APU大学院の研究環境とは?RCAPSと指導教員制度を解説

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大学院を選ぶ際は、カリキュラムや学費だけでなく、どのような環境で研究を進められるのかも重要です。研究テーマに合う指導教員がいるか、学会発表や研究交流の機会があるかによって、入学後の学び方は大きく変わります。

立命館アジア太平洋大学(APU)大学院には、アジア太平洋地域の研究を支えるRCAPSをはじめ、複数の研究センターや指導教員による研究支援の仕組みがあります。この記事では、RCAPSの役割、AP Conference、研究成果の発信機会、指導教員の探し方などを整理します。


RCAPSは1996年に設立された研究拠点

Ritsumeikan Center for Asia Pacific Studies、通称RCAPSは、1996年7月に設立された研究センターです。アジア太平洋地域が直面するさまざまな課題について研究を進め、研究者同士の交流を促進する役割を担っています。

APU大学院でアジア太平洋地域を対象とした研究を行う学生にとって、RCAPSは学内の研究活動に触れられる重要な存在です。授業や指導教員との研究だけでなく、学内外の研究者によるセミナーなどを通じて、自分の専門分野以外の考え方に触れる機会もあります。

大学院では、自分の研究テーマだけを追いかけていると視野が狭くなりやすいものです。関連する分野の研究者から異なる視点を得ることで、自分の研究の位置づけや不足している論点に気づくこともあります。


AP Conferenceには約20カ国から350人前後が参加

RCAPSが関わる代表的な研究交流の機会のひとつが、年に一度開催されるAP Conferenceです。元原稿では、例年20カ国前後から約350人の研究者が参加するとされています。

国や専門分野の異なる研究者が集まるため、自分の研究成果を発表し、さまざまな立場から意見を受ける機会になります。大学院生にとっては、研究室の中だけで研究を完結させず、外部に向けて自分の考えを説明する経験を積める場でもあります。

研究発表を目指すのであれば、入学後に突然準備を始めるのではなく、研究テーマを決める段階から「誰に何を伝えたいのか」を意識しておくことが大切です。研究計画書を作るときにも、最終的にどのような成果を発信したいのかまで考えておくと、研究の目的が整理しやすくなります。


RCAPS JournalやWorking Paper Seriesで成果を発信できる

研究成果を発信する媒体として、元原稿では査読制のRCAPS Journalと、査読を経ずに研究成果を公表できるWorking Paper Seriesが挙げられています。

大学院で研究を進めるうえでは、修士論文や博士論文を完成させることだけが目的ではありません。研究途中の成果をまとめたり、学外の研究者に読んでもらったりする経験も、研究者としての力を高めることにつながります。

特に博士課程への進学や研究職を考えている場合は、論文執筆や学会発表の実績がその後のキャリアにも関係します。APU大学院を志望する段階で、RCAPS JournalやWorking Paper Seriesにどのような研究が掲載されているのかを確認してみると、APUで行われている研究の傾向を知る手がかりになります。


RCAPS以外にも5つの付属研究センターがある

元原稿では、APUにはRCAPS以外にも5つの付属研究センターがあり、次世代ビジネス創造、民主主義の推進、イスラム問題、観光、インクルーシブリーダーシップなど、多様なテーマを扱っているとされています。

研究センターの活動と自分の研究テーマが重なる場合は、授業とは異なる角度から研究を深めるきっかけになるでしょう。例えば観光・ホスピタリティを研究する学生であれば観光関連の研究活動、政策科学を研究する学生であれば社会制度や民主主義に関する研究活動との接点が考えられます。

研究科の名称だけで志望先を判断するのではなく、大学全体でどのような研究プロジェクトが行われているのかを見ることで、自分に合った研究環境かどうかを判断しやすくなります。


指導教員のもとで研究を深める

APU大学院では、セミナー科目やDirected Readingなどを通じて、指導教員と研究を進める仕組みがあります。少人数で研究について議論する機会があり、自分の研究計画や分析方法についてフィードバックを受けながら内容を深めていきます。

大学院では、テーマを決めただけで研究が進むわけではありません。先行研究の探し方、問いの立て方、調査方法、論文の構成など、研究のさまざまな段階で判断が必要になります。そのため、自分の研究分野に詳しい教員から継続的に助言を受けられることは重要です。

社会人の場合は、実務で感じてきた課題をそのまま研究テーマにするのではなく、学術的な問いへと整理する作業が必要です。指導教員との対話を通じて、「仕事上の悩み」を「研究として検証できる問い」に変えていくことも、大学院での学びのひとつです。


博士課程では出願段階から指導希望教員を検討する

博士課程では、元原稿によると、出願段階からFaculty Supervision Request Formを利用して、指導を希望する教員に打診する仕組みがあります。そのため、博士課程を目指す場合は、研究計画書を作ってから教員を探すのではなく、研究テーマと教員探しを並行して進めることが大切です。

教員を探す際は、プロフィールに書かれた専門分野だけを見るのではなく、最近の研究業績や論文のテーマにも目を通しましょう。「国際関係」「観光」「持続可能な開発」など同じ分野名であっても、実際に研究している対象や方法は教員によって異なります。

自分の研究テーマと近い教員を数名探し、その教員がどのような研究を行っているのかを確認したうえで、希望する指導教員を検討するとよいでしょう。


研究計画書作成前にAPUの研究実績を調べる

APU大学院を志望するのであれば、研究計画書を書き始める前に、RCAPSや教員の研究実績を確認することをおすすめします。Working Paper SeriesやAP Conferenceの過去の発表テーマを見ることで、自分の研究と近いテーマがどのように扱われているのかを知ることができます。

例えば、自分が持続可能な観光を研究したいのであれば、観光だけでなく、環境、地域政策、経済など周辺分野の研究にも目を向けてみましょう。先行研究を調べることで、自分の研究テーマが広すぎるのか、すでに多く研究されているのか、新しい視点を加えられそうなのかが見えてきます。

研究計画書では「APUで研究したい」と書くだけではなく、「この研究環境を使って、どのような研究を進めたいのか」を説明できる状態を目指しましょう。


出願前に研究環境と指導教員をセットで確認しよう

大学院選びでは、大学名やカリキュラムだけでなく、自分の研究を実際に進められる環境があるかを確認することが重要です。APU大学院には、1996年7月設立のRCAPS、約20カ国から350人前後が参加するAP Conference、RCAPS JournalやWorking Paper Seriesなど、研究交流と成果発信につながる仕組みがあります。

まずは自分の研究テーマを一文で書き、そのテーマに関連する教員を2人から3人程度探してみましょう。次に、その教員の研究業績、RCAPSの研究活動、関連する研究センターを確認すると、APUで研究するイメージが具体的になります。

説明会や個別相談などの機会が用意されている場合は、それらを利用して研究環境について疑問を確認することも有効です。研究テーマ、指導教員、研究環境の3つをセットで考えながら準備を進めることが、入学後のミスマッチを減らし、納得できる大学院選びにつながります。


入試日程、出願期間、試験内容、必要書類、研究センターの活動内容、学会・研究発表の機会、指導教員制度、Faculty Supervision Request Formの利用方法などは変更される場合があります。出願を検討する際は、必ず立命館アジア太平洋大学(APU)大学院の公式サイトおよび対象年度の最新の募集要項・教員情報をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。