一橋大学大学院にはどんな研究科があるのか、全体像を整理する

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一橋大学大学院への進学を考え始めたとき、最初に迷いやすいのが「どの研究科を受験すればよいのか」という点です。一橋大学大学院には複数の研究科があり、さらに研究科の中に専攻やプログラムが設けられています。同じ一橋大学大学院であっても、志望先によって学べる内容だけでなく、出願資格や選抜方法、提出書類などが異なります。

そのため、院試対策を始める前に、まず大学院全体の構成を知り、自分が受験する研究科・専攻・プログラムを絞り込むことが大切です。この記事では、一橋大学大学院の研究科の全体像を整理しながら、志望先を決めるときに何を確認すればよいのか、具体的な準備の進め方まで解説します。


一橋大学大学院を構成する研究科

一橋大学大学院には、経営管理研究科、経済学研究科、法学研究科、社会学研究科、言語社会研究科、国際・公共政策大学院、ソーシャル・データサイエンス研究科があります。一橋大学というと商学や経済学のイメージを持つ方もいるかもしれませんが、実際には法律、社会科学、言語、国際・公共政策、データサイエンスなど、幅広い分野で大学院教育が行われています。

経営管理研究科は一橋ビジネススクールとも呼ばれ、経営管理専攻と国際企業戦略専攻(一橋ICS)の二つの専攻からなります。経営管理専攻には研究者養成コースのほか、経営分析プログラム、経営管理プログラム、金融戦略・経営財務プログラムがあります。国際企業戦略専攻には、英語で行われるフルタイムMBA、パートタイムのエグゼクティブMBA、DBAが設置されています。同じ経営分野を扱っていても、目指す学位や学び方が異なるため、名称だけで判断せず各プログラムの特徴まで確認することが重要です。

法学研究科には法学・国際関係専攻、法務専攻(法科大学院)、ビジネスロー専攻があります。社会学研究科には総合社会科学専攻と地球社会研究専攻、言語社会研究科には第1部門(人文総合)と第2部門(日本語教育学位取得プログラム)があります。また、国際・公共政策大学院には公共法政、グローバル・ガバナンス、公共経済、アジア公共政策という複数のプログラムがあります。

ソーシャル・データサイエンス研究科は2023年に設置された比較的新しい研究科で、博士前期課程と博士後期課程の入試が行われています。このように、一橋大学大学院では研究科だけを確認して終わるのではなく、その先にある専攻やプログラムまで確認することが志望先選びの第一歩になります。


研究科によって入試制度が異なることに注意する

一橋大学大学院の受験を考える際に注意したいのが、研究科や専攻、プログラムが違えば、入試制度も異なるという点です。「一橋大学大学院の入試」と一括りにして情報を集めてしまうと、自分が受験する入試とは異なる情報を参考にしてしまう可能性があります。

たとえば経営管理研究科の中でも、社会人を対象とするプログラムと研究者養成を目的とするコースでは、想定されている受験者や学修の目的が異なります。法学研究科についても、法学・国際関係専攻、法務専攻(法科大学院)、ビジネスロー専攻はそれぞれ別の制度として確認する必要があります。指導教員への事前連絡についても、研究科や専攻によって扱いが異なる可能性があるため、「大学院受験では先生への連絡が必要」といった一般論だけで判断しないことが大切です。

インターネットで入試情報を調べる際も、「一橋大学大学院」という検索だけで終わらせず、「研究科名」「専攻名」「プログラム名」まで含めて確認しましょう。特に出願資格、出願期間、試験日、提出書類、選抜方法は、自分が受験する入試区分の募集要項を基準に整理する必要があります。


自分に合った研究科・専攻をどう選ぶか

志望先を決めるときは、研究科の知名度だけではなく、「大学院で何を学びたいのか」「修了後に何をしたいのか」という二つの視点から考えてみましょう。研究者を目指す場合と、現在の仕事に専門知識を生かしたい場合では、適したコースやプログラムが変わることがあります。

まず、自分が大学院で扱いたいテーマを短い文章で書き出してみるのがおすすめです。たとえば経営分野であっても、企業経営、金融、財務、組織、国際経営など、関心のあるテーマによって検討するプログラムは変わります。法律を学びたい場合も、研究として法律や国際関係を扱いたいのか、法曹を目指すのか、ビジネスに関係する法律を深く学びたいのかによって、確認すべき専攻が変わります。

研究テーマの方向性が見えてきたら、各研究科の公式サイトで教員の研究分野やカリキュラムを確認します。研究計画書が必要な入試であれば、自分が考えているテーマを研究できる環境があるかという視点も欠かせません。興味のある研究科を見つけた段階で決めてしまうのではなく、専攻、プログラム、教員、カリキュラムまで順番に確認すると、志望理由も具体化しやすくなります。


募集要項を確認したら受験準備を逆算する

志望する研究科・専攻・プログラムがある程度決まったら、次に行いたいのが対象年度の募集要項の確認です。まず正式な出願期間と試験日を確認し、そこから準備を逆算します。出願資格を満たしているか、どの書類を提出するのか、研究計画書や志望理由書が必要なのか、語学に関する証明書が求められているのかなどを一つずつ確認しましょう。

特に研究計画書は、提出直前に文章を整えるだけでは十分な内容にしにくい書類です。研究テーマを決めた後に、先行研究を調べ、問題意識を整理し、何をどのような方法で明らかにしたいのかを文章にしていきます。志望理由書がある場合も、「一橋大学だから」という抽象的な理由だけではなく、自分の経験や問題意識と、研究科で学ぶ内容とのつながりを整理しておくことが大切です。

出願が完了した後も準備は続きます。筆記試験や面接、口述試験などがある場合には、募集要項で自分の入試区分の選抜方法を確認し、それに合わせて対策を進めます。研究計画について説明する機会があるのであれば、提出した書類を読み返し、「なぜこのテーマなのか」「何を明らかにしたいのか」「なぜ一橋大学大学院で研究したいのか」を自分の言葉で説明できる状態を目指しましょう。


最初の一歩は志望先の正式名称を確認すること

一橋大学大学院の受験準備では、いきなり研究計画書を書き始めたり、試験勉強を始めたりするのではなく、まず自分が受験する研究科・専攻・プログラムを正確に把握することが重要です。研究科が同じでも、専攻やプログラムによって目的や入試制度が異なるためです。

まだ志望先を決めきれていない方は、まず興味のある研究科を二つ程度まで絞り、それぞれの公式サイトで専攻・プログラム、カリキュラム、教員の研究分野を確認してみてください。そのうえで対象年度の募集要項を開き、出願資格、出願期間、試験日程、試験内容、提出書類を確認します。ここまで整理できれば、研究計画書、語学、専門科目、面接など、自分がこれから準備すべきことが具体的に見えてきます。

一橋大学大学院の入試日程、出願期間、試験内容、出願資格、必要書類などは年度や研究科、専攻、入試区分によって変更される場合があります。受験を検討する際は、必ず一橋大学の公式サイトおよび受験する研究科の対象年度の最新の募集要項をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。