一橋大学大学院ソーシャル・データサイエンス研究科 博士前期課程・博士後期課程の2028年度入試を具体的に知る

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一橋大学大学院ソーシャル・データサイエンス研究科は、2023年に学部・大学院が設置された比較的新しい研究科です。専攻名はソーシャル・データサイエンス専攻で、博士前期課程と博士後期課程が設けられています。データサイエンスだけではなく社会科学についても学ぶことを前提としているため、入試でも統計学・情報学と社会科学の双方を意識した準備が必要になります。

この記事では、2028年度入学を検討している方に向けて、博士前期課程と博士後期課程の入試区分、筆記試験、口述試験、研究計画書、英語能力証明書などを整理します。2028年度の具体的な出願期間や試験日程などは、対象年度の募集要項が公表されるまでは確定情報として扱うことができません。そのため、過年度の制度を参考にしながら、今から準備できることを中心に確認していきます。


博士前期課程には4つの入試区分がある

博士前期課程には、一般選考、内部選考、社会人特別選考、外国人留学生等特別選考の4区分があります。受験を検討する際は、まず自分がどの区分に該当するのかを確認し、2028年度の募集要項が公表されたら、対象となる区分の出願資格や必要書類を確認しましょう。

過年度の入試では、博士前期課程の募集人員は21名とされていました。また、書類による選考の後に筆記試験があり、さらに口述試験へ進むという複数段階の選考となっていました。2028年度の募集人員や選考日程については変更される可能性があるため、過年度の日付をそのまま2028年度の日程として考えないことが重要です。

複数段階の選考では、一つ前の選考結果を確認してから次の準備を始めるのでは、十分な時間を確保できない可能性があります。出願書類を作成しながら筆記試験の勉強を進め、さらに口述試験を想定して研究計画を説明する練習も始めるという形で、並行して準備しておくとよいでしょう。


筆記試験では統計学・情報学と社会科学の両方が問われる

元となる入試情報では、博士前期課程の選考は、書類審査、筆記試験、口述試験という段階で進みます。筆記試験は「統計学・情報学」が120分、「社会科学」が60分です。社会科学では、経営学・経済学・法学・政治学から1問を選択します。

対策を始める際は、まず統計学・情報学について現在の理解度を確認しましょう。社会科学を中心に学んできた方であれば統計学や情報学が課題になる可能性があり、反対にデータサイエンスや情報分野を中心に学んできた方は社会科学の論点整理に時間が必要になることも考えられます。自分の得意・不得意を把握し、補強する分野を決めることが準備の第一歩です。

社会科学については、経営学・経済学・法学・政治学のうち、自分のこれまでの専門分野や研究計画との関係を考えながら選択分野を検討します。2028年度の正式な試験科目や試験時間については、対象年度の募集要項が公表された段階で変更がないか確認してください。


研究計画書は口述試験まで意識して作成する

元となる入試情報では、博士前期課程の口述試験は個別に20分程度、審査員3名のもとで日本語により実施されています。そのため、研究計画書は出願のためだけに作成するのではなく、その後の口述試験まで使用する重要な資料として考えておく必要があります。

研究計画書を作成するときは、単に「データを分析したい」という内容にするのではなく、「どのような社会的な問題を対象とするのか」「その問題についてデータを使って何を明らかにしたいのか」「どのような方法で研究するのか」という流れを整理しましょう。ソーシャル・データサイエンス研究科で何を研究したいのかが伝わる内容にすることが大切です。

完成後は、研究テーマ、そのテーマに関心を持った理由、研究目的、研究方法などについて、研究計画書を見ずに説明する練習をします。質問に対する回答を丸暗記するのではなく、聞かれ方が変わっても研究内容を自分の言葉で説明できる状態を目指しましょう。


英語能力証明書などの提出書類も早めに確認する

元となる入試情報では、博士前期課程の提出書類として、入学志願票、研究計画書、卒業・卒業見込証明書、成績証明書、英語能力証明書などが挙げられています。また、該当する受験者については、日本語能力試験N1の証明書も必要とされています。

特に英語能力証明書は、出願直前になってから準備するのではなく、2028年度の募集要項が公表されたら、対象となる試験、スコアの有効期間、証明書の提出方法などを確認しましょう。英語試験を新たに受験する必要がある場合は、出願期限から逆算して受験日を決める必要があります。

元となる入試情報では、具体的な最低スコアは明示されていません。他研究科や他大学で設定されている英語スコアを、ソーシャル・データサイエンス研究科の基準として考えないよう注意しましょう。


博士後期課程は博士前期課程とは選抜方法が異なる

博士後期課程については、元となる入試情報では、修了見込者、社会人、留学生などを別々の入試区分に分けず、1種類の選抜を実施するとされています。博士前期課程には4つの区分がありますが、博士後期課程は異なる仕組みとなっているため、両者の入試情報を混同しないことが重要です。

博士後期課程では、英語で書かれた研究計画書、成績証明書、修士論文または専門職学位論文、英語テストのスコアなどが求められます。元となる情報では、英語テストとしてTOEFL iBT、IELTS Academic、Duolingo English Testが挙げられていますが、具体的な最低スコアは示されていません。

2028年度入学の出願期間、口述試験、最終合格発表などの日程については、対象年度の募集要項で確認してください。博士前期課程の日程を博士後期課程にも当てはめず、それぞれ別に確認することが必要です。


博士後期課程では英語の研究計画書を準備する

博士後期課程で特に注意したいのが、元となる入試情報では研究計画書を英語で作成することが求められている点です。日本語で研究計画を完成させてから単純に英訳するのではなく、研究目的、問題設定、これまでの研究との関係、研究方法などを英語でも論理的に説明できるよう準備する必要があります。

また、修士論文または専門職学位論文も提出書類に含まれています。これまで取り組んできた研究と博士後期課程で進めたい研究をつなげ、「修士段階では何を明らかにしたのか」「どのような課題が残ったのか」「博士段階では何を新たに研究するのか」を整理しましょう。

博士後期課程を目指す場合は、研究テーマを決めるだけでなく、これまでの研究成果を振り返り、博士段階でどのように発展させるのかを考えるところから準備を始めることが重要です。


2028年度入学に向けて今から準備できること

元となる入試情報では、指導教員への事前相談は、出願締切日までであれば教員が承諾した場合に可能とされています。ただし、事前相談の有無は選考や面接の評価には影響せず、研究計画書について具体的な指導を受けるための制度でもありません。2028年度については、事前相談の方法や期間に変更がないか最新の案内を確認してください。

博士前期課程を目指す方は、まず入試区分を確認し、研究テーマを整理しながら「統計学・情報学」と「社会科学」の基礎固めを始めましょう。社会科学については、経営学・経済学・法学・政治学のどの分野を選ぶか検討します。博士後期課程を目指す方は、修士論文などこれまでの研究成果を整理し、博士段階で発展させたいテーマを決め、英語による研究計画書の準備につなげます。

元となる情報では、学費は入学料282,000円、年間授業料535,800円です。2028年度の募集要項が公表されたら、出願日程、募集人員、試験科目、提出書類、英語能力証明書、事前相談の扱い、学費などに変更がないかを確認し、それまで進めてきた準備を最新情報に合わせて調整しましょう。


一橋大学大学院の入試日程、出願期間、試験内容、出願資格、必要書類などは年度や研究科、専攻、入試区分によって変更される場合があります。受験を検討する際は、必ず一橋大学の公式サイトおよび受験する研究科の対象年度の最新の募集要項をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。