
- 1. 法政理論専攻には2つのコースがある
- 2. 法科大学院とは目的が異なる
- 3. 2027年度入試は7月出願、9月筆答試験
- 4. 2028年度入試を目指すなら春までに研究分野を決める
- 5. 研究者養成コースの筆答試験を確認する
- 6. 専門科目は基本書を「説明できる状態」まで読む
- 7. 外国語は法学・政治学の文献を使って対策する
- 8. 研究者養成コースには論文試験という選択肢もある
- 9. 先端法務コースは実務と研究の接点を考える
- 10. 2,000字程度の研究計画書は問いを絞ることが重要
- 11. 推薦書など第三者に依頼する書類は早めに準備する
- 12. 過去問は大学院掛での閲覧方法を確認する
- 13. 口述試験では研究計画書の弱点まで説明できるようにする
- 14. 今から始めるなら研究志望科目を決める
京都大学大学院法学研究科法政理論専攻の修士課程入試|研究者養成コースと先端法務コース
院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。
京都大学大学院法学研究科法政理論専攻の修士課程には、研究者養成コースと先端法務コースが設けられています。同じ法政理論専攻でも、研究者を目指す人と、企業法務などの高度な専門知識を学びたい人では、コースの目的や入試の内容が異なります。
また、法学研究科の入試では、研究志望科目の選択が筆答試験だけでなく、研究計画書や口述試験にもつながります。研究者養成コースの一部分野では研究論文を審査する方法もあるため、自分がどの方式で受験するのかを早い段階で決めることが重要です。
この記事では、2027年度入試などの情報をもとに、京都大学大学院法学研究科法政理論専攻の2つのコースの違い、試験科目、研究計画書、論文試験、過去問、口述試験まで、受験準備の進め方を具体的に解説します。
法政理論専攻には2つのコースがある

法政理論専攻の修士課程には、研究者養成コースと先端法務コースがあります。2027年度入試では、研究者養成コースの募集人員が15名、先端法務コースが6名でした。
研究者養成コースは、法学や政治学について本格的に研究し、修士課程から博士後期課程へ進んで研究者を目指す人などを想定したコースです。法律や政治について学ぶだけではなく、先行研究を検討し、自分自身で研究上の問いを立て、論文として成果をまとめていくことになります。
一方、先端法務コースは、企業などで法務に従事する職業人や弁護士を含む実務家、企業法務などに関心を持つ学部卒業生、外国人留学生などを対象としています。
先端法務コースには社会人を対象とする選考区分もあり、会社、法律事務所、官公庁などで働きながら学ぶことを考えている人にとっても選択肢になります。実際の出願資格については年度ごとの募集要項で確認してください。
法科大学院とは目的が異なる
法学研究科への進学を考える際に整理しておきたいのが、法政理論専攻と法曹養成専攻、いわゆる法科大学院との違いです。
裁判官、検察官、弁護士などの法曹を目指して法科大学院へ進学する場合と、法学・政治学を研究するために法政理論専攻へ進学する場合では、大学院で学ぶ目的が異なります。
「京都大学で法律を学びたい」という理由だけで進学先を決めるのではなく、自分が将来、研究者として研究を続けたいのか、法曹資格取得を目指すのか、企業法務などの実務に専門知識を生かしたいのかを整理しておきましょう。
特に研究者養成コースでは、研究計画書の作成や研究志望科目の選択が必要になるため、出願段階で自分の研究分野がある程度明確になっていることが重要です。
2027年度入試は7月出願、9月筆答試験
2027年度入試では、研究者養成コースと先端法務コースの出願期間が2026年7月15日から7月22日午後5時までとされていました。
筆答試験は9月1日に実施され、口述試験・口頭試問は10月8日、9日、10日のいずれかの日程で行われました。合格発表は10月23日です。
この日程から分かるのは、募集要項を見てから研究テーマを考え始めるのでは遅いということです。7月に出願するためには、春の段階から研究計画書の準備を進めておく必要があります。
また、筆答試験から口述試験までは1か月以上あります。この期間は、筆答試験が終わって安心する時期ではなく、研究計画書を読み直し、口述試験の想定問答を作る重要な準備期間です。
2028年度入試を目指すなら春までに研究分野を決める
2028年度入試を目指す場合、実際の日程は最新の募集要項で確認する必要がありますが、過年度のスケジュールを参考に準備を進めることはできます。
まず冬から翌年3月ごろまでに、研究したい分野と研究志望科目を絞り込みます。法学や政治学の基本書を読み直しながら、自分が大学院で何を研究したいのかを整理します。
4月から5月には研究計画書の初稿を作り、関連する先行研究を追加で読みます。第三者に研究計画書を読んでもらえる環境があれば、この時期から修正を重ねておくとよいでしょう。
6月には研究計画書を仕上げ、推薦書など第三者に作成を依頼する書類が必要な場合は余裕を持って依頼します。7月の出願後は筆答試験対策に比重を移し、9月の筆答試験後には口述試験の準備を本格化させる流れが考えられます。
研究者養成コースの筆答試験を確認する

研究者養成コースでは、外国語と専門科目を組み合わせた学科試験が行われます。
2027年度入試では、外国語科目1科目、専門科目①として研究志望科目1科目、専門科目②としてそれ以外の専門科目1科目という構成でした。外国語については、英語、ドイツ語、フランス語から選択する方式が採られていました。
専門科目については、基礎法学、公法、民刑事法、政治学などの分野から、自分の研究分野や受験方式に合わせて選択します。
ここで重要なのが「研究志望科目」です。単に点数を取りやすそうな科目を選ぶのではなく、大学院で研究したい内容との関係を考える必要があります。
研究志望科目は筆答試験だけで完結するものではなく、研究計画書や入学後の研究にも関係します。まず自分の研究テーマを考え、それに対応する研究志望科目を確認するという順番で準備すると整理しやすくなります。
専門科目は基本書を「説明できる状態」まで読む
法学や政治学の専門科目対策では、基本書を読むだけではなく、答案として書ける状態にすることが重要です。
たとえば法律学であれば、制度や条文を知っているだけでなく、その制度がなぜ設けられているのか、どのような論点や学説があるのかを整理します。政治学であれば、重要な概念や理論について、研究者や議論の背景も含めて説明できるようにしておきたいところです。
基本書を一章読んだら、本を閉じて内容を説明してみましょう。重要なテーマについて400字程度で説明し、さらに過去問のような論述問題について800字以上で答案を書く練習へ進みます。
試験が近づいたら、本番と同じ時間を設定して答案を書きます。知識はあっても時間内に論点を整理できないことがあるため、「知っている」状態から「時間内に書ける」状態へ移すことが必要です。
外国語は法学・政治学の文献を使って対策する
研究者養成コースで外国語を受験する場合には、一般的な語彙や文法だけでなく、法学や政治学の学術的な文章に慣れておくことが大切です。
法律や政治に関する英文では、日常英語ではあまり使わない専門用語が多く登場します。また、一文が長く、抽象的な議論が続くこともあります。
自分の研究分野に関係する外国語の論文を読み、一段落ずつ正確に訳す練習をしましょう。単語の意味だけでなく、主語と述語、修飾関係、論理のつながりまで確認します。
研究テーマに関係する外国語文献を使えば、入試の外国語対策をしながら研究計画書に必要な先行研究を読むこともできます。受験勉強と研究準備を完全に分けず、重なる部分を活用すると効率的です。
研究者養成コースには論文試験という選択肢もある
研究者養成コースでは、分野によって通常の筆答試験とは異なる選考方法が設けられる場合があります。
基礎法学分野や政治学分野では、過年度の入試において研究論文を提出して審査を受ける論文試験が設けられています。提出する研究論文は40,000字程度とされるなど、本格的な内容が求められます。
40,000字程度の論文は、出願直前の数週間で準備できる分量ではありません。すでに卒業論文などで関連する研究を行っている場合は、その内容を発展させられるかを検討します。
新たに論文を作成する場合には、研究テーマの設定、先行研究の収集、資料の分析、執筆、修正までを考えると、かなり早い段階から準備する必要があります。
また、過年度には京都大学法学部の学生を対象として、一定の専門科目の単位修得などを条件とする書類選考が設けられた例もあります。利用できる選考方法や対象者は年度によって異なる可能性があるため、必ず受験年度の募集要項を確認してください。
先端法務コースは実務と研究の接点を考える

先端法務コースでは、企業法務などの実務に関わる職業人や、実務的な法律問題に関心を持つ人などが対象になります。
2027年度入試では、筆答試験について研究志望科目と、外国語または専門科目を組み合わせる方式が採られていました。
社会人が受験する場合、現在の仕事で扱っている法律問題を研究テーマの出発点にすることも考えられます。たとえば企業で契約やコンプライアンスに関わっている場合、実務の中で感じた制度上の課題から研究上の問いを考えることができます。
ただし、「仕事で困っているから解決策を知りたい」というだけでは、大学院の研究としては十分ではありません。その問題についてどのような法律や判例、学説、先行研究があり、何を検討する必要があるのかを整理する必要があります。
実務経験を研究テーマのきっかけとして使いながら、それを法学的な問いへ置き換えていくことがポイントです。
2,000字程度の研究計画書は問いを絞ることが重要
法政理論専攻では、出願時に研究計画書が求められます。過年度には2,000字程度という指定が設けられています。
2,000字程度では、自分が調べたことをすべて書くことはできません。そのため、「何を研究したいのか」を明確に絞る必要があります。
基本的には、研究テーマと背景、研究上の問い、先行研究と課題、研究方法、研究の意義という流れで整理すると書きやすくなります。
最初の下書きでは、各項目について400~500字程度を書き出してみても構いません。その後、研究計画書全体を読みながら重要度の低い部分を削り、問いと方法が伝わるように調整します。
特に法学分野では、「○○法について研究したい」と分野だけを書くのではなく、「どの制度の、どの論点を、どのような資料や判例などを使って検討するのか」まで具体化しましょう。
推薦書など第三者に依頼する書類は早めに準備する
出願区分によっては、研究計画書以外にも推薦書などの書類が必要になります。
推薦書のように自分一人では完成できない書類は、出願直前になって依頼するのを避けましょう。大学の教員や勤務先の関係者などへ依頼する場合、相手にも作成する時間が必要です。
目安としては、出願期限の1か月以上前には依頼できるようにしておくと安心です。その際には、受験する大学院・コース、提出期限、提出方法などを分かりやすく伝えます。
自分の研究計画や志望理由を簡潔にまとめた資料も用意しておくと、推薦者が内容を理解しやすくなります。
過去問は大学院掛での閲覧方法を確認する
法学研究科の筆答試験対策では、過去問を早めに確認することが重要です。過去の入試問題については、法学研究科大学院掛での閲覧が案内されています。
窓口で閲覧する場合は、受付時間や利用方法を事前に確認しましょう。過年度には午前と午後に受付時間が設定されていましたが、最新の案内を確認してから訪問してください。
京都まで行く必要がある場合には、何となく過去問を見るのではなく、「研究志望科目の過去3~5年分」「第二の専門科目候補」など、確認したい問題を事前に整理しておきましょう。
過去問を見る際には、出題されたテーマだけでなく、問題数、選択方式、答案に必要な知識の深さなどを分析します。それをもとに、基本書のどこを重点的に勉強するのかを決めると効率的です。
口述試験では研究計画書の弱点まで説明できるようにする
筆答試験を通過したあとも、口述試験・口頭試問に向けた準備が必要です。
まず、「研究テーマは何か」「なぜその問題を研究したいのか」「先行研究とどこが違うのか」「どのような資料や方法を使うのか」といった基本的な質問への答えを準備します。
さらに、「その研究は修士課程で終えられるのか」「その判例や資料を選ぶ理由は何か」「反対の立場からはどのような議論が考えられるか」といった質問も想定しておきましょう。
法学や政治学では、一つの問題について複数の立場が存在することがあります。自分の考えだけを主張するのではなく、異なる立場を理解したうえで、自分が何を検討したいのかを説明できることが重要です。
研究計画書を提出したあとも関連文献を読み続け、口述試験までに研究内容を深めておきましょう。
今から始めるなら研究志望科目を決める
京都大学大学院法学研究科法政理論専攻を目指す場合、最初に取り組みたいのが研究分野と研究志望科目の整理です。
まず、自分が大学院で研究したい問題を100~200字程度で書き出してみましょう。そのテーマが基礎法学、公法、民刑事法、政治学などのどの分野に位置づくのかを確認し、研究志望科目を検討します。
次に、その分野の基本書を1冊選び、体系的に読み直します。同時に、自分の研究テーマに関係する論文を集め、研究計画書の材料となる先行研究を整理します。
研究者養成コースを目指すのであれば、外国語対策も早めに始めましょう。論文試験を検討する場合には、さらに早い段階から研究論文の準備が必要です。先端法務コースを目指す社会人は、実務上の経験をそのまま書くのではなく、どのような研究上の問いに置き換えられるかを考えてみてください。
法政理論専攻の入試では、研究志望科目、研究計画書、専門科目、外国語、口述試験がそれぞれ独立しているわけではありません。自分が何を研究したいのかという軸を最初に作り、そこから各試験の準備をつなげていくことが大切です。
志樹舎では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。院試受験でお困りの方は、無料相談にお気軽にお申し込みください。
※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
※この記事で紹介した募集人員、出願期間、試験科目、研究計画書の分量、論文試験、書類選考、過去問の閲覧方法などには過年度の情報が含まれています。入試制度は年度によって変更される場合がありますので、出願の際は必ず京都大学大学院法学研究科の公式サイトと、対象年度の最新の募集要項を確認してください。
志樹舎
では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
研究計画書から志望理由書・小論文・面接・プレゼン対策まで、どこから手を付けるべきか個別にアドバイスします。
多くの受験生が「もっと早く相談すればよかった」と話されます。
「何から始めればいいか分からない」
「この研究テーマで通用するか不安」
そんな院試受験で迷いや不安がある方は、今すぐ
無料相談
にお申込みください。
※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。



