一橋大学大学院経済学研究科の入試の仕組みを具体的に知る

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一橋大学大学院経済学研究科への進学を考える際は、まず修士課程のコース構成と入試の仕組みを正しく把握することが大切です。修士課程には研究者養成コースと修士専修コースがあり、修士専修コースには複数のプログラムが設けられています。また、選考では筆記による専門科目試験ではなく、研究計画書や英語外部試験の成績、口述試験などが用いられます。

この記事では、直近で確認できた令和8年度(2026年度入学)の秋季入試を中心に、コースの違い、出願日程、提出書類、研究計画書や英語の準備、口述試験までの流れを整理します。


研究者養成コースと修士専修コースの違い

一橋大学大学院経済学研究科の修士課程は、研究者養成コースと修士専修コースの二つで構成されています。研究者養成コースは博士後期課程への進学を前提として研究者を目指すコースです。一方、修士専修コースは、経済学の専門性を身につけ、修士課程での学びをその後のキャリアなどにつなげていくことを想定したコースです。

修士専修コースには、公共政策プログラム、統計・ファイナンスプログラム、地域研究プログラム、医療経済プログラムという四つのプログラムがあります。自分の研究関心が経済学のどの領域にあるのかを考えながら、コースやプログラムを確認しておくことが重要です。

募集人員は、研究者養成コースと修士専修コースを合わせて82名で、春季入試・内部進学試験を含む総数とされています。コースやプログラムごとの募集人員の内訳は公表されていません。そのため、単純に募集人数だけで志望するコースやプログラムを決めるのではなく、自分が大学院で何を研究したいのかを軸に検討しましょう。


秋季入試・春季入試・内部進学試験がある

入試には秋季入試(一般選抜)のほか、春季入試、内部進学試験があります。募集要項には「社会人選抜」「外国人留学生選抜」という名称の独立した区分は設けられていません。社会人や外国籍の方が出願を検討する場合も、自分が対象となる入試の出願資格や条件を募集要項で確認する必要があります。

直近で確認できた令和8年度(2026年度入学)の秋季入試では、WEB出願登録が2025年6月23日から7月11日まで、郵送による出願は2025年7月7日から7月11日必着でした。一次合格発表は8月27日、口述試験は9月4日または5日、二次合格発表は9月11日という日程です。

WEB上での登録期間と郵送書類の受付期間が同じではない点にも注意が必要です。締切直前になって必要書類を集め始めるのではなく、募集要項が公開された段階で、WEBで行う手続きと郵送が必要な書類を分けて確認しておきましょう。春季入試や内部進学試験は秋季入試とは日程が異なるため、それぞれ対象となる募集要項を確認する必要があります。


一次選考は研究計画書や英語スコアを含む書類審査

選考は二段階で行われます。一次選考では、成績証明書、推薦書、研究計画書、TOEFLまたはTOEICの成績などを用いた書類審査によって総合的に判定されます。二次選考では、研究計画書およびそれに関連する経済学分野について、日本語による口述試験が行われます。

提出書類としては、入学志願票、卒業(見込)証明書、成績証明書、TOEFLまたはTOEICの成績証明書、研究計画書、身分証明書、検定料収納証明書、出身大学等の指導教員などが作成する推薦書が求められます。自分だけで作成できる書類と、大学や推薦者への依頼が必要な書類を分け、余裕を持って準備することが大切です。

特に推薦書は自分一人では完成できないため、出願直前の依頼は避けたいところです。研究計画の方向性を整理したうえで、誰に推薦書を依頼するのかを考え、提出期限から逆算して相談する必要があります。


TOEFLまたはTOEICのスコアも早めに準備する

令和8年度秋季入試では、2023年10月以降に実施されたTOEFL iBTまたはTOEIC L&Rの成績証明書の提出が必須とされています。ただし、英語圏の学位取得者については免除される場合があります。また、公式FAQでは英語外部試験について最低点は設定していないとされています。

最低点が設定されていないからといって、英語対策を後回しにするのは避けたいところです。英語スコアは一次選考で用いられる資料の一つであり、受験日程も自分で確保する必要があります。まず現在提出できるスコアがあるか、有効な受験時期の条件を満たしているかを確認しましょう。

これからTOEFLまたはTOEICを受験する場合は、研究計画書の作成と並行して受験日を決めます。思うような結果が出なかった場合に再受験する可能性まで考え、出願直前の一回だけに頼らないスケジュールを組んでおくと準備を進めやすくなります。


研究計画書から口述試験までを一つの対策として考える

経済学研究科の入試では、研究計画書を提出して終わりではありません。一次選考を通過すると、研究計画書と関連する経済学分野について口述試験が行われます。そのため、研究計画書を作成する段階から、「この内容について質問されたらどう答えるか」を意識しておくことが重要です。

研究計画を考える際は、まず自分が経済学のどのような問題に関心を持っているのかを明確にします。そのうえで関連する先行研究を調べ、すでに分かっていることと、自分がさらに明らかにしたいことを整理します。研究目的だけではなく、なぜそのテーマを研究する必要があるのか、どのような方法で研究するのかまで説明できる状態を目指しましょう。

口述試験に向けては、研究計画書を丸暗記するのではなく、研究テーマを選んだ理由、研究目的、関連する経済学の知識について、自分の言葉で説明する練習をします。提出後に研究計画書を読み返し、想定される質問を書き出して回答を考えておくと、具体的な面接対策につながります。


出願前の指導教員への連絡は必須ではない

経済学研究科のFAQでは、出願前に指導教員へ連絡する必要は特にないとされています。ゼミの選考については、入学後に希望する研究室へ申請する流れとされています。そのため、他の研究科で事前連絡が必要とされているケースを、そのまま経済学研究科に当てはめないようにしましょう。

出願前は、教員への連絡そのものよりも、自分の研究テーマを具体化し、研究計画書と英語スコア、推薦書などの提出書類をそろえることを優先します。検定料は30,000円、入学料は282,000円、年間授業料は535,800円です。受験費用だけでなく、合格後に必要となる費用についてもあわせて確認しておくと、進学後まで見据えた準備ができます。


出願期限から逆算して準備を始める

秋季入試を目指す場合は、まず自分が研究者養成コースと修士専修コースのどちらを志望するのかを考え、修士専修コースであれば四つのプログラムも確認します。次に研究テーマを具体化し、先行研究を読みながら研究計画書の下書きを進めます。同時にTOEFLまたはTOEICの受験日を確保し、推薦書や証明書など第三者への依頼が必要な書類も準備していきます。

出願後は一次合格発表まで待つだけではなく、研究計画書をもとに口述試験対策を進めましょう。研究内容を短時間で説明する練習を行い、研究テーマに関連する経済学の基礎知識も確認します。まずは対象年度の募集要項を入手し、「出願資格」「必要書類」「英語外部試験」「研究計画書」「口述試験」の五つを確認するところから始めると、準備すべきことを整理しやすくなります。


一橋大学大学院の入試日程、出願期間、試験内容、出願資格、必要書類などは年度や研究科、専攻、入試区分によって変更される場合があります。受験を検討する際は、必ず一橋大学の公式サイトおよび受験する研究科の対象年度の最新の募集要項をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。