
大学院入試にはどんな種類がある?一般選抜・社会人選抜などの基本
- 1. 大学院入試の種類は大学院によって異なる
- 2. 一般選抜とは?大学院入試の基本的な選考方式
- 3. 一般選抜は大学生だけが受験するもの?
- 4. 社会人特別選抜とは?実務経験を生かした大学院入試
- 5. 社会人特別選抜では筆記試験が免除される?
- 6. 社会人は一般選抜と社会人特別選抜のどちらを選ぶ?
- 7. 学内進学者向けの選抜とは?
- 8. 学内推薦なら必ず合格できる?
- 9. 外国人留学生特別選抜とは?
- 10. 英語で学べる大学院には別の入試がある?
- 11. 専門職大学院の入試には特徴がある?
- 12. 早期卒業・飛び入学に関係する選抜もある
- 13. 大学を卒業していなくても大学院を受験できる?
- 14. 入試区分によって募集人数は違う?
- 15. 入試区分によって出願時期が違う場合もある
- 16. 自分に合った入試区分を見つける5つのステップ
- 17. 具体例① 大学4年生が修士課程へ進学する場合
- 18. 具体例② 会社員が大学院へ進学する場合
- 19. 具体例③ 異なる専門分野の大学院を目指す場合
- 20. 入試区分を選ぶときに避けたい3つの勘違い
- 21. 大学院入試は「どの方式が有利か」だけで考えない
- 22. まとめ|大学院入試は自分が利用できる選抜区分を確認しよう
院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。
大学院の募集要項を調べていると、「一般選抜」「社会人特別選抜」「外国人留学生特別選抜」など、さまざまな入試区分を目にすることがあります。
大学受験でも複数の選抜方式がありますが、大学院入試では研究科や専攻によって独自の入試区分が設けられていることもあり、初めて受験する方には少しわかりにくいかもしれません。
例えば、大学4年生が修士課程へ進学する場合と、企業で働く社会人が学び直しを目的として進学する場合では、利用できる入試区分が異なることがあります。
また、同じ研究科であっても、一般選抜と社会人特別選抜では、出願資格や提出書類、試験内容が異なる場合があります。
ただし、社会人だから必ず社会人特別選抜を受験しなければならないわけではありません。出願資格を満たしていれば、一般選抜を受験できる場合もあります。
大学院入試では、自分がどの入試区分を利用できるのかを確認するとともに、それぞれの選抜方式が何を評価しようとしているのかを理解することが重要です。
この記事では、大学院入試の主な種類を紹介しながら、それぞれの特徴や出願条件、試験内容の違い、そして自分に合った入試区分の選び方について解説します。
大学院入試の種類は大学院によって異なる
大学院入試には、全国すべての大学院で共通する選抜区分があるわけではありません。
大学院や研究科は、それぞれの教育目的や募集方針に応じて、入試制度を設けています。
例えば、ある研究科では一般選抜と社会人特別選抜を実施していても、別の研究科では一般選抜のみを実施している場合があります。
また、学内進学者向けの選抜や外国人留学生向けの選抜などが設けられていることもあります。
さらに、同じ大学の大学院であっても、研究科によって入試区分が異なる場合があります。
そのため、「この大学には社会人選抜があるから、希望する研究科でも利用できるはず」と判断することはできません。
確認すべきなのは、大学全体の入試案内だけではなく、志望する研究科・専攻・課程の募集要項です。
また、募集要項には「一般入試」「一般選抜」「社会人入試」「社会人特別選抜」など、異なる名称が使われることがあります。名称が似ていても、制度の内容まで同じとは限りません。
一般選抜とは?大学院入試の基本的な選考方式
一般選抜は、大学院入試で設けられている代表的な入試区分の一つです。
大学を卒業した人や卒業見込みの人など、大学院が定める出願資格を満たす人を対象として実施されることがあります。
例えば、大学4年生が卒業後すぐに修士課程へ進学する場合には、一般選抜が候補になるでしょう。
また、大学卒業後に就職した社会人が、一般選抜を受験できる場合もあります。
一般選抜では、専門科目の筆記試験、外国語試験、研究計画書などの書類審査、面接などが実施されることがあります。
例えば、経済学研究科では経済学の専門知識、教育学研究科では教育学の基礎理論や研究方法などが問われる場合があります。
一方、研究計画書や面接を中心に選考する研究科もあり、すべての一般選抜で筆記試験が課されるわけではありません。
一般選抜を受験する場合には、出願資格だけでなく、試験科目や提出書類、評価方法を確認する必要があります。
一般選抜は大学生だけが受験するもの?
一般選抜という名称から、大学卒業見込みの学生だけが受験するものだと思う方もいるかもしれません。
しかし、一般選抜は必ずしも大学生だけを対象とした入試ではありません。
例えば、大学を卒業して数年間働いている社会人であっても、出願資格を満たしていれば一般選抜を受験できる場合があります。
また、大学卒業後に別の分野を学び直したい人が、一般選抜を利用することも考えられます。
重要なのは、現在の職業や年齢だけで判断しないことです。
社会人として働いているからといって、一般選抜の対象外になるとは限りません。反対に、大学を卒業していても、研究科が定める条件によっては出願前の確認や審査が必要になる場合があります。
社会人が大学院進学を検討する場合にも、まず一般選抜の出願資格を確認しておきましょう。

社会人特別選抜とは?実務経験を生かした大学院入試
社会人特別選抜は、社会人としての経験を持つ人などを対象として設けられる入試区分です。
例えば、企業で働いている人や、専門職として実務経験を積んできた人などが対象になる場合があります。
ただし、社会人特別選抜の出願条件は大学院によって異なります。
一定年数以上の実務経験が必要な場合もあれば、職歴以外の条件が定められている場合もあります。
また、現在働いていることが必要なのか、過去の職歴も対象になるのかについても、募集要項で確認する必要があります。
社会人特別選抜では、これまでの実務経験や進学目的、研究計画などが選考で確認されることがあります。
例えば、企業で人材育成に携わってきた人が、仕事で感じた課題を大学院で研究したいと考える場合です。
そのような場合には、実務経験と研究テーマの関係について説明を求められることがあるでしょう。
ここで大切なのは、職歴の長さや役職だけを強調するのではなく、その経験から何を学び、どのような疑問を持つようになったのかを整理することです。
例えば、「人事部門で10年間働いてきた」という事実だけでなく、「研修制度を整えても社員の主体的な学習につながらないのはなぜか」という問題意識を持っていることが、大学院での学びにつながる可能性があります。
実務経験は、それ自体が研究成果になるわけではありません。しかし、経験を振り返り、理論や先行研究と結びつけることで、学術的な探究の出発点になり得ます。
社会人特別選抜では筆記試験が免除される?
社会人特別選抜について調べていると、「社会人入試なら筆記試験がないのでは」と考える方もいるかもしれません。
実際に、社会人特別選抜では、一般選抜と異なる選考方法が採用されている場合があります。
例えば、研究計画書や志望理由書などの書類審査と面接を中心に選考する研究科があります。
一方、社会人特別選抜でも、専門科目の筆記試験や小論文などが課される場合があります。
そのため、社会人特別選抜だからといって、必ず筆記試験が免除されるわけではありません。
また、筆記試験がない場合でも、準備が簡単になるとは限りません。
研究計画書では、研究テーマの背景や目的、研究方法などを説明する必要がある場合があります。面接では、仕事上の経験と大学院での学びをどのように結びつけたいのかを問われることもあるでしょう。
筆記試験の有無だけで選ぶのではなく、自分に求められる準備の内容を具体的に確認することが重要です。
社会人は一般選抜と社会人特別選抜のどちらを選ぶ?
社会人が大学院を受験する場合、一般選抜と社会人特別選抜の両方が候補になることがあります。
例えば、経営学研究科への進学を考えている社会人が、両方の出願資格を満たしている場合を想像してみましょう。
一般選抜では専門科目の筆記試験が課され、社会人特別選抜では実務経験に関する書類や面接が重視されるかもしれません。
この場合、どちらの入試区分が適しているかは、本人の学習経験や研究目的、試験内容などによって異なります。
例えば、大学で経営学を専攻しており、専門科目の学習を継続している人であれば、一般選抜に必要な知識を生かせる可能性があります。
一方、長年の実務経験から明確な問題意識を持っている人であれば、社会人特別選抜の選考内容と自分の経験が結びつく場合もあるでしょう。
ただし、社会人特別選抜の方が合格しやすいと決めつけることはできません。
また、同じ研究科で複数の入試区分に出願できるかどうかは、大学院の規定によります。
出願条件、試験内容、募集人数、出願期間を比較し、自分の強みと必要な準備を整理して判断しましょう。
学内進学者向けの選抜とは?
大学院によっては、同じ大学の学部に在籍する学生などを対象とした選抜制度が設けられている場合があります。
例えば、学内推薦や学内進学者向けの選抜などです。
これらの制度では、学部での成績や研究活動、推薦に関する条件などが出願資格に含まれる場合があります。
また、一般選抜とは異なる試験内容が設定されていることもあります。
例えば、学部での成績や卒業研究の内容を踏まえて、面接などによる選考が行われる場合があります。
ただし、同じ大学の学部に在籍しているからといって、必ず学内進学者向けの選抜を利用できるわけではありません。
学部や学科、成績、卒業見込みなどについて、条件が設けられている場合があります。
また、学内進学者向けの制度が設けられていない研究科もあります。
現在通っている大学の大学院へ進学したい場合には、一般選抜だけでなく、学内進学者向けの制度があるかも確認してみましょう。
学内推薦なら必ず合格できる?
学内推薦という名称から、推薦を受ければ必ず大学院へ進学できると考える方もいるかもしれません。
しかし、学内推薦の制度や選考方法は大学院によって異なります。
例えば、一定の成績条件を満たす学生が出願できる制度であっても、面接などの選考が実施される場合があります。
また、推薦を受けるために、学部での学習状況や研究活動などが確認されることもあります。
そのため、学内推薦を利用できる場合でも、出願条件や選考方法を確認する必要があります。
さらに、学内推薦を利用する場合には、推薦に伴う手続きや進学意思の確認など、一般選抜とは異なる条件が設けられている可能性もあります。
大学院への進学を考えている学部生は、所属する大学の教務担当窓口などで、学内進学に関する制度を早めに確認するとよいでしょう。
外国人留学生特別選抜とは?
大学院によっては、外国人留学生を対象とした特別選抜が設けられている場合があります。
例えば、海外の大学を卒業した人や、日本以外の国籍を持つ人などが対象になる場合があります。
ただし、外国人留学生特別選抜の出願資格は大学院によって異なります。
国籍だけでなく、学歴や在留資格、日本語能力などに関する条件が設けられている場合もあります。
また、英語で授業や研究指導を行う大学院では、英語能力を確認するための書類提出が必要になることがあります。
一方、日本語で授業を行う研究科では、日本語能力が求められる場合があります。
外国人留学生特別選抜を検討する際には、出願資格に加えて、授業で使用する言語や必要な語学資格なども確認することが重要です。

英語で学べる大学院には別の入試がある?
大学院によっては、英語で授業や研究指導を行うプログラムが設けられている場合があります。
こうしたプログラムでは、通常の日本語による課程とは異なる出願方法や選考方法が採用されていることがあります。
例えば、英語で作成した志望理由書や研究計画書の提出が必要になる場合があります。
また、英語資格のスコアや、英語による面接が求められることもあります。
ただし、英語で学べる大学院だからといって、必ず外国人留学生だけが対象になるわけではありません。
日本人学生が出願できるプログラムもあります。
そのため、英語による大学院教育に関心がある場合には、プログラムの対象者や出願資格、使用言語などを確認しましょう。
なお、英語によるプログラムは、必ずしも独立した入試区分として設けられているとは限りません。一般選抜などの中で、プログラムごとに異なる出願条件が設定されている場合もあります。
専門職大学院の入試には特徴がある?
MBAや法科大学院、教職大学院などの専門職大学院でも、それぞれの教育目的に応じた入試が実施されています。
例えば、MBAでは、実務経験や進学目的、経営に関する問題意識などが確認される場合があります。
また、教職大学院では、教員としての経験や教育に関する課題意識などが選考に関係する場合があります。
ただし、専門職大学院だからといって、すべて同じ選考方法が採用されているわけではありません。
専門職大学院の種類や大学院ごとの方針によって、出願資格や試験内容は異なります。
例えば、MBAであっても、実務経験を必須とする課程もあれば、学部卒業後の進学を想定した課程もあります。
また、専門職大学院では、実務で直面した課題を理論的に捉え直す力が重要になることがあります。
そのため、専門職大学院を受験する際には、一般的な修士課程との違いだけでなく、志望する課程の教育目的と入試制度を確認することが大切です。
早期卒業・飛び入学に関係する選抜もある
大学院によっては、通常の大学卒業とは異なる経路で進学を目指せる制度が設けられている場合があります。
例えば、大学の早期卒業制度を利用して、通常より早く大学院へ進学することが考えられます。
また、一定の条件を満たす学生について、大学卒業前に大学院への入学を認める、いわゆる飛び入学の制度が設けられている場合もあります。
ただし、こうした制度はすべての大学や大学院で利用できるわけではありません。
また、学業成績や修得単位数、年齢などについて、制度ごとに条件が設けられています。
早期卒業と飛び入学は同じ制度ではなく、卒業資格の取り扱いも異なります。
通常とは異なる時期に大学院進学を考えている場合には、所属する大学や志望する大学院の公式情報を確認しましょう。
大学を卒業していなくても大学院を受験できる?
大学院への進学には、大学卒業またはそれと同等以上の学力があると認められることなど、所定の入学資格が必要です。
ただし、大学を卒業していない人でも、大学院が定める条件を満たし、個別の入学資格審査などを経て出願できる場合があります。
例えば、修士課程などでは、所定の年齢要件を満たし、大学を卒業した人と同等以上の学力があると大学院に認められることで、出願資格を得られる制度があります。
ただし、個別の入学資格審査を受ければ、必ず出願資格が認められるわけではありません。
また、資格審査に必要な書類や申請期限は、大学院によって異なります。
そのため、大学卒業以外の経歴から大学院進学を考えている場合には、早めに出願資格を確認することが重要です。
なお、入学資格審査は、大学院入試そのものとは別の手続きです。審査によって出願資格が認められても、入学試験に合格したことにはなりません。
入試区分によって募集人数は違う?
大学院によっては、一般選抜と社会人特別選抜などで、募集人数が分けられている場合があります。
例えば、一般選抜で一定数を募集し、社会人特別選抜では別の募集人数を設定している場合があります。
一方、複数の入試区分を合わせて募集人数を設定している研究科もあります。
そのため、募集人数を確認する際には、研究科全体の人数だけでなく、入試区分ごとの取り扱いも調べることが重要です。
また、募集人数が少ないからといって、必ず合格が難しいとは限りません。
志願者数や選考内容、求められる能力などによって、受験の状況は異なります。
過去の志願者数や合格者数が公表されている場合には、参考資料として確認するとよいでしょう。
ただし、過去の倍率だけで合格可能性を判断するのではなく、自分が求められる能力を身につけているかどうかも考える必要があります。
入試区分によって出願時期が違う場合もある
大学院入試では、入試区分によって出願時期や試験日が異なる場合があります。
例えば、一般選抜が夏に実施され、社会人特別選抜が別の時期に実施される研究科もあります。
また、同じ入試区分で複数回の募集が行われる場合もあります。
ただし、すべての大学院で年に複数回の入試が行われるわけではありません。
そのため、大学院を受験する際には、希望する入試区分の出願期間と試験日を確認することが重要です。
特に、社会人特別選抜や個別の入学資格審査を利用する場合には、通常の出願期間より前に手続きが必要になることもあります。
さらに、英語資格のスコア提出や指導希望教員への事前連絡が必要な場合には、それぞれの準備にも時間がかかります。
試験日から逆算するだけでなく、出願前に必要な手続きまで含めてスケジュールを整理しましょう。
自分に合った入試区分を見つける5つのステップ
大学院入試の種類が多く、どの入試区分を選べばよいのかわからない場合には、次の手順で整理してみましょう。
第一に、志望する大学院の募集要項を確認します。大学名だけでなく、研究科・専攻・課程まで確認することが重要です。
第二に、実施されている入試区分を調べます。一般選抜、社会人特別選抜、学内進学者向けの選抜など、どのような区分があるのかを確認しましょう。
第三に、それぞれの出願資格を確認します。学歴や実務経験、語学資格、事前審査の有無などを調べます。
第四に、試験内容を比較します。専門科目の筆記試験、研究計画書、面接など、必要な準備を整理しましょう。
第五に、出願期間や試験日を確認します。複数の入試区分を検討している場合には、併願に関する規定も確認しておくと安心です。
ここで、可能であれば比較用のメモを作成してみましょう。
例えば、「入試区分」「出願資格」「筆記試験」「研究計画書」「面接」「出願期間」「事前手続き」の項目を設けて整理すると、制度の違いが見えやすくなります。
入試区分を比較するときは、合格しやすそうかどうかだけでなく、自分の経験や学習状況をどのように生かせるかも考えることが大切です。

具体例① 大学4年生が修士課程へ進学する場合
例えば、大学4年生が卒業後すぐに経済学研究科へ進学したいと考えている場合を想像してみましょう。
この場合、一般選抜が候補になることが考えられます。
まず、志望する研究科の募集要項を確認し、卒業見込みの学生が出願できるかを調べます。
次に、専門科目や外国語試験、研究計画書などの選考内容を確認します。
また、現在通っている大学の大学院へ進学する場合には、学内進学者向けの選抜制度があるかも調べてみましょう。
ただし、学内進学者向けの制度がある場合でも、成績や推薦に関する条件が設けられていることがあります。
さらに、進学後に研究したいテーマが決まっている場合には、その分野を専門とする教員が在籍しているかも確認しておきたいところです。
大学院選びと入試区分の確認を並行して進めることで、受験準備の方向性が明確になります。
具体例② 会社員が大学院へ進学する場合
次に、企業で働いている社会人が、経営学研究科への進学を考えている場合を想像してみましょう。
この場合、一般選抜と社会人特別選抜の両方が候補になる可能性があります。
まず、社会人特別選抜が設けられているかを確認します。
次に、必要な実務経験や提出書類、試験内容などを調べます。
例えば、社会人特別選抜では、仕事での経験や進学目的について説明を求められる場合があります。
一方、一般選抜では、専門科目の筆記試験などが課されることもあります。
ここで考えたいのは、自分が大学院で何を学びたいのかという点です。
例えば、管理職として組織運営の課題に直面している人であれば、その経験をどのように理論的な学習や研究につなげたいのかを整理することが役立ちます。
また、仕事を続けながら大学院へ通う場合には、入試区分だけでなく、授業時間や研究指導の方法なども確認しておきましょう。
受験できることと、入学後に無理なく学び続けられることは、分けて考える必要があります。
具体例③ 異なる専門分野の大学院を目指す場合
大学で学んだ分野とは異なる大学院へ進学したい場合もあるでしょう。
例えば、大学では文学を学んでいた人が、社会学研究科への進学を考えている場合です。
この場合、出願資格を満たしていれば、一般選抜などを受験できる可能性があります。
ただし、研究科によっては、社会学の専門知識や研究方法について理解していることが求められる場合があります。
そのため、学部で学んだ分野が異なる場合には、試験科目や研究計画書に必要な知識を確認することが重要です。
また、研究テーマによっては、指導を希望する教員への事前相談が必要になる場合もあります。
異分野からの進学では、これまでの学習経験が無意味になるわけではありません。
例えば、文学を学んできた人が、物語や言語表現への関心を出発点として、社会におけるコミュニケーションのあり方を研究することも考えられます。
大切なのは、これまでの学びと新しい研究分野の接点を見つけ、不足している知識を補うことです。
入試区分を選ぶときに避けたい3つの勘違い
大学院入試の区分を選ぶ際には、注意したいことがあります。
一つ目は、「社会人なら必ず社会人特別選抜を受験する」という考え方です。
社会人であっても、一般選抜を受験できる場合があります。現在の職業だけで判断せず、出願資格を確認しましょう。
二つ目は、「社会人特別選抜は一般選抜より簡単」という考え方です。
社会人特別選抜では、筆記試験の代わりに研究計画書や面接などが重視される場合があります。選考方法が異なるだけで、必ず合格しやすいとは限りません。
三つ目は、「学内推薦なら必ず合格できる」という考え方です。
学内推薦にも出願条件や選考が設けられている場合があります。
いずれの場合も、入試区分の名称だけで判断せず、募集要項に記載された条件や選考方法を確認することが大切です。
大学院入試は「どの方式が有利か」だけで考えない
大学院入試の種類を調べていると、どうしても「どの方式が合格しやすいのか」という点が気になるかもしれません。
もちろん、自分が利用できる制度を理解し、適切な入試区分を選ぶことは大切です。
しかし、大学院への進学を考えるうえでは、もう一つ忘れてはいけない視点があります。
それは、「自分は大学院で何を学びたいのか」という問いです。
例えば、社会人として働く中で、組織の課題を感じたことが大学院進学のきっかけになったとします。
その場合、社会人特別選抜を利用できるかどうかを調べることと同時に、その課題を大学院でどのように学び、研究したいのかを考える必要があります。
また、学部生であれば、学内推薦の条件を満たしているかだけでなく、大学院でさらに深めたい学問的な関心があるかを見つめ直すことも大切でしょう。
志樹舎では、大学院進学を、単に学歴を積み重ねるための選択ではなく、自分自身の問題意識を深め、新しい知識や視点を獲得するための機会として捉えています。
入試制度は、その学びへ進むための入口です。
だからこそ、どの入試区分を選ぶかという実務的な判断と、なぜ大学院で学ぶのかという本質的な問いを、切り離さずに考えていくことが重要です。
まとめ|大学院入試は自分が利用できる選抜区分を確認しよう
大学院入試には、一般選抜、社会人特別選抜、学内進学者向けの選抜、外国人留学生特別選抜など、さまざまな種類があります。
ただし、すべての大学院で同じ入試区分が設けられているわけではありません。
また、同じ研究科であっても、入試区分によって出願資格や試験内容、出願時期などが異なる場合があります。
そのため、大学院受験を考え始めたら、まず志望する研究科の募集要項を確認しましょう。
次に、自分が利用できる入試区分を調べ、必要な試験科目や提出書類を整理します。
特に社会人の場合には、一般選抜と社会人特別選抜の両方が候補になることがあります。
また、学部生の場合には、一般選抜だけでなく、学内進学者向けの制度があるかも確認してみましょう。
大学院入試では、入試区分の名称や合格のしやすさだけで判断するのではなく、自分の学歴や経験、進学目的に合った制度を選ぶことが重要です。
そして、どの入試区分を利用する場合でも、大学院で何を学び、どのような問いに向き合いたいのかを考えることが、受験準備の土台になります。
それぞれの入試区分の特徴を理解し、志望する大学院の制度に合わせて準備を進めていきましょう。
次回は「大学院入試はいつ行われる?春・夏・秋・冬の募集時期」をテーマに、大学院入試の実施時期や出願スケジュール、受験準備を始めるタイミングについて解説します。
※大学院の入試区分、出願資格、実務経験の条件、試験内容、募集人数、出願期間などは大学院・研究科によって異なります。最新の情報は、各大学院の公式サイトや募集要項で必ずご確認ください。
志樹舎では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
院試受験でお困りの方は、無料相談にお気軽にお申し込みください。
※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


