
- 1. 京大大学院の全体像と文系の受験先
- 2. 文学研究科|人文科学を専門的に研究したい人へ
- 3. 教育学研究科|教育や人間の発達を研究する
- 4. 法学研究科|法律・政治を研究対象として深める
- 5. 経済学研究科|研究者養成と高度専門人材養成の2つの方向
- 6. 人間・環境学研究科|文理の枠を越えて研究する
- 7. アジア・アフリカ地域研究研究科|フィールドワークを重視
- 8. 公共政策大学院|政策形成に関わる専門職を目指す
- 9. 経営管理大学院|MBAで経営を体系的に学ぶ
- 10. 法科大学院|法曹を目指すための専門職大学院
- 11. 9つの選択肢から自分に合う研究科を選ぶ方法
- 12. 入試日程と試験内容から逆算して準備する
- 13. 今日からできる京都大学大学院の志望先選び
京都大学大学院の文系研究科ガイド|9つの選択肢の違いと選び方
院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。
京都大学大学院への進学を考え始めたとき、「研究科が多くて、どこを受験すればよいのか分からない」と感じる方もいるのではないでしょうか。京都大学には人文・社会科学から自然科学まで幅広い大学院があり、文系分野だけを見ても複数の選択肢があります。
さらに、一般的な修士課程・博士後期課程だけでなく、5年一貫制の博士課程や専門職学位課程もあります。そのため、単純に研究科名だけを比較するのではなく、「何を研究したいのか」「修了後に何を目指すのか」「どのような入試を受けるのか」という複数の視点から志望先を検討することが大切です。
この記事では、京都大学大学院の中でも文系の受験生が候補にしやすい9つの研究科・専門職大学院について、それぞれの特徴や入試、選び方を整理します。
京大大学院の全体像と文系の受験先

京都大学の大学院には、文学、教育学、法学、経済学、理学、医学、薬学、工学、農学、人間・環境学、エネルギー科学、アジア・アフリカ地域研究、情報学、生命科学、総合生存学館、地球環境学舎、公共政策大学院、経営管理大学院など、多様な研究科・教育部があります。
このうち、文系の受験生が主な進学先として検討しやすいのは、文学研究科、教育学研究科、法学研究科の法政理論専攻、法科大学院、経済学研究科、人間・環境学研究科、アジア・アフリカ地域研究研究科、公共政策大学院、経営管理大学院の9つです。
ただし、「文系だからこの9つのどれか」と単純に決められるわけではありません。京都大学では研究領域が研究科をまたいでいることもあります。たとえば心理学、教育、地域研究、文化、社会、言語などは、複数の研究科で異なる角度から研究できる可能性があります。
また、課程の仕組みにも違いがあります。一般的な研究科では修士課程を修了した後、希望者が博士後期課程へ進みます。一方、アジア・アフリカ地域研究研究科は5年一貫制の博士課程です。公共政策大学院、経営管理大学院、法科大学院は専門職大学院であり、研究者養成とは異なる目的を持っています。
そのため、最初に「研究科名」を決めるよりも、自分が大学院で取り組みたいテーマと修了後の進路を整理し、それに合う研究科を探していくほうが志望先を選びやすくなります。
文学研究科|人文科学を専門的に研究したい人へ
文学研究科は、哲学、歴史学、文学、心理学、言語学など、人間や文化に関わる幅広いテーマを研究できる大学院です。6つの専攻の下に多くの専修が設けられており、日本史学、国語学国文学、哲学、心理学など、専門領域を深く掘り下げることができます。
入試は夏期と冬期に行われますが、すべての専攻・専修で同じ時期に募集されるわけではありません。夏期入試の対象となる専攻と冬期入試の対象は異なるため、自分が希望する専修の募集時期を個別に確認する必要があります。
また、冬期入試では論文や論文要旨などの提出が求められる場合があります。大学院入試では、単に筆記試験の点数だけではなく、これまで何を学び、大学院でどのような研究を行いたいのかという研究上のつながりも重要になります。
教育学研究科|教育や人間の発達を研究する
教育学研究科では、教育そのものだけでなく、人間形成、心理、社会、文化など、教育を取り巻く幅広い問題を研究できます。学校教育だけに関心を限定せず、人がどのように学び、発達し、社会と関わっていくのかを研究したい人にとっても候補になります。
研究者を目指すための教育に加えて、社会人の学び直しを意識したアカデミック・リカレント教育プログラムも設けられています。大学卒業後すぐに進学する人だけでなく、実務経験を経て大学院で学び直したい人も、制度を確認しておきたい研究科です。
法学研究科|法律・政治を研究対象として深める
法学研究科の法政理論専攻は、法律学や政治学を学術的に研究したい人が主な対象です。研究者養成コースと先端法務コースがあり、研究者養成コースでは博士後期課程への進学も視野に入れた研究を進めます。
法律に関係する大学院という点では法科大学院と混同しやすいのですが、目的は異なります。法政理論専攻は法律学・政治学などを研究する大学院であるのに対し、法科大学院は法曹養成を目的とする専門職大学院です。将来、研究者になりたいのか、法曹を目指したいのかによって進学先が大きく変わります。
経済学研究科|研究者養成と高度専門人材養成の2つの方向

経済学研究科では、経済学や経営学に関する専門的な研究を行います。特徴の一つは、博士後期課程への進学を見据えた研究者養成と、修士課程で専門性を身につけて社会で活躍することを想定した高度専門人材養成という異なる方向性があることです。
経済学研究科を検討するときは、「経済や経営に興味がある」という段階から一歩進めて、大学院で研究として何を明らかにしたいのかを考える必要があります。企業経営への関心が強く、研究よりも実務能力を伸ばしたい場合には、経営管理大学院も比較対象になります。
人間・環境学研究科|文理の枠を越えて研究する
人間・環境学研究科は、従来の文系・理系という区分だけでは整理しにくい学際的な研究を行えることが特徴です。人間、社会、思想、芸術文化、言語、地域、環境など、多様な研究テーマが扱われています。
たとえば「文化について研究したい」という場合でも、文学研究科で文学・歴史などの観点から研究する方法もあれば、人間・環境学研究科で社会や地域、思想などを組み合わせて研究する方法も考えられます。
学際的なテーマを希望する受験生にとって魅力的な一方で、「何でも研究できそうだから」という理由だけで志望すると、研究計画が曖昧になる可能性があります。自分の研究テーマと指導を希望する教員の専門領域との接点を具体的に確認することが重要です。
アジア・アフリカ地域研究研究科|フィールドワークを重視
アジア・アフリカ地域研究研究科は、東南アジア地域研究、アフリカ地域研究、グローバル地域研究の3専攻を設け、現地でのフィールドワークを重視した研究を行っていることが大きな特徴です。
2027年度入試の第1回試験では、募集人員は東南アジア地域研究専攻10名、アフリカ地域研究専攻7名、グローバル地域研究専攻8名でした。
また、一般的な修士課程とは異なり、5年一貫制の博士課程であることも重要なポイントです。短期間で修士号を取得して就職することを目的とするのではなく、長期的な視点で地域に入り込み、博士論文まで研究を発展させたい人に適した研究科といえます。
公共政策大学院|政策形成に関わる専門職を目指す
公共政策大学院は、行政、公共政策、国際社会などの分野で活躍する高度専門職業人の育成を目的とする専門職大学院です。研究者になることだけを目的とするのではなく、学んだ知識を政策形成や実務に生かしたい人に向いています。
2027年度入試では、一般選抜30名、職業人選抜10名程度、外国人特別選抜若干名という募集人員が示されています。一般選抜では英語や論述などが課され、論述では法学系、政治学系、経済学系の専門分野から科目を選択します。
そのため、大学院入試対策では研究計画だけでなく、自分が選択する分野について大学学部レベルの基礎知識を整理し、論理的に文章で説明できるようにしておくことも重要です。
経営管理大学院|MBAで経営を体系的に学ぶ

経営管理大学院は、経営に関する理論と実務を学ぶ専門職大学院です。MBAを取得できるため、企業経営、事業開発、コンサルティング、金融、起業などに関心を持つ社会人からも検討されやすい進学先です。
2027年度入試では一般選抜25名、特別選抜35名が募集されています。2026年度入試では一般選抜に152名が出願し、19名が合格しており、出願者数だけを見ても準備なしで挑戦できる入試ではないことが分かります。
経営学を扱うという点では経済学研究科と共通する部分もありますが、大学院での目的は異なります。学術研究を中心に考えるのであれば経済学研究科、経営の知識を実務へ生かすことを重視するのであれば経営管理大学院というように、自分の目的から比較すると整理しやすくなります。
法科大学院|法曹を目指すための専門職大学院
法科大学院は、法曹を目指す人のための専門職大学院です。2027年度入試の募集人員は160名で、法学未修者枠が35名程度、法学既修者枠が125名程度とされています。
法学未修者と法学既修者では修業年限が異なり、未修者は原則3年間、既修者は原則2年間で学びます。大学の学部で法学を専攻していなかった人にも進学ルートがありますが、一般的な研究大学院とは入試制度や教育目的が大きく異なります。
「法律を学びたい」という理由だけで法学研究科と法科大学院を同じ候補として考えるのではなく、法律を研究対象にしたいのか、法曹資格を目指したいのかを明確にして選ぶことが重要です。
9つの選択肢から自分に合う研究科を選ぶ方法
京都大学大学院の文系分野を比較するとき、最初に考えたいのが修了後の進路です。博士号取得や大学・研究機関での研究を視野に入れるのであれば、文学、教育学、法学、経済学、人間・環境学、アジア・アフリカ地域研究などの研究科が中心的な候補になります。
一方、行政や政策分野でのキャリアを考えるなら公共政策大学院、企業経営や事業開発などで専門性を高めたいなら経営管理大学院、法曹を目指すなら法科大学院というように、専門職大学院も選択肢になります。
次に確認したいのが、自分の研究テーマです。大学院選びでは大学名や研究科名だけでなく、「そのテーマを指導できる教員がいるか」という視点が非常に重要です。
たとえば、教育や心理に関心がある場合、教育学研究科だけを見るのではなく、文学研究科や人間・環境学研究科にも関連する研究を行う教員がいないか確認してみるとよいでしょう。地域や国際社会について研究したい場合も、アジア・アフリカ地域研究研究科だけでなく、文学研究科、人間・環境学研究科、公共政策大学院などが候補になる可能性があります。
「自分のテーマは何学部・何研究科なのか」と考えるより、「このテーマをどのような方法で研究したいのか」と考えることで、候補となる研究科が見つけやすくなります。
入試日程と試験内容から逆算して準備する
志望研究科がある程度絞れたら、次は募集要項を確認します。特にチェックしておきたいのは、出願資格、出願期間、試験日、提出書類、筆記試験、外国語試験、口述試験などです。
京都大学大学院の場合、研究科によって入試時期や選考方法が異なります。夏から秋に試験が行われる研究科もあれば、冬期入試が設定されている研究科もあります。同じ京都大学を受験する場合でも、志望先によって準備を始めるべき時期は変わります。
特に注意したいのが研究計画書などの出願書類です。大学院入試では、筆記試験の勉強だけを進めていても、出願直前になって研究テーマが固まっていなければ準備が間に合わなくなることがあります。
研究テーマの整理、先行研究の確認、指導教員候補の調査、研究計画書の作成、専門科目や英語の対策を並行して進めることが重要です。志望校を決めた段階で試験日だけを見るのではなく、出願日から逆算して準備スケジュールを作っておきましょう。
今日からできる京都大学大学院の志望先選び
まだ志望研究科を決めきれていない場合は、この記事で紹介した9つの選択肢から、関心のある研究科をまず2~3つ選んでみてください。そして、それぞれの公式サイトで「入試日程」「選考方法」「提出書類」「教員・研究分野」の4点を確認します。
次に、各研究科の教員一覧から、自分の関心に近い研究をしている教員を3人程度探します。研究者情報や最近の論文、著書などを確認すると、「自分が考えているテーマを本当にこの研究科で研究できるのか」が少しずつ見えてきます。
そのうえで、「なぜこのテーマを研究したいのか」「大学院で何を明らかにしたいのか」「なぜ京都大学のこの研究科なのか」を簡単に文章にしてみましょう。この3点を言葉にできるようになると、研究計画書や志望理由、面接対策にもつながります。
京都大学という大学名だけで志望先を決めるのではなく、自分の研究テーマ、指導を希望する教員、入試方式、修了後の進路まで比較して研究科を選ぶことが、大学院受験の重要な第一歩です。
志樹舎では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。院試受験でお困りの方は、無料相談にお気軽にお申し込みください。
※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
※入試日程、募集人員、出願期間、試験内容、必要書類などは変更される場合があります。出願の際は、必ず京都大学大学院および各研究科の公式サイトと、対象年度の最新の募集要項を確認してください。
志樹舎
では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
研究計画書から志望理由書・小論文・面接・プレゼン対策まで、どこから手を付けるべきか個別にアドバイスします。
多くの受験生が「もっと早く相談すればよかった」と話されます。
「何から始めればいいか分からない」
「この研究テーマで通用するか不安」
そんな院試受験で迷いや不安がある方は、今すぐ
無料相談
にお申込みください。
※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。



