大学院入試とは?大学受験との違いをわかりやすく解説

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大学院への進学を考え始めたとき、多くの方が最初に疑問を感じるのが、大学院入試の仕組みではないでしょうか。

「大学院入試は大学受験より難しいのだろうか」「どのような試験が行われるのだろう」「社会人でも受験できるのだろうか」。大学院受験の経験がなければ、わからないことが多いかもしれません。

大学院入試は、一般的に「院試」とも呼ばれています。大学院で専門的な学習や研究に取り組むために、必要な知識や能力、研究への適性などを確認する選考です。

大学受験では、高校までに学んだ教科の知識や学力が評価されることが多くあります。一方、大学院入試では、専門分野の知識に加えて、研究したいテーマや進学目的などが確認される場合があります。

そのため、大学院受験では、試験勉強だけでなく、研究テーマの整理や研究計画書の作成などが必要になることもあります。

ただし、大学院入試の仕組みは、大学院や研究科によって異なります。すべての大学院で同じ試験が行われるわけではありません。

この記事では、大学院入試と大学受験の違いを整理しながら、主な試験内容や受験準備の考え方について、初めての方にもわかりやすく解説します。


大学院入試とは?まずは基本を知ろう

大学院入試とは、大学院への入学を希望する人を対象に行われる選考です。

大学院には、修士課程や博士課程、専門職学位課程などがあり、それぞれの教育目的に応じた入試が実施されています。

例えば、修士課程では、専門分野の知識や研究計画、研究に取り組むための能力などが確認される場合があります。

また、MBAなどの専門職学位課程では、実務経験や進学目的、専門的な知識を学ぶ意欲などが評価される場合もあります。

大学院入試で重要なのは、単に知識を覚えているかどうかだけではありません。

大学院で何を学びたいのか、どのような研究に取り組みたいのか、入学後の学習や研究を進められるかといった点も、選考の対象になることがあります。

大学院入試を理解する際には、大学院が専門的な知識を学ぶだけでなく、自ら課題を発見し、探究する場所であることを意識するとわかりやすくなります。

大学受験と大学院入試の大きな違い

大学受験と大学院入試の違いの一つは、選考で確認される内容です。

大学受験では、国語や数学、英語など、高校までに学んだ教科の知識を問う試験が行われることがあります。

一方、大学院入試では、大学で学んだ専門分野の知識や、研究に関係する能力が問われる場合があります。

例えば、経済学研究科を受験する場合には、ミクロ経済学やマクロ経済学などの専門知識が必要になることがあります。

心理学に関係する研究科であれば、心理学の基礎知識や研究方法について問われる場合があります。

また、大学院入試では、研究計画書の提出や面接などを通じて、入学後に取り組みたい研究について確認されることもあります。

つまり、大学受験が幅広い学習内容を対象とする場合があるのに対し、大学院入試では、進学先の専門分野に関係する内容が中心になる場合があります。

ただし、大学受験にも面接や志望理由書を用いる選抜があり、大学院入試にも学力試験を重視する選考があります。

両者を完全に分けて考えるのではなく、それぞれの選考内容を確認することが大切です。

大学院入試では何が評価される?

大学院入試では、大学院や研究科の教育目的に応じて、さまざまな能力や適性が確認されます。

例えば、研究を中心とする修士課程では、専門分野の基礎知識や研究テーマへの理解、研究計画の具体性などが評価される場合があります。

また、研究内容について自分の言葉で説明できるかどうかも、面接などで確認されることがあります。

一方、専門職大学院では、実務に関係する知識や経験、進学目的などが重視される場合があります。

例えば、企業で働く社会人がMBAを受験する場合には、これまでの実務経験や、大学院で学びたい理由について説明を求められることがあるでしょう。

ただし、何をどの程度評価するかは、大学院によって異なります。

志望する大学院のアドミッション・ポリシーや募集要項を確認し、どのような学生を求めているのかを理解しておくことが重要です。

大学院入試に向けて専門科目や研究テーマについて学習するイメージ

大学院入試の主な試験内容

大学院入試では、専門科目の筆記試験、外国語試験、研究計画書などの書類審査、面接などが行われる場合があります。

専門科目の筆記試験では、志望する研究分野の基礎知識や専門的な理解が問われることがあります。

外国語試験では、英語などの文章を読み、その内容を理解する力が求められる場合があります。

また、研究計画書の提出が必要な場合には、大学院で研究したいテーマや研究方法などを文章にまとめます。

面接では、志望理由や研究計画、これまでの学習経験などについて質問されることがあります。

ただし、すべての大学院でこれらの試験が実施されるわけではありません。

例えば、専門科目の筆記試験を実施しない研究科や、英語資格のスコア提出を求める研究科もあります。

そのため、大学院入試の準備を始める際には、志望する研究科の試験内容を確認することが重要です。

専門科目の筆記試験とは?

専門科目の筆記試験では、志望する研究分野に関係する知識や理解が問われる場合があります。

例えば、経営学研究科であれば、経営戦略や組織論、マーケティングなどに関係する問題が出題されることがあります。

教育学研究科では、教育制度や教育思想、教育心理学などが試験範囲になる場合があります。

また、専門用語の意味を説明する問題だけでなく、特定のテーマについて論述する問題が出題されることもあります。

例えば、「企業の人材育成における課題について論じなさい」といった問題では、知識を覚えているだけでなく、その知識を使って自分の考えを論理的に説明する力が必要になります。

ただし、専門科目の出題範囲や問題形式は大学院によって異なります。

そのため、募集要項や過去問を確認し、必要な知識や出題形式を把握しておきましょう。

大学院入試の英語試験は大学受験と違う?

大学院入試では、英語などの外国語能力が求められる場合があります。

例えば、英語の学術的な文章を読み、その内容を日本語で説明する問題が出題されることがあります。

また、英文和訳や内容説明などを通じて、専門分野に関係する文章を理解する力が問われる場合もあります。

一方、大学院によっては、TOEFLやIELTS、TOEICなどの外部英語試験のスコア提出を求める場合があります。

ただし、利用できる試験の種類や必要なスコア、有効期限などは大学院によって異なります。

そのため、大学院入試の英語対策では、最初に試験形式を確認することが重要です。

例えば、英文和訳が中心の試験であれば、専門分野の英文を読む練習が役立つでしょう。

一方、外部英語試験のスコア提出が必要な場合には、指定された試験に合わせて準備する必要があります。

研究計画書とは?大学院入試で求められる理由

大学院入試では、研究計画書の提出が求められる場合があります。

研究計画書とは、大学院で何を研究したいのか、なぜその研究が必要なのか、どのような方法で研究を進めたいのかをまとめた書類です。

例えば、「企業の人材育成について研究したい」という関心がある場合を考えてみましょう。

この場合、研究計画書では、企業の人材育成のどのような問題に注目するのかを具体的に説明する必要があります。

例えば、「企業の研修制度が社員の学習意欲にどのような影響を与えるのか」という研究課題を設定することが考えられます。

さらに、関連する先行研究を調べ、研究方法や研究の目的などを整理します。

大学院側は、研究計画書を通じて、志望者がどのような問題意識を持っているのか、研究を進めるための準備ができているのかなどを確認する場合があります。

研究計画書は、単なる入試の提出書類ではありません。

自分が抱いている疑問を、学術的に検討できる問いへと発展させるための出発点でもあります。

例えば、仕事の中で「なぜ同じ研修を受けても、社員によって成長の仕方が違うのだろう」と疑問を感じた経験があるかもしれません。

その疑問を、先行研究や理論と結びつけながら考えることで、研究テーマとして具体化できる可能性があります。

このように、日常の経験や問題意識を研究へと発展させる過程は、大学院で学ぶための重要な準備になります。

ただし、研究計画書の形式や文字数、評価方法は大学院によって異なります。志望する大学院の指定に従って作成しましょう。

大学院入試の面接では何を聞かれる?

大学院入試では、面接が実施される場合があります。

面接では、志望理由や研究計画、これまでの学習経験などについて質問されることがあります。

例えば、「なぜこの大学院を志望したのですか」「大学院では何を研究したいと考えていますか」といった質問が考えられます。

また、研究計画書を提出している場合には、研究テーマを選んだ理由や研究方法について説明を求められることもあります。

例えば、「その研究テーマに関心を持ったきっかけは何ですか」「どのような方法で研究を進める予定ですか」といった質問です。

こうした質問に答えるためには、研究計画書の内容を自分の言葉で説明できるようにしておくことが大切です。

さらに、面接では、自分の考えに対して異なる視点から質問されることも考えられます。

その際には、すべての質問に完璧な答えを用意することよりも、質問の意図を理解し、根拠を示しながら考えを説明する姿勢が重要になります。

研究では、自分の考えが常に正しいとは限りません。新しい情報や他者の意見に触れながら、考えを修正していくことも必要です。

面接の準備では、研究計画書を暗記するだけでなく、「なぜそう考えるのか」と自分自身に問いかけながら理解を深めましょう。

大学院入試の面接で研究計画や志望理由について説明するイメージ

大学院入試は大学受験より難しい?

大学院入試を考える際に、「大学受験より難しいのだろうか」と不安に感じる方もいるでしょう。

しかし、大学院入試と大学受験の難易度を単純に比較することはできません。

大学受験では、幅広い教科について学習する必要がある場合があります。

一方、大学院入試では、特定の専門分野について深く理解することが求められる場合があります。

また、研究計画書の作成や面接など、大学受験とは異なる準備が必要になることもあります。

例えば、大学で学んだ分野と同じ研究科を受験する場合には、これまでの学習内容を生かせるかもしれません。

一方、大学で学んだ分野とは異なる研究科を受験する場合には、専門知識を基礎から学び直す必要があることもあります。

大学院入試の難しさは、試験範囲の広さだけでは測れません。

自分が学びたい分野について、どこまで理解を深められているか。研究したい内容を、どこまで具体的に説明できるか。こうした準備も重要になります。

難易度を考える際には、大学名だけで判断せず、試験内容と自分の準備状況を比較することが大切です。

大学院入試には偏差値がある?

大学受験では、志望校を選ぶ際に偏差値を参考にすることがあります。

しかし、大学院入試では、大学受験のように幅広い大学院を同じ基準で比較できる偏差値が一般的に整備されているわけではありません。

大学院によって試験科目や選考方法、募集人数などが異なるためです。

例えば、専門科目の筆記試験を実施する研究科と、研究計画書や面接を中心に選考する研究科では、同じ基準で難易度を比較することが難しくなります。

また、大学院入試では、研究テーマと指導教員の専門分野との相性なども重要になる場合があります。

そのため、大学院の難易度を考える際には、偏差値だけに頼るのではなく、募集要項や過去問、募集人数などを確認することが大切です。

大学院入試の倍率はどのくらい?

大学院入試の倍率は、大学院や研究科、入試区分などによって異なります。

例えば、募集人数に対して多くの志願者が集まる研究科もあれば、比較的少人数で選考が行われる研究科もあります。

ただし、倍率が低いからといって、必ず合格しやすいとは限りません。

大学院入試では、一定の学力や研究能力、適性などが求められる場合があるためです。

また、募集人数が少ない研究科では、志願者数のわずかな変化によって倍率が大きく変わることもあります。

そのため、倍率を確認する際には、数字だけで判断するのではなく、試験内容や募集人数なども合わせて考えましょう。

なお、大学院によっては、過去の志願者数や合格者数などを公表している場合があります。

社会人でも大学院入試を受験できる?

大学院入試は、大学を卒業したばかりの学生だけを対象としているわけではありません。

大学院によっては、社会人を対象とした入試区分が設けられている場合があります。

例えば、社会人特別選抜では、一定の実務経験を出願条件としている場合があります。

また、一般選抜で社会人が出願できる大学院もあります。

そのため、社会人が大学院を受験する際には、自分がどの入試区分で出願できるのかを確認することが重要です。

さらに、仕事を続けながら大学院へ通いたい場合には、入試制度だけでなく、授業時間や研究指導の方法なども調べる必要があります。

社会人特別選抜がある大学院でも、必ず夜間や土日に授業が開講されているとは限りません。

出願資格と入学後の学習条件は、分けて確認しましょう。

他大学の大学院も受験できる?

大学院進学を考える際には、「現在通っている大学とは別の大学院を受験できるのだろうか」と疑問に思う方もいるでしょう。

大学院入試では、出願資格を満たしていれば、他大学の大学院を受験できる場合があります。

例えば、大学で経済学を学んでいる学生が、別の大学の経済学研究科を受験することも考えられます。

また、大学で学んだ分野とは異なる研究科へ進学することも、出願条件や研究内容によっては可能です。

ただし、研究科によっては、特定の専門知識や学習経験が必要になる場合があります。

そのため、他大学の大学院を受験する際には、出願資格や試験科目、研究計画書の内容などを確認することが重要です。

また、指導を希望する教員への事前連絡が必要な場合もあるため、大学院の公式案内を確認しましょう。

大学院入試はいつ行われる?

大学院入試の実施時期は、大学院や研究科によって異なります。

例えば、夏から秋にかけて入試が行われる研究科もあれば、冬から春にかけて入試が行われる研究科もあります。

また、同じ研究科で複数回の募集が行われる場合もあります。

ただし、すべての大学院で年に複数回の入試が実施されるわけではありません。

さらに、出願期間は試験日より前に設定されるため、試験日だけを確認していると出願に間に合わない可能性があります。

そのため、大学院受験を考え始めたら、志望する大学院の出願期間と試験日を早めに確認しておきましょう。

大学院入試の準備は何から始める?

大学院入試の準備を始める際には、まず志望する大学院の募集要項を確認しましょう。

募集要項には、出願資格や試験科目、提出書類、出願期間などが記載されています。

例えば、研究計画書の提出が必要な場合には、研究テーマを整理する時間が必要です。

また、専門科目の筆記試験がある場合には、試験範囲を確認して学習計画を立てる必要があります。

英語資格のスコア提出が必要な場合には、試験を受ける時期やスコアの有効期限なども確認しておきましょう。

さらに、過去問が公開されている場合には、問題形式や出題傾向を把握するために活用できます。

大学院入試の準備では、最初からすべての科目を勉強し始めるのではなく、志望校の試験内容を確認してから優先順位を決めることが大切です。

大学院入試の募集要項を確認し、受験までの学習計画を立てるイメージ

大学院入試でよくある3つの勘違い

大学院入試を初めて受験する方の中には、大学受験と同じように考えてしまう場合があります。

一つ目は、「大学院入試では筆記試験の点数だけで合否が決まる」という考え方です。

実際には、研究計画書や面接、提出書類などが選考に含まれる場合があります。

二つ目は、「大学院入試では必ず研究計画書が必要」という考え方です。

研究計画書の提出が必要な研究科はありますが、すべての大学院で同じ書類が求められるわけではありません。

三つ目は、「大学院入試は大学受験と同じように偏差値で判断できる」という考え方です。

大学院入試では、試験内容や研究分野、指導教員との相性などが異なるため、単純な比較が難しい場合があります。

こうした違いを理解し、志望する大学院の入試制度に合わせて準備することが重要です。

大学院入試で大切なのは、自分自身の問いを持つこと

大学院入試の準備では、専門科目の勉強や研究計画書の作成、面接対策など、取り組むべきことが数多くあります。

そのため、受験勉強を進めるうちに、試験に合格することだけが目標になってしまう場合もあるでしょう。

しかし、大学院入試は、大学院での学びの入口にすぎません。

大切なのは、入学後に何を学び、どのような問題に向き合いたいのかを考えることです。

例えば、仕事の中で感じた疑問や、大学で学んだ内容への関心が、大学院での研究テーマにつながることがあります。

そのような問題意識を、先行研究や理論と結びつけながら深めていくことが、大学院での学びの出発点になります。

志樹舎では、大学院入試を単なる知識の競争としてではなく、自分自身の問いを見つめ直し、学問的な探究へと発展させる機会として捉えています。

大学院に進学する理由は、人によって異なります。研究者を目指す人もいれば、仕事の専門性を高めたい人、これまでとは異なる分野を学びたい人もいるでしょう。

どのような目的であっても、自分がなぜ学びたいのかを考え続けることが、受験準備の土台になります。

まとめ|大学院入試は専門分野と研究目的を意識して準備しよう

大学院入試は、大学院で専門的な学習や研究に取り組むための選考です。

大学受験との違いの一つは、専門分野の知識や研究計画、進学目的などが確認される場合があることです。

大学院入試では、専門科目の筆記試験、外国語試験、研究計画書、面接などが実施される場合があります。

ただし、試験内容や選考方法は大学院や研究科によって異なります。

そのため、大学院受験を考え始めたら、まず志望する大学院の募集要項を確認することが大切です。

また、研究を中心とする修士課程では、自分が何を研究したいのかを整理することも重要になります。

大学院入試は、単に試験に合格することだけを目的とするものではありません。入学後にどのような学習や研究に取り組みたいのかを考える機会でもあります。

志望する大学院の特徴や入試制度を理解し、自分に必要な準備を一つずつ進めていきましょう。

次回は「大学院入試にはどんな種類がある?一般選抜・社会人選抜などの基本」をテーマに、大学院入試の主な選抜区分と、それぞれの特徴について解説します。

※大学院の出願資格、入試区分、試験内容、研究計画書の提出条件、英語資格の取り扱い、出願期間などは大学院・研究科によって異なります。最新の情報は、各大学院の公式サイトや募集要項で必ずご確認ください。

志樹舎では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

この記事を監修した人

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)

志樹舎 創業者/博士(学術)

慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。