横浜国立大学大学院の教育系|教職大学院と教育支援専攻の選び方・入試対策

横浜国立大学大学院の教育学研究科への進学を考える中で、「教職大学院と教育支援専攻のどちらを選べばよいのか」と迷っている方もいるのではないでしょうか。

どちらも教育に関わる大学院ですが、学ぶ目的や修了後に想定される進路は異なります。学校教員として実践力を高めたい方と、心理支援や日本語教育の専門家として教育を支えたい方では、適した専攻が変わります。

この記事では、横浜国立大学大学院の高度教職実践専攻と教育支援専攻について、それぞれの特徴、選び方、入試対策のポイントを解説します。


横浜国立大学大学院の教育学研究科とは

横浜国立大学大学院の教育学研究科には、専門職学位課程である高度教職実践専攻と、修士課程である教育支援専攻があります。

高度教職実践専攻は、一般に教職大学院と呼ばれる課程です。学校教育の現場で活躍する教員を育成し、授業、生徒指導、学校運営などの課題を実践的に学びます。

一方の教育支援専攻は、心理支援や日本語教育などの専門性を身につけ、教員とは異なる立場から教育や社会を支える人材を育成する課程です。

どちらが上というものではありません。将来どのような立場で教育に関わりたいのかを考え、自分に合う専攻を選ぶことが重要です。


高度教職実践専攻は教員としての実践力を高める課程

高度教職実践専攻は、学校現場で必要となる高度な指導力と課題解決力を身につけるための専門職学位課程です。

教員を目指す学部卒業者だけでなく、すでに学校で勤務している現職教員が、授業改善や学校運営について学び直す場にもなっています。

横浜国立大学大学院の教職大学院では、学校マネジメントや教科教育、特別支援教育などに関する学びが用意されています。

学校マネジメントでは、学校組織の運営、教職員同士の連携、学校が抱える課題への対応などを学びます。現職教員がミドルリーダーや学校管理職を目指す場合にも関係する内容です。

教科教育や特別支援教育では、各教科の指導方法や、子どもの多様な学習上のニーズに対応するための知識を深めます。


教職大学院では理論と実践の両方を学ぶ

教職大学院の特徴は、大学院内で理論を学ぶだけでなく、学校現場での実習や実践的な研究を重視していることです。

例えば、授業を観察して課題を整理したり、学習指導案を改善したり、学校組織における問題の解決方法を検討したりします。

入試では、「教育について関心がある」というだけでなく、自分が学校現場のどのような課題に取り組みたいのかを具体的に説明する必要があります。

教員志望者であれば、教育実習や学習支援活動を通して感じた課題を整理しておきましょう。現職教員であれば、自校や担当学年で直面している課題と、大学院での学びを結びつけることが大切です。


教育支援専攻は専門的な立場から教育を支える

教育支援専攻は、学校、家庭、地域社会などが抱える教育課題に対し、専門的な立場から支援できる人材を育成する修士課程です。

横浜国立大学大学院の教育支援専攻には、心理支援コースと日本語教育コースがあります。

心理支援コースでは、子どもや成人の心理、発達、相談支援などについて学びます。学校、医療、福祉などの場で心理支援に携わりたい方が検討できるコースです。

日本語教育コースでは、外国人児童生徒、留学生、生活者としての外国人などに対する日本語教育について学びます。日本語の指導方法だけでなく、言語習得や多文化共生について研究する場合もあります。

教員免許を生かして学校で授業を担当することを主な目的とする教職大学院とは異なり、教育支援専攻では、特定分野の研究と専門的支援に重点が置かれています。


心理支援コースを選ぶ前に確認したいこと

心理支援コースを志望する方の中には、公認心理師などの資格取得を目指している方もいるでしょう。

資格に関しては、大学院のカリキュラムだけでなく、学部段階で修得した科目、実習、修了後の条件などが関係します。

心理学を学んだ経験がない方が、大学院へ進学するだけで資格取得に必要な条件をすべて満たせるとは限りません。

そのため、出願前に自分の学部での履修状況を確認し、資格取得に必要な条件や証明書の発行について、大学の案内を細かく確認する必要があります。

入試説明会では、資格取得までの流れ、実習の内容、修了生の進路などを具体的に質問しておくと安心です。


日本語教育コースで求められる研究テーマ

日本語教育コースでは、「日本語教師になりたい」という志望理由だけでなく、日本語教育のどのような課題を研究したいのかを示すことが重要です。

例えば、外国人児童生徒への教科学習支援、留学生のアカデミック・ライティング、オンライン日本語教育、地域に暮らす外国人への生活日本語支援などが考えられます。

研究計画書では、誰を対象に、どのような課題を、どの方法で調べるのかを具体的にします。

自分が日本語を教えた経験や外国人学習者と関わった経験がある場合は、その経験から生まれた問題意識を整理すると、研究テーマにつなげやすくなります。


教職大学院と教育支援専攻の選び方

専攻選びでは、現在の経験だけでなく、修了後にどのような仕事をしたいのかを基準に考えましょう。

教員として教壇に立ち、授業、生徒指導、学級経営、学校運営に直接関わりたい方には、高度教職実践専攻が適しています。

心理職や日本語教育の専門家として、学校や社会を支える仕事を目指す方には、教育支援専攻が候補になります。

迷ったときは、「教育に関わりたい」という広い希望ではなく、どのような対象者に、どの立場から、何を提供したいのかを考えてみましょう。

例えば、学級全体の授業改善を行いたいのか、心理的な困難を抱える一人ひとりを支援したいのかによって、学ぶべき内容は変わります。


募集要項とアドミッション・ポリシーを確認する

入試対策を始める際は、横浜国立大学大学院の公式サイトから、志望する専攻の最新の学生募集要項を入手しましょう。

出願資格、募集人数、提出書類、試験科目、面接方法、過去問題の閲覧方法などを確認します。

あわせて、教育学研究科や各専攻のアドミッション・ポリシーも読みましょう。大学院がどのような経験、知識、意欲を持つ受験生を求めているかが示されています。

アドミッション・ポリシーの言葉をそのまま志望理由書に書くのではなく、自分の経験や将来像と結びつけることが大切です。


教職大学院の入試対策

教職大学院では、学校教育への問題意識や、教員としてどのように成長したいのかが重要になります。

志望理由では、学校現場で感じた具体的な課題を示し、その課題を横浜国立大学大学院でどのように学びたいのかを説明しましょう。

例えば、「生徒の主体性を高めたい」というだけでは抽象的です。どの学年や教科で、どのような様子を課題として感じ、どのような授業改善を行いたいのかまで整理します。

面接では、教員を志望する理由、教育実習や勤務経験で学んだこと、大学院で取り組みたい課題などを質問される可能性があります。

現職教員の場合は、大学院で得た知識を勤務校や地域へどのように還元するかも説明できるようにしておきましょう。


教育支援専攻の入試対策

教育支援専攻では、専門分野に関する基礎知識と研究計画の準備が重要です。

心理支援コースでは、心理学、発達、統計、研究法などについて出題される可能性があります。日本語教育コースでは、日本語学、第二言語習得、日本語教授法などを学んでおく必要があります。

まずは過去問題を確認し、出題分野と自分の知識との差を把握しましょう。

研究計画書では、研究の背景、目的、先行研究、研究方法、期待される成果を整理します。興味のあるテーマを述べるだけでなく、大学院で実行できる研究になっているかを確認してください。

志望する教員の研究内容や論文を読み、自分の研究テーマとの関係を説明できるようにすることも大切です。


説明会や授業見学を活用する

横浜国立大学大学院の教育学研究科では、入試説明会や授業見学に関する案内が行われる場合があります。

説明会では、カリキュラム、入試、実習、研究指導、資格取得などについて確認できます。

授業見学の対象者や申込み条件は年度によって異なりますが、参加できる場合は、授業の進め方や学生同士の議論の様子を知る機会になります。

参加前に質問を整理し、自分が希望する学びと実際のカリキュラムにずれがないかを確認しましょう。


将来像から自分に合う専攻を選ぼう

横浜国立大学大学院の高度教職実践専攻と教育支援専攻は、どちらも教育に関わる専門家を育成しますが、学ぶ目的は異なります。

学校教員としての実践力や学校運営力を高めたい方は教職大学院、心理支援や日本語教育の専門性を深めたい方は教育支援専攻が主な選択肢です。

入試対策では、募集要項や過去問題を確認するだけでなく、自分の経験、問題意識、大学院で学びたい内容、修了後の進路を一つの流れとして整理しましょう。

専攻の名称だけで選ぶのではなく、自分が将来どの立場から教育に関わりたいのかを具体的に考えることが、後悔しない進学先選びにつながります。


※専攻・コースの構成、入試方式、出願資格、資格取得に関する条件、入試説明会、授業見学、過去問題の公開方法などは変更される場合があります。必ず横浜国立大学大学院の公式サイトと最新の学生募集要項をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。