慶應義塾大学大学院の博士課程(後期博士課程)への進学を考えている方にとって、研究計画書の作成や指導教員選びは重要な準備の一つです。

しかし、その前に必ず確認しておきたいのが、各研究科が公式に掲げている「3つの方針」です。

この内容を理解しているかどうかで、出願書類の方向性や面接での評価が大きく変わることもあります。この記事では、博士課程における「3つの方針」の意味と、具体的な調べ方について解説します。


博士課程における「3つの方針」とは何か

慶應義塾大学大学院では、情報公開の一環として、すべての研究科において「3つの方針」が明示されています。

これは、大学院がどのような学生を受け入れ、どのような教育を行い、最終的にどのような研究者を育てるのかを示したものです。

具体的には、「学位授与の方針」「教育課程の方針」「入学者受入の方針」の3つで構成されています。

学位授与の方針では、博士号を取得するために必要な研究成果や能力の水準が示されています。博士課程では、独自の研究を行い、新しい知見を提示できるかどうかが重視されるため、その基準は修士課程よりも高く設定されています。

教育課程の方針では、どのようなカリキュラムや研究指導が行われるのかが示されています。授業の位置づけや研究指導の進め方を知ることで、入学後のイメージを具体的に持つことができます。

入学者受入の方針では、どのような背景や能力を持つ学生が求められているのかが明確にされています。研究テーマの独自性や研究経験、問題意識の深さなどが重視される傾向があります。

この3つをまとめて読むことで、「どのような研究者を育てたいのか」という大学院側の考えを一貫して理解することができます。


修士課程との違いを必ず確認する

慶應義塾大学大学院では、修士課程と博士課程それぞれに対して、別々に「3つの方針」が設定されています。

そのため、修士課程の方針だけを見て準備を進めてしまうと、博士課程で求められる水準とズレが生じる可能性があります。

たとえば、修士課程では基礎的な研究力や専門知識の習得が重視されますが、博士課程ではそれに加えて、自立した研究者として研究を推進できるかどうかが問われます。

また、研究テーマについても、既存の研究の整理だけでなく、新しい視点や独自性が求められる場面が多くなります。

そのため、必ず「博士課程」と明記された方針のページを確認し、自分の準備がそのレベルに達しているかを見直すことが重要です。


博士課程の「3つの方針」はどこで確認できるのか

博士課程の「3つの方針」は、慶應義塾大学の公式ウェブサイト内で確認することができます。

具体的には、「大学院入学案内」の中の「その他の情報」や、「情報公開」ページからアクセスすることが可能です。

現在、博士課程の方針が公開されているのは、以下の13研究科です。

文学研究科、経済学研究科、法学研究科、社会学研究科、商学研究科、医学研究科、理工学研究科、政策・メディア研究科、健康マネジメント研究科、薬学研究科、経営管理研究科、システムデザイン・マネジメント研究科、メディアデザイン研究科の13研究科です。

なお、修士課程の方針ページには法務研究科も含まれていますが、博士課程の一覧には含まれていません。この点は見落としやすいため注意が必要です。

同じ分野に見える研究科であっても、方針の内容には違いがあります。志望する研究科ごとに、必ず個別に確認するようにしましょう。


まとめ|博士課程は「方針との一致」が重要になる

博士課程の入試では、研究テーマの内容やこれまでの実績に加えて、研究科全体の方針との一致が重視されます。

単に「やりたい研究がある」というだけではなく、その研究が大学院の教育方針や育成したい人材像と合っているかが問われます。

そのため、出願準備の最初の段階で「3つの方針」を読み込み、自分の研究テーマや将来のビジョンと照らし合わせることが重要です。

この確認を丁寧に行うことで、研究計画書の内容にも一貫性が生まれ、面接でも説得力のある説明ができるようになります。

まずは志望する研究科の博士課程のページを確認し、大学院が求めている人物像をしっかり理解するところから始めてみてください。


※本記事の内容は変更される可能性があります。必ず公式サイトをご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。