一橋大学国際企業戦略専攻(一橋ICS)DBAの入試を具体的に知る

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DBAは、一橋大学大学院経営管理研究科の国際企業戦略専攻(一橋ICS)に設けられた、実務経験を生かしながら博士レベルの研究に取り組む課程です。同じ国際企業戦略専攻にはフルタイムMBAもありますが、DBAでは修士号またはMBA以上の学位に加え、高い英語力や研究提案書が求められるなど、出願条件が大きく異なります。

この記事では、2027年度入学について、DBAの出願資格、TOEFL・IELTSやGMAT・GREの基準、Round 1・Round 2の日程、研究提案書や事前相談など、受験準備で押さえておきたいポイントを具体的に整理します。


修士号またはMBAと2年以上の実務経験が必要

DBAへの出願には、修士号またはMBA以上の学位を持っていることに加え、2年以上のフルタイム実務経験が求められます。さらに研究提案書の提出も必要です。そのため、学位や実務経験という形式的な条件を確認するだけでなく、博士課程で取り組みたい研究テーマを出願までに具体化しておく必要があります。

特に重要なのが、これまでの実務経験と研究テーマをどのようにつなげるかです。仕事の中で感じた疑問や課題をそのまま研究テーマにするのではなく、「何を明らかにしたいのか」「なぜその問題を研究する必要があるのか」「既存の研究とどのような関係があるのか」という段階まで掘り下げて考えることが、研究提案書を準備する出発点になります。

実務経験が豊富であっても、それだけで研究計画が完成するわけではありません。反対に、研究上の関心だけを述べても、DBAを志望する自分自身の経験とのつながりが見えにくくなります。これまでのキャリア、現在抱えている問題意識、博士課程で行いたい研究を一つの流れとして整理しておきましょう。


TOEFL・IELTSとGMAT・GREの基準を確認する

英語力については、TOEFL iBT 109点以上またはIELTS Academic 7.5点以上が求められます。さらに、GMAT 600点以上(Focus版では555点以上)、またはGREで定量160点以上・言語150点以上という基準も示されています。これらのスコアは取得から5年以内のものである必要があります。

同じ一橋ICSでも、フルタイムMBAで案内されているTOEFL iBT 100点またはIELTS 7.0という推奨スコアとは扱いが異なります。DBAについては元原稿で具体的な基準が示されているため、フルタイムMBAの出願条件と混同しないことが重要です。

これからスコアを取得する場合は、研究提案書を作成しながら英語試験やGMAT・GREの対策を進めることになります。現在のスコアと必要な基準との差を確認し、どの試験をいつ受けるのかを決めておきましょう。GMATとGREについては、自分がどちらを利用するかを早めに判断し、出願直前の一度だけに頼らない受験計画を立てることが大切です。


2027年度入学はRound 1とRound 2で選考

2027年度入学の選考は、Round 1とRound 2の二回に分けて実施されます。Round 1の出願期間は2026年9月10日から9月24日までで、1次結果は10月16日、面接は10月28日、最終発表は11月20日です。Round 2は2027年3月11日から3月24日までが出願期間となり、1次結果は4月16日、面接は4月23日、最終発表は5月27日です。

選考では、まず書類選考が行われ、その通過者が20分程度の面接に進みます。そのため、研究提案書をはじめとする出願書類は、面接を受けるための前段階というだけではなく、選考そのものを構成する重要な資料として準備する必要があります。

元原稿に示されている過去の実績では、2024年度から2026年度まで、いずれも募集4名に対して合格4名、入学4名となっています。ただし、この数字だけから入試の難易度や合格可能性を判断することはできません。年度によって出願者数や選考状況が異なる可能性があるため、過去の募集人員や合格者数は参考情報として確認するにとどめましょう。


研究提案書は早い段階から準備する

DBAを目指すうえでは、研究提案書の準備に十分な時間を取ることが重要です。まず、自分の実務経験を振り返り、仕事を通じて継続的に疑問を感じてきたことや、既存の知識だけでは説明しきれないと感じた問題を書き出してみましょう。その中から博士課程で研究する価値があるテーマへと絞り込んでいきます。

次に、そのテーマに関する先行研究を確認します。自分が関心を持っている問題について、すでに何が研究され、何が十分に明らかになっていないのかを整理することで、研究の位置づけが見えやすくなります。そのうえで、研究目的、研究対象、研究方法、期待する成果などを組み立てていくと、研究提案書の骨格を作りやすくなります。

また、研究提案書に書いた内容は、書類選考を通過した後の面接でも説明できるようにしておく必要があります。文章として整えるだけではなく、「なぜこのテーマなのか」「実務経験とどう関係しているのか」「博士課程で何を明らかにしたいのか」を短い言葉でも説明できるよう準備しておきましょう。


研究内容について事前相談が可能

DBAでは、研究内容についての事前相談を原則としていつでも受け付けているとされています。同じ経営管理研究科でも、プログラムによって教員への事前相談の扱いは異なるため、他のプログラムのルールと混同しないようにしましょう。

事前相談を行う場合は、何も決まっていない状態で「何を研究すればよいでしょうか」と尋ねるのではなく、自分なりに研究テーマを整理してから相談することが大切です。これまでの実務経験、研究したいテーマ、そのテーマに関心を持った理由などを簡潔に説明できるようにしておけば、研究の方向性について相談しやすくなります。

一方、面接で問われる内容そのものについて事前に回答してもらうことはできないとされています。事前相談は入試対策の答えを聞くためのものではなく、自分が考えている研究テーマと教員の研究分野との接点を確認する機会として捉えましょう。


Round 1から逆算して準備を進める

Round 1を目指す場合、出願開始は2026年9月10日です。その時点までに研究提案書だけでなく、TOEFL iBT 109点以上またはIELTS Academic 7.5点以上、GMAT 600点以上(Focus版555点以上)またはGREの定量160点以上・言語150点以上という条件を確認し、必要なスコアを準備する必要があります。

まず現在持っている学位、実務経験、英語スコア、GMAT・GREスコアを確認し、出願条件との差を整理しましょう。同時に研究テーマの候補を考え、関連する先行研究を読み始めます。テーマが具体化してきたら研究提案書の骨格を作り、必要に応じて研究内容について事前相談を検討します。出願後は10月16日の1次結果を待つだけではなく、10月28日の面接を想定し、研究内容を口頭で説明する練習を進めておくとよいでしょう。

DBAは、英語やGMAT・GREのスコアだけを準備すればよい入試ではありません。これまでの実務経験を研究上の問いへ発展させ、それを研究提案書と面接で説明できる状態にすることが必要です。まずは出願資格と現在のスコアを確認し、それと並行して「博士課程で何を研究したいのか」を具体的な言葉にするところから準備を始めてみてください。


一橋大学大学院の入試日程、出願期間、試験内容、出願資格、必要書類などは年度や研究科、専攻、入試区分によって変更される場合があります。受験を検討する際は、必ず一橋大学の公式サイトおよび受験する研究科の対象年度の最新の募集要項をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。