
文系大学院の選び方|研究したいテーマから進学先を探す
- 1. 文系大学院選びでは「研究したい問い」が重要になる
- 2. 文学・歴史学・哲学を研究したい場合
- 3. 社会学・文化研究を学びたい場合
- 4. 心理学を研究したい場合
- 5. 教育学を研究したい場合
- 6. 法学・政治学・公共政策を研究したい場合
- 7. 経済学・経営学を研究したい場合
- 8. 同じ研究テーマでも研究科が異なることがある
- 9. 研究テーマから大学院を探す5つのステップ
- 10. 研究テーマに近い論文を探す方法
- 11. 指導教員を探すときに確認したいこと
- 12. 研究テーマがまだ決まっていない場合はどうする?
- 13. 文系大学院では研究方法との相性も確認しよう
- 14. 文系大学院の入試では何を確認すればよい?
- 15. 文系大学院を比較するときのチェックポイント
- 16. 文系大学院選びは、自分の関心を深める機会でもある
- 17. まとめ|文系大学院は研究したいテーマから探そう
院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。
「文系の大学院に進学したいけれど、どの研究科を選べばよいのかわからない」「研究したいテーマはあるものの、どの大学院で学べるのか見つけられない」。そんな悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
文系大学院には、文学、歴史学、哲学、社会学、心理学、教育学、法学、経済学、経営学など、さまざまな研究分野があります。
しかし、同じ分野を学べる大学院であっても、研究科の名称や所属する教員、研究方法などは異なります。
例えば、企業の人材育成について研究したい場合、経営学研究科だけでなく、教育学研究科や心理学に関係する研究科が候補になることもあります。
また、地域社会の課題について研究したい場合には、社会学だけでなく、公共政策や経済学などの分野から研究できる可能性があります。
文系大学院選びを難しくしているのは、必ずしも情報が少ないことではありません。むしろ、一つの関心が複数の学問分野につながっているため、どこから調べればよいのか迷いやすいのです。
志樹舎では、大学院を選ぶことは、自分が何に疑問を感じ、何を明らかにしたいのかを考える機会でもあると捉えています。
最初から完成された研究テーマを持っている必要はありません。身近な疑問や仕事で感じた違和感から、学問への入り口が見つかることもあります。
この記事では、文系大学院の主な研究分野を紹介しながら、研究テーマから研究科や指導教員を探す具体的な方法を解説します。
文系大学院選びでは「研究したい問い」が重要になる
文系大学院を探す際には、大学名や研究科名だけでなく、自分が研究したいテーマを整理することが重要です。
例えば、「社会学を学びたい」という希望がある場合でも、社会学には家族、地域社会、労働、メディア、文化など、さまざまな研究対象があります。
そのため、社会学研究科という名称だけで大学院を選んでも、自分が研究したいテーマを専門とする教員がいるとは限りません。
さらに重要なのは、同じ研究対象でも、どのような疑問を持つかによって研究の方向性が変わることです。
例えば、「少子化」という社会問題について考えてみましょう。
社会学では、家族のあり方や働き方、結婚に対する価値観などとの関係に注目することが考えられます。
一方、経済学では、所得や雇用、子育て支援政策などの要因を分析する研究が考えられます。
公共政策の分野では、行政が実施する支援制度の設計や効果を検討することもできるでしょう。
同じ少子化という問題を扱っていても、「何を明らかにしたいのか」によって、適した学問分野は異なります。
大学院選びでは、研究対象を決めるだけでなく、その対象について自分がどのような問いを持っているのかを考えることが大切です。
文学・歴史学・哲学を研究したい場合
文学、歴史学、哲学などに関心がある場合には、文学研究科や人文科学に関係する研究科などが候補になります。
例えば、日本文学について研究したい場合には、特定の作家や作品、文学史、表現方法などを研究対象とすることが考えられます。
ある小説を読んで「なぜ、この時代にはこのような人物像が描かれたのだろう」と疑問を持ったことが、研究の出発点になるかもしれません。
歴史学であれば、特定の時代や地域、社会制度、文化などを研究することができます。
例えば、ある時代の教育制度に関心がある場合、当時の政策資料や学校の記録などを調べ、制度がどのように成立し、人々の生活に影響したのかを検討することが考えられます。
また、哲学では、倫理や知識、人間の存在、社会の価値観などについて、哲学的な議論や文献をもとに考察する研究があります。
例えば、「人間にとって自由とは何か」「正しい行動は何によって決まるのか」といった問いを、過去の思想家の議論と照らし合わせながら検討することができます。
これらの分野では、研究対象となる文献や史料を丁寧に読み解く力が重要になる場合があります。
外国文学を研究する場合には、対象となる言語の読解力が必要になることがあります。また、歴史学では、研究対象によって古文書や外国語の史料を読む力が求められる場合もあります。
進学先を探す際には、研究したい時代や地域、作家、思想家などを専門とする教員がいるかを確認しましょう。
人文学の研究では、すぐに実用的な答えが出ない問いに向き合うこともあります。しかし、簡単には答えの出ない問題を考え続けること自体に、学問としての意義があります。
社会学・文化研究を学びたい場合
社会学では、人々の生活や社会の仕組み、集団の関係などを研究します。
例えば、家族のあり方、地域コミュニティ、働き方、メディア、ジェンダー、社会階層など、さまざまなテーマが研究対象になります。
社会学に関心がある場合には、社会学研究科だけでなく、文学研究科や人間科学研究科などに関連する研究分野が設けられていることもあります。
例えば、「SNSが若者の人間関係にどのような影響を与えているのか」というテーマを研究したい場合を考えてみましょう。
一見すると、日常生活の中で誰もが考えそうな疑問です。
しかし、研究として取り組むためには、「どの年代を対象にするのか」「人間関係のどのような側面を調べるのか」「影響をどのように確かめるのか」といった点を具体化する必要があります。
例えば、大学生を対象にSNSの利用状況と友人関係についてアンケート調査を行う方法が考えられます。
一方、少人数へのインタビューを通じて、SNS上の交流が本人にとってどのような意味を持つのかを調べる方法もあります。
このように、社会学では、研究対象だけでなく、調査方法の選択も重要になります。
進学先を選ぶ際には、社会調査法や質的研究法、統計分析など、必要な研究方法を学べる環境があるかを確認しましょう。

心理学を研究したい場合
心理学に関心がある場合には、心理学研究科や人間科学研究科、文学研究科などが候補になることがあります。
心理学には、認知心理学、社会心理学、発達心理学、臨床心理学など、さまざまな研究分野があります。
例えば、人がどのように情報を記憶するのかに関心がある場合には、認知心理学が関係するかもしれません。
また、人間関係や集団の中での行動について研究したい場合には、社会心理学などが候補になるでしょう。
心理学の研究では、実験や質問紙調査、観察などを通じて、人の認知や行動を検討することがあります。
そのため、心理学の大学院を探す際には、研究テーマだけでなく、どのような研究方法を学べるのかも確認することが重要です。
さらに、心理学の中でも、資格取得を目指す場合には注意が必要です。
例えば、公認心理師などの資格取得を考えている場合には、必要な科目や実習、大学院の教育課程などについて、制度上の条件を確認する必要があります。
公認心理師の受験資格には複数の経路があり、大学院の課程だけを確認すればよいわけではありません。大学での履修状況なども関係するため、資格制度の公式情報を確認しましょう。
心理学を研究することと、特定の資格取得を目指すことでは、大学院選びの条件が異なる場合があります。
自分が研究を深めたいのか、資格取得も目指したいのかを整理しておきましょう。
教育学を研究したい場合
教育学に関心がある場合には、教育学研究科などが候補になります。
教育学では、学校教育だけでなく、教育政策、教育制度、学習方法、生涯学習など、幅広いテーマが研究されています。
例えば、「子どもの学習意欲を高めるためには、どのような授業が必要なのか」という疑問から、教育方法や教育心理学に関係する研究を考えることができます。
また、「社会人が学び直しを続けるためには、どのような支援が必要なのか」というテーマであれば、生涯学習や成人教育などの分野が関係するかもしれません。
教育学の特徴の一つは、学校や教育現場で生じている問題を、制度、心理、社会、歴史など、さまざまな視点から考えられることです。
例えば、学校に通いづらさを感じる子どもの問題についても、本人の心理だけでなく、学校制度や家庭環境、地域社会との関係から検討することができます。
教育学の大学院を探す際には、研究科の名称だけでなく、研究分野や教員の専門性を確認しましょう。
なお、教育に関係する大学院には、研究を中心とする課程のほか、教職大学院などの専門職学位課程もあります。
教育研究に取り組みたいのか、学校現場での実践力を高めたいのかによって、適した課程が異なる場合があります。
法学・政治学・公共政策を研究したい場合
法律や政治、行政、公共政策に関心がある場合には、法学研究科や政治学に関係する研究科、公共政策大学院などが候補になります。
例えば、労働問題について研究したい場合には、労働法や社会保障法などの分野が関係することがあります。
また、地方自治や地域政策について研究したい場合には、行政学や公共政策などの分野から検討できるでしょう。
法学の研究では、法律の条文や判例、学説などを読み解きながら、特定の法的問題について考察することがあります。
一方、政治学や公共政策では、制度や政策の仕組み、政策の効果などを分析する研究が行われます。
例えば、「子育て支援政策は地域によってどのような違いがあるのか」という疑問であれば、自治体の制度を比較する研究が考えられます。
また、「政策が実施されても、なぜ期待した成果につながらないことがあるのか」という問いから、政策の実施過程や評価方法を検討することもできるでしょう。
ただし、法学研究科と法科大学院は、教育目的や課程の仕組みが異なります。
法科大学院は、法曹養成を目的とする専門職大学院です。
法律について研究したいのか、法曹を目指したいのかによって、進学先の選び方が異なるため、教育目的や修了要件を確認することが大切です。
経済学・経営学を研究したい場合
経済学や経営学に関心がある場合には、経済学研究科や経営学研究科、商学研究科などが候補になります。
経済学では、景気や金融、労働市場、地域経済、公共政策など、さまざまなテーマが研究されています。
例えば、「最低賃金の引き上げは雇用にどのような影響を与えるのか」という疑問から、労働経済学に関係する研究を考えることができます。
このような研究では、経済理論を理解するだけでなく、統計データを使って仮説を検証することもあります。
一方、経営学では、企業の経営戦略やマーケティング、組織行動、人材育成などを研究することがあります。
例えば、「社員の働きがいを高めるためには、どのような組織運営が必要なのか」というテーマであれば、組織行動や人的資源管理などが関係するかもしれません。
社会人の場合には、日々の仕事で感じた疑問が研究テーマにつながることもあります。
例えば、営業組織のマネジメントに携わる人が、「同じ制度を導入しても、チームによって成果が異なるのはなぜか」と疑問を持つ場合です。
こうした問題を、個人の経験だけで判断するのではなく、組織論や経営学の知識を使って考察することができます。
また、経営学を学べる大学院には、研究を中心とする修士課程のほか、MBAなどの専門職学位課程もあります。
研究活動を中心に学びたいのか、実務に関係する経営知識を体系的に学びたいのかによって、適した進学先が異なる場合があります。
同じ研究テーマでも研究科が異なることがある
文系大学院を探す際に知っておきたいのが、一つの研究テーマを複数の学問分野から研究できる場合があるということです。
例えば、「企業の人材育成」というテーマを考えてみましょう。
経営学では、企業の人材育成制度や組織運営との関係を研究することが考えられます。
教育学では、社会人の学習や研修方法などに注目することができるでしょう。
また、心理学では、学習意欲や仕事への動機づけなどの視点から研究できる可能性があります。
このように、同じテーマであっても、研究する分野によって注目する問題や研究方法が異なります。
志樹舎では、この違いを知ることが、大学院選びの重要な一歩になると考えています。
自分が興味を持っているテーマが、どの学問に属するのかを最初から正確に知っている必要はありません。
むしろ、複数の学問分野を調べる中で、「自分は制度の仕組みに関心があるのか」「人の心理に関心があるのか」「組織の運営に関心があるのか」といった違いが見えてくることがあります。
大学院探しは、進学先を絞り込む作業であると同時に、自分の関心をより深く理解する過程でもあるのです。
研究テーマから大学院を探す5つのステップ
ここからは、研究したいテーマを出発点にして、大学院を探す具体的な方法を紹介します。
最初のステップは、関心のあるテーマを短い言葉で書き出すことです。
例えば、「地域の人口減少」「学校教育と学習意欲」「企業の人材育成」など、現時点で興味を持っているテーマを整理してみましょう。
二つ目は、そのテーマに関係する学問分野を考えることです。
例えば、「地域の人口減少」であれば、社会学、経済学、公共政策などが候補になるかもしれません。
三つ目は、関連する研究を調べることです。
学術論文や専門書を調べることで、どのような研究が行われているのかを知ることができます。
四つ目は、研究テーマに近い教員を探すことです。
大学院の公式サイトや教員紹介ページなどで、研究分野や研究業績を確認しましょう。
五つ目は、候補となる大学院の研究内容や入試制度を比較することです。
研究テーマとの相性だけでなく、出願資格や試験科目、学費、通学条件なども確認しておきましょう。
このように段階を分けて調べることで、大学名だけに頼らず、自分の関心に合った大学院を探しやすくなります。
また、調べる過程で研究テーマが変わっても問題ありません。
最初は「地域の人口減少」に関心があった人が、論文を読むうちに「地方における若者の就業機会」という、より具体的なテーマに興味を持つこともあるでしょう。
こうした変化は、関心が曖昧になったのではなく、問題意識が深まった結果とも考えられます。

研究テーマに近い論文を探す方法
研究テーマから大学院を探す際には、学術論文を調べることも役立ちます。
例えば、「地域コミュニティ」について研究したい場合には、その言葉を使って関連する論文を検索してみましょう。
日本語の学術論文を探す際には、CiNii ResearchやJ-STAGEなどの学術情報サービスを利用する方法があります。
また、Google Scholarなどを利用して、関連する研究を探すこともできます。
論文を見つけたら、最初からすべてを理解しようとする必要はありません。
まずはタイトルや要旨を読み、「どのような問題を扱っているのか」「どのような方法で調べているのか」「何が明らかになったのか」を確認してみましょう。
例えば、地域コミュニティに関する論文でも、高齢者の交流を扱う研究と、地域活動への若者の参加を扱う研究では、問題意識が異なります。
複数の論文を読むことで、自分が特に関心を持つ問題が見えてくることがあります。
さらに、論文の著者がどの大学や研究機関に所属しているのかを調べることで、関連する研究を行っている教員を見つけられる場合があります。
ただし、論文の著者が現在も同じ大学に所属しているとは限りません。
また、研究者であっても、大学院生の指導を担当していない場合があります。
そのため、論文から教員を見つけた場合には、大学院の公式サイトで現在の所属や研究指導の担当状況を確認しましょう。
指導教員を探すときに確認したいこと
文系大学院では、指導教員の専門分野が研究生活に大きく関わる場合があります。
例えば、同じ社会学の教員であっても、家族社会学を専門とする人と、労働社会学を専門とする人では、研究内容が異なります。
そのため、教員の専門分野が自分の研究テーマに近いかを確認することが重要です。
また、研究テーマだけでなく、研究方法についても調べてみましょう。
例えば、インタビュー調査を中心に研究したい場合と、統計データを用いた分析を行いたい場合では、必要な研究指導が異なることがあります。
さらに、教員の研究業績や担当授業などを確認することで、どのような研究指導を受けられる可能性があるのかを考えやすくなります。
ここで意識したいのは、研究テーマが完全に一致する教員を探すことだけが目的ではないという点です。
自分の関心に近い研究を行っている教員が、どのような視点や方法で問題に取り組んでいるのかを知ることも重要です。
ただし、研究分野が近い教員であっても、希望するテーマを指導できるとは限りません。
教員の受入状況や事前相談の必要性については、大学院の公式案内を確認してください。
研究テーマがまだ決まっていない場合はどうする?
文系大学院に進学したいと思っていても、具体的な研究テーマが決まっていない場合があります。
例えば、「歴史学に興味があるけれど、どの時代を研究したいのか決まっていない」「社会学を学びたいけれど、研究課題が見つからない」という場合です。
そのような場合には、最初から研究テーマを一つに絞る必要はありません。
まずは、興味のある分野の専門書や論文を読み、どのような研究が行われているのかを調べてみましょう。
また、大学院の教員紹介ページを見て、研究テーマの例を知ることも役立ちます。
例えば、社会学に興味がある場合には、家族、地域社会、労働、メディアなど、複数の分野を調べてみるとよいでしょう。
その中で、特に関心を持ったテーマについて、さらに詳しく調べていくことができます。
もう一つの方法は、自分が日常生活の中で疑問に感じたことを書き出すことです。
例えば、「なぜ地域によって教育機会に差があるのか」「なぜ同じ仕事でも働きがいに違いが生まれるのか」といった疑問です。
こうした問いは、そのまま研究テーマになるとは限りません。しかし、専門書や論文を読むための出発点になります。
志樹舎では、研究テーマを見つけることを、無理に立派な題名を考える作業だとは捉えていません。
自分が本当に知りたいと思えることを探し、それを学問的に考えられる問いへと育てていくことが大切です。
ただし、大学院入試では研究計画書の提出が求められる場合があります。
そのため、出願までには、志望する研究科の要件に合わせて研究テーマを具体化していく必要があります。
文系大学院では研究方法との相性も確認しよう
文系大学院を選ぶ際には、研究テーマだけでなく、研究方法との相性も重要です。
例えば、文学研究では、作品や文献を読み解きながら考察する方法が用いられることがあります。
歴史学では、史料を収集し、その内容を分析する方法が中心になる場合があります。
社会学では、インタビュー調査やアンケート調査、統計分析などが用いられることがあります。
また、経済学では、理論的な分析や統計データを用いた研究が行われる場合があります。
同じ研究テーマであっても、どのような方法で研究するかによって、必要な知識や技能が異なります。
例えば、「若者の働き方」というテーマでも、インタビューを通じて個人の経験を調べる研究と、大規模な統計データを使って雇用の傾向を分析する研究では、研究の進め方が異なります。
そのため、大学院を探す際には、自分がどのような方法で研究したいのかも考えてみましょう。
ただし、研究方法については、大学院で学びながら身につける部分もあります。
進学前にすべての研究方法を理解しておく必要はありませんが、志望する研究科でどのような研究が行われているのかを知っておくことが大切です。
文系大学院の入試では何を確認すればよい?
研究テーマに合った大学院が見つかったら、次に入試制度を確認しましょう。
文系大学院の入試では、研究計画書の提出や専門科目の筆記試験、外国語試験、面接などが行われる場合があります。
例えば、文学や歴史学に関係する研究科では、専門分野の知識や文献を読む力が求められる場合があります。
また、社会学や教育学などの研究科では、研究計画書の内容や研究方法について面接で質問されることもあります。
ただし、試験内容は大学院や研究科によって異なります。
同じ学問分野であっても、筆記試験を重視する研究科もあれば、書類審査や面接を中心に選考する研究科もあります。
そのため、志望する大学院の募集要項を確認し、必要な試験科目や提出書類を整理しておきましょう。
また、出願前に教員への連絡が必要な場合もあるため、事前相談のルールについても確認することが重要です。
文系大学院の入試対策では、専門知識を身につけることに加えて、自分の研究テーマを言葉で説明できるようにすることも大切です。
「なぜ、その問題に関心を持ったのか」「これまでにどのような研究が行われているのか」「大学院では何を明らかにしたいのか」。
こうした問いに向き合うことは、入試対策であると同時に、大学院で研究を始めるための準備にもなります。
文系大学院を比較するときのチェックポイント
複数の文系大学院が候補に挙がった場合には、研究テーマとの相性を中心に比較してみましょう。
まず確認したいのは、自分が研究したいテーマを扱っているかどうかです。
次に、希望する研究テーマに関係する教員がいるか、研究指導を受けられる可能性があるかを調べます。
また、授業科目や研究方法に関する教育内容も重要です。
例えば、インタビュー調査を用いた研究に取り組みたい場合には、質的研究法などを学べる授業があるかを確認することが考えられます。
さらに、学費や通学条件、入試制度なども比較しておきましょう。
社会人の場合には、仕事と学業を両立できるかどうかも重要な判断材料になります。
比較する際には、大学院名、研究科・専攻、研究テーマ、指導教員、研究方法、入試科目、学費、授業時間などを整理してみましょう。
加えて、「この大学院で特に学びたいこと」と「まだ確認できていないこと」を書き出しておくと、比較しやすくなります。
例えば、研究内容は魅力的でも、希望する教員が新入生を受け入れているか確認できていない場合があります。
また、社会人の場合には、授業が夜間に開講されていても、研究指導が平日昼間に行われる可能性があります。
こうした疑問を整理しておくことで、大学院の説明会や事前相談をより有効に活用できます。

文系大学院選びは、自分の関心を深める機会でもある
大学院を探していると、大学名や研究科名、入試の難易度など、さまざまな情報が気になるものです。
しかし、文系大学院を選ぶ際には、もう一つ大切にしたい視点があります。
それは、自分がなぜ、そのテーマに関心を持ったのかということです。
例えば、教育格差について研究したい人の中には、自分自身の経験から問題意識を持った人もいるでしょう。
企業の人材育成について研究したい社会人であれば、仕事の中で感じた疑問がきっかけになっているかもしれません。
こうした個人的な経験や疑問は、そのままでは学術研究にならない場合があります。
しかし、先行研究を読み、研究方法を学び、他者と議論することで、個人的な疑問を社会的・学術的な問いへと発展させることができます。
志樹舎では、大学院進学の意義は、専門知識を増やすことだけではないと考えています。
自分が当然だと思っていたことを問い直し、異なる考え方に触れ、根拠に基づいて考える力を身につけることにも、大きな価値があります。
文系大学院選びは、そのような学びをどこで、誰と、どのように深めていくのかを考える機会でもあるのです。
まとめ|文系大学院は研究したいテーマから探そう
文系大学院には、文学、歴史学、哲学、社会学、心理学、教育学、法学、経済学、経営学など、さまざまな研究分野があります。
また、同じ研究テーマであっても、複数の学問分野から研究できる場合があります。
そのため、文系大学院を探す際には、研究科の名称だけでなく、自分が何を研究したいのかを出発点にすることが大切です。
まずは、興味のあるテーマを書き出し、そのテーマに関係する学問分野を整理してみましょう。
次に、関連する論文や専門書を調べ、研究テーマに近い教員や大学院を探します。
候補となる大学院が見つかったら、研究内容や研究方法、指導教員、入試制度、学費などを比較してみましょう。
文系大学院選びでは、大学名や研究科名だけではわからない違いが数多くあります。
また、大学院を調べる過程で、自分の研究テーマが変化することもあります。
それは、必ずしも迷っているということではありません。新しい知識に触れることで、自分が本当に知りたいことが見えてくる場合もあります。
志樹舎では、大学院選びを、単に進学先を決めるための作業ではなく、自分の問題意識を深める過程として大切にしています。
自分の関心を出発点に、複数の学問分野や大学院を調べながら、納得できる進学先を探していきましょう。
次回は「社会人大学院の選び方|夜間・土日・オンラインで学べる大学院」をテーマに、仕事を続けながら大学院へ通うための進学先選びについて解説します。
※大学院の研究内容、指導教員の受入状況、入試制度、学費、授業形態、資格取得に関する条件などは大学院・研究科によって異なります。最新の情報は、各大学院の公式サイトや募集要項で必ずご確認ください。
志樹舎では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
院試受験でお困りの方は、無料相談にお気軽にお申し込みください。
※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。



