日程、出願期間、試験内容、必要書類、授業見学会や説明会の実施内容などは変更される場合があります。出願を検討している方は、必ず関西大学大学院の公式サイトおよび対象年度の最新の募集要項をご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。



