一橋大学大学院社会学研究科「秋期一般選考」の入試を具体的に知る

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一橋大学大学院社会学研究科は、総合社会科学専攻と地球社会研究専攻の二つの専攻から構成されています。志願者がどちらの専攻に属するかは、志望する指導教員の所属研究分野によって決まる仕組みとなっているため、専攻名だけを見て出願先を決めるのではなく、自分の研究テーマと指導教員の研究分野との関係から考えることが重要です。

これから受験を検討する方は、2028年度入学以降の入試が中心になります。ただし、2028年度入学の具体的な出願期間や試験日程、募集人員などは、対象年度の募集要項が公表されるまでは確定情報として扱うことができません。この記事では、秋期一般選考の仕組みを整理しながら、2028年度入学を目指して今から準備できることを紹介します。


2028年度入学の日程は最新の募集要項で確認する

2028年度入学の秋期一般選考を受験する場合は、対象年度の募集要項が公表されたら、出願期間、第1次選考の日程、第1次合格発表、第2次となる口述試験、最終合格発表の日程を確認する必要があります。過年度と同じ時期に実施されるとは限らないため、以前の日程をそのまま2028年度の日程として予定に入れないよう注意しましょう。

過年度の入試では、総合社会科学専攻の募集人員は秋期一般選考・特別選抜を合わせて50名、地球社会研究専攻は秋期15名とされていました。総合社会科学専攻の50名は秋期一般選考だけの人数ではない点にも注意が必要です。2028年度の募集人員については、最新の募集要項で改めて確認してください。

秋期一般選考では、出願前から研究計画書や筆記試験、口述試験を並行して準備しておくことが重要です。特に第1次選考の合格発表から口述試験までの期間が短い場合に備え、結果を確認してから口述対策を始めるのではなく、研究計画書を作成する段階から自分の研究について話す練習も進めておきましょう。


第1次選考は論文筆記試験と書類審査で評価される

秋期一般選考の第1次選考では、論文筆記試験と書類審査による総合評価が行われます。元となる入試情報では、論文筆記試験は主論文100点、副論文50点で、さらに書類審査50点が加わる形式です。4つの研究分野から出題される複数の問題の中から2問を選択して解答します。

主論文と副論文では100点と50点という配点の違いがあります。まずは自分の研究テーマやこれまで学んできた内容を踏まえて、どの研究分野を中心に受験するのかを検討しましょう。そのうえで過去の問題を確認し、出題されているテーマや、自分に不足している知識を整理していきます。

論文対策では、専門用語を覚えるだけでは十分ではありません。問題を読んで論点を整理し、答案全体の構成を考えたうえで、筋道を立てて文章にする練習が必要です。最初は問題ごとに論点と答案構成だけを作り、知識が固まってきたら実際に時間を計って答案を書くという順番で進めると、段階的に論述力を高めやすくなります。


研究計画書は限られた字数で研究内容を伝える

元となる入試情報では、研究計画書は1,200字以内の項目を2つ以内で構成する形式です。長く詳しく書くことよりも、限られた字数の中で研究テーマや問題意識、大学院で研究したい内容を分かりやすく整理することが重要になります。

作成するときは、最初から1,200字に収めようとせず、「何を研究したいのか」「なぜその問題に関心を持ったのか」「これまでどのような議論があるのか」「大学院で何を明らかにしたいのか」を一度書き出してみましょう。その後、重複している説明を削り、研究の中心となる部分が伝わるように文章を整えていきます。

研究計画書は書類審査だけではなく、第2次の口述試験にもつながります。完成後は文章を読み返すだけではなく、研究テーマや問題意識を短時間で説明する練習を行いましょう。自分が書いた内容について質問されたときに、研究計画書を見なくても説明できる状態を目指します。


指導教員は出願前に決めておく

社会学研究科の秋期一般選考では、元となる入試情報上、WEB出願フォームと研究計画書に指導教員名を明記する必要があり、「未定」として出願することはできず、出願後の変更もできないとされています。2028年度入学についても同様の扱いとなるかは、対象年度の募集要項で必ず確認してください。

教員を探すときは、まず自分の研究テーマをある程度具体化したうえで、公式サイトに掲載されている教員の研究分野や研究業績を確認します。自分が研究したいテーマと教員が扱っているテーマを照らし合わせ、「なぜこの教員のもとで研究したいのか」を説明できるところまで整理しておくとよいでしょう。

また、志望する教員の所属研究分野によって、総合社会科学専攻と地球社会研究専攻のどちらに属するかが決まります。そのため、最初に専攻を決めてから教員を探すのではなく、「研究テーマを考える」「関連する教員を探す」「その教員の所属を確認する」という順番で検討すると整理しやすくなります。


事前相談と約45分の口述試験にも備える

元となる入試情報では、指導教員への事前相談は出願期間開始前であれば受け付けるとされており、相談の有無は選考評価に影響しないことも明記されています。また、研究計画書そのものについて具体的な指導を受けるための制度ではありません。2028年度に事前相談を希望する場合は、対象年度の案内を確認したうえで対応しましょう。

第2次選考は約45分の口述試験で、研究計画書に基づく質疑応答に加え、語学力または史資料読解力を確認する試験も含まれます。研究テーマについて「なぜ研究するのか」「何を明らかにしたいのか」「なぜその方法を用いるのか」といった質問を想定し、自分の言葉で説明できるようにしておくことが大切です。

語学力または史資料読解力についても、自分の志望する研究分野との関係を踏まえて準備します。研究計画書の説明だけに対策を限定せず、口述試験全体を想定して準備を進めましょう。


2028年度入学に向けて今から準備できること

2028年度入学を目指す場合は、具体的な入試日程が公表されるのを待つのではなく、まず研究テーマを整理し、そのテーマに近い教員を探すところから始められます。教員の研究分野や研究業績を確認しながら指導教員候補を考え、研究計画書の骨子を作成していきましょう。

同時に、論文筆記試験について過去の問題を確認し、4つの研究分野のうち自分がどこを中心に準備するのかを考えます。研究計画書、指導教員探し、主論文・副論文の対策を別々に進めるのではなく、自分の研究テーマを軸につなげて準備することがポイントです。

元となる情報では、検定料30,000円、入学料282,000円、年間授業料535,800円とされています。2028年度の金額を含め、募集要項が公表されたら、出願期間、募集人員、選考方法、研究計画書の形式、指導教員の指定方法などに変更がないかを確認し、それまで進めてきた準備を調整しましょう。


一橋大学大学院の入試日程、出願期間、試験内容、出願資格、必要書類などは年度や研究科、専攻、入試区分によって変更される場合があります。受験を検討する際は、必ず一橋大学の公式サイトおよび受験する研究科の対象年度の最新の募集要項をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。