
APU大学院とは?立命館アジア太平洋大学大学院の特色と魅力
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今回のテーマは、立命館アジア太平洋大学(APU)の大学院です。APUは大分県別府市にキャンパスを構え、2000年の開学以来、世界166の国と地域から学生を受け入れてきた実績があります。現在も約106の国と地域から集まった約2,800人の国際学生が在籍しており、日本国内でも特に国際色の豊かな大学として知られています。
大学院への進学を検討している方にとって気になるのは、「ほかの大学院と何が違うのか」「どのような環境で研究できるのか」という点ではないでしょうか。この記事では、APUのキャンパス環境から大学院で学べる内容、進学先として考える際のポイントまで整理して紹介します。
APUの大きな特色は多文化環境にある

APUの特徴を理解するうえで、まず押さえておきたいのがキャンパスの国際性です。学生数はおよそ5,976人で、そのうち国際学生の比率は46.5%にのぼります。日本人学生と国際学生がほぼ半数ずつ在籍する環境のため、海外に留学しなくても、日常的に異なる文化や価値観に触れる機会があります。
教員の構成も国際的です。専任教員のおよそ2人に1人が外国籍で、多様な国籍や専門分野を持つ教員から指導を受けられます。また、大学全体として日本語と英語の2言語を重視しており、授業のおよそ9割が日本語と英語の両方で開講されています。文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援事業」に採択された実績もあり、国際化を軸とした教育環境が長年にわたって整備されてきました。
こうした環境は、単に英語を使う機会が多いというだけではありません。授業や研究活動の中で、自分とは異なる社会的・文化的背景を持つ人と意見を交わすことになります。国際関係や地域研究、開発、観光、経営などを研究したい方にとって、研究対象となる課題を身近な環境から考えられることもAPUならではの魅力です。
学生寮や海外ネットワークも国際的な学びを支える

APUには「APハウス」と呼ばれる学生寮があります。日本人学生と国際学生が同じ環境で生活する混住型の寮で、大学院生についてもAPハウス3またはAPハウス4のいずれかの部屋への入居が保証されています。授業だけでなく生活の中でもさまざまな文化に触れられるため、研究活動とは違った形で国際的なコミュニケーションを経験できます。
海外大学とのネットワークもAPUの特色です。77の国と地域にある486の大学と協定を結んでおり、国際的な教育・研究ネットワークが形成されています。学部では海外留学プログラムが活発に行われていますが、大学院でも国際学会への参加や海外でのフィールド調査など、研究テーマに応じて国境を越えた学びにつなげられる可能性があります。
大学院選びでは、研究科名や入試科目だけを比較してしまいがちですが、「どのような環境で2年間、あるいはそれ以上研究するのか」も重要です。特に海外や国際社会に関係するテーマを研究したい場合は、日常的に多様な背景を持つ学生や研究者と交流できる環境そのものが研究のヒントになることがあります。
APU大学院ではどのような研究ができるのか
APUの大学院には、アジア太平洋研究科の修士課程・博士課程と、経営管理研究科のMBA課程があります。いずれも授業は英語で行われ、入学後のガイダンスや事務手続きについても英語で対応できる環境が整っています。そのため、APU大学院を志望する場合は、入試を突破するためだけではなく、入学後に英語で専門分野を学び、議論し、研究を進めることまで考えて準備する必要があります。
アジア太平洋研究科では、国際関係、政策科学、持続可能な開発と環境、観光・ホスピタリティ、開発経済学など、アジア太平洋地域が抱えるさまざまな課題を研究できます。一方、経営管理研究科のMBAでは、マーケティング、ファイナンス、リーダーシップ、テクノロジー経営など、企業や組織の経営に関係する分野を学ぶことができます。
少人数のセミナー形式で学ぶ機会が多く、教員の指導を受けながら研究を深めていくことも特徴です。大学院入試を考える段階では、「国際的なことを研究したい」といった広いテーマのままにせず、自分がどの地域の、どのような問題を、どの視点から研究したいのかまで具体化しておくと、研究計画を考えやすくなります。
国際的な研究交流を支えるRCAPS
研究環境という点では、1996年に設立されたRitsumeikan Center for Asia Pacific Studies(RCAPS)も注目したい存在です。アジア太平洋地域に関する学際的な研究を進める拠点であり、大学院での研究活動にもつながる国際的な研究交流の場となっています。
年に一度開催されるAP Conferenceには、20カ国前後から約350人の研究者が集まるなど、幅広い分野の研究者が交流しています。大学院では、自分の研究室やゼミの中だけで研究を完結させるのではなく、研究成果を発表し、ほかの研究者から意見をもらう経験も重要です。国際的な研究コミュニティに触れられる環境は、博士課程への進学や研究者としてのキャリアを検討している方にとっても確認しておきたいポイントでしょう。
大学生・社会人がAPU大学院を検討する際のポイント

大学生の場合、国際関係、地域研究、開発学などを学部で学んできた方であれば、その専門性をさらに深める進学先としてAPU大学院を検討できます。一方で、学部時代とは異なるテーマに挑戦したい場合は、これまでの学びと大学院で研究したいテーマをどのようにつなげるのかを整理することが重要です。
社会人の場合は、経営管理研究科のMBAが選択肢のひとつになります。これまでの実務経験を振り返り、「仕事の中でどのような問題意識を持ったのか」「MBAで何を学び、それを将来のキャリアにどう生かしたいのか」を言葉にしておくことが大切です。単にMBAを取得したいという理由だけではなく、自分の経験と進学目的を結びつけて考えてみましょう。
APU全体の就職決定率は97.3%以上とされ、国連関連機関で働く卒業生もこれまでに30名近く輩出しています。海外大学院とは異なり、日本国内で生活しながら英語を中心とした国際的な教育環境に身を置けることも特徴です。海外進学に伴うビザや渡航などの負担を避けながら、国際的な環境で大学院教育を受けたい方にとっては、比較対象に入れておきたい大学院といえます。
APU大学院を目指すなら今から何を準備するべきか
APU大学院に興味を持ったら、まず行いたいのは、自分が希望する研究科と研究分野を明確にすることです。アジア太平洋研究科で研究を行いたいのか、経営管理研究科でMBAを取得したいのかによって、進学目的も準備すべき内容も変わります。研究科の公式情報を確認しながら、自分の問題意識に近い研究分野や教員を探してみましょう。
アジア太平洋研究科を検討する場合は、研究したいテーマについて関連する論文や書籍を読み、「何が問題なのか」「これまで何が明らかになっているのか」「自分は何を明らかにしたいのか」を整理していくことが研究計画を作る第一歩です。MBAを検討する社会人であれば、自分の実務経験や今後のキャリアを振り返り、なぜ今大学院で経営を学ぶ必要があるのかを具体化してみてください。
また、授業が英語で行われる大学院だからこそ、英語の準備も早めに始めておきたいところです。募集要項を確認するだけで終わらせず、実際に英語で専門分野の文献を読み、自分の考えを説明できる状態を目指して準備を進めることが大切です。研究科、研究テーマ、指導を受けたい教員、英語力という4つの観点から現在の状況を整理すると、これから取り組むべきことが見えやすくなります。
入試日程、出願期間、試験内容、必要書類、研究科・プログラムの内容、各種制度などは変更される場合があります。出願を検討する際は、必ず立命館アジア太平洋大学(APU)の公式サイトおよび対象年度の最新の募集要項をご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。



