筑波大学大学院の学費はいくら?免除制度・長期履修・TA・奨学金を解説

「筑波大学大学院へ進学したいけれど、学費や生活費を負担できるか不安」「働きながら通う場合、毎年の支払いを抑える方法はあるのだろうか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

大学院進学では、入学料や授業料だけでなく、教材費、交通費、調査費、学会参加費なども必要になります。特に博士課程では研究期間が長くなるため、入学前に資金計画を立てることが重要です。

筑波大学大学院には、入学料・授業料の免除や徴収猶予、長期履修制度、TA、奨学金、博士後期課程向けの支援制度などがあります。

この記事では、筑波大学大学院の学費の目安と、経済的な負担を軽減するために確認したい制度をわかりやすく解説します。


筑波大学大学院の学費の目安

筑波大学大学院への出願から入学後までに必要となる主な費用は、検定料、入学料、授業料です。

標準的な金額の目安は、検定料が30,000円、入学料が282,000円、授業料が年額535,800円です。授業料は通常、4月から9月までの第1期と、10月から翌年3月までの第2期に分けて納付します。各期の金額は267,900円です。

修士課程を標準修業年限の2年間で修了する場合、入学料と2年分の授業料を合わせると、学費は約135万円になります。これに検定料、教材費、交通費などが加わります。

博士後期課程を3年間で修了する場合は、入学料と3年分の授業料を合わせて約189万円が目安です。ただし、筑波大学の修士課程から続けて博士後期課程へ進学する場合など、入学料の扱いが異なる可能性があります。

納付金額は改定されることがあり、専門職学位課程や特定のプログラムでは金額が異なる場合もあります。必ず入学予定年度の案内を確認しましょう。


学費以外に必要となる費用

大学院進学では、大学へ納付する費用以外にも支出があります。

研究に必要な専門書、パソコン、ソフトウェア、印刷費などが必要になるほか、研究分野によっては調査の交通費、実験材料費、学会の年会費や参加費が発生します。

遠方の学会で発表する場合は、交通費や宿泊費も必要です。東京キャンパスへ通う社会人であれば、定期券や夜間授業後の食事代も考えておいた方がよいでしょう。

研究室や学位プログラムから支援を受けられる費用もありますが、すべてが大学負担になるとは限りません。指導教員への事前相談では、研究費の状況や学生が自己負担する費用について確認しておくと安心です。


入学料の免除と徴収猶予

筑波大学には、経済的な理由などにより入学料の納付が難しい学生を対象とした、入学料免除や徴収猶予の制度があります。

入学料免除では、申請者の家計状況や学業成績、特別な事情などを審査したうえで、免除の可否が決定されます。申請すれば必ず免除されるわけではありません。

徴収猶予は、入学料の支払期限を一定期間延ばす制度です。すぐに282,000円を準備することが難しい場合でも、認められれば支払い時期を後ろへ延ばせます。

免除や徴収猶予を申請する場合は、大学の案内を確認する前に入学料を支払わないよう注意が必要です。一度納付した入学料は、後から免除の対象にならない場合があります。


授業料免除制度

授業料免除制度では、経済的な理由によって授業料の納付が難しく、一定の学業基準を満たす学生などを対象に審査が行われます。

審査結果によって、全額免除、一部免除、不許可などが決まります。家計状況だけでなく、学業成績や研究への取り組みなどが確認される場合があります。

申請には、所得を証明する書類、家族構成に関する書類、住民票、在職証明書などが必要になることがあります。社会人の場合は、本人に収入があるため、学生だから自動的に免除されるわけではありません。

申請期間は限られており、期限後の提出が認められない場合もあります。合格後は入学手続きだけでなく、経済支援に関する案内も早めに確認しましょう。


長期履修制度で年間の支払いを抑える

仕事、育児、介護などの事情により、標準修業年限での修了が難しい学生は、長期履修制度を利用できる場合があります。

例えば、標準修業年限が2年の修士課程を3年や4年で履修する計画を立て、大学の許可を受けて計画的に学ぶ制度です。

長期履修が認められた場合、標準修業年限分の授業料を、許可された履修期間に応じて分けて支払う仕組みが採用されることがあります。

年額535,800円の修士課程を通常の2年間で履修する場合、授業料総額の目安は1,071,600円です。これを4年間の長期履修として納付する場合、単純計算では1年あたり267,900円程度になります。

ただし、履修期間の途中で計画を変更する場合や、許可された期間を超えて在籍する場合は、追加の授業料が発生する可能性があります。

長期履修制度は、単なる学費の割引制度ではありません。仕事や家庭の事情を踏まえ、無理のない期間で学位取得を目指すための制度です。


TAで教育経験を積みながら手当を得る

TAは、ティーチング・アシスタントの略称です。大学院生が学部の授業、演習、実験、実習などの補助を行い、担当した業務に応じて手当を受け取ります。

具体的な業務には、授業資料の準備、実験の補助、学生からの質問への対応、レポート整理などがあります。

TAとして働くことで収入を得られるだけでなく、教える経験も積めます。大学教員や研究者を目指す方にとっては、説明する力や学生を指導する力を身につける機会になります。

ただし、希望すれば必ず採用されるわけではありません。募集人数、担当できる科目、指導教員や研究室の方針によって採用状況は異なります。

TAの収入だけで学費や生活費のすべてを賄うことは難しいため、奨学金や貯蓄などと組み合わせて考えましょう。


RAなどの研究補助業務

博士後期課程の学生などは、RAとして研究プロジェクトの補助業務を担当できる場合があります。RAはリサーチ・アシスタントの略称です。

研究データの収集や整理、実験の実施、資料作成などを担当し、業務に応じた給与を受け取ります。

自分の研究分野に近いプロジェクトへ参加できれば、収入を得ながら研究経験を広げられる可能性があります。

一方で、RAの業務と自分の博士論文が直接つながるとは限りません。勤務時間が増えることで自分の研究時間が減る可能性もあるため、業務内容を確認してから応募することが大切です。


日本学生支援機構の奨学金

大学院生は、日本学生支援機構の奨学金へ申し込める場合があります。

代表的なものとして、利子のない第一種奨学金と、利子のある第二種奨学金があります。貸与額や申請条件は課程によって異なります。

奨学金は給付ではなく貸与である場合、修了後に返還する必要があります。毎月いくら借りるのかだけでなく、総額と修了後の返還額まで確認して利用しましょう。

大学院で第一種奨学金の貸与を受け、在学中に特に優れた研究業績を挙げたと認められた場合、返還額の全額または半額が免除される制度もあります。

ただし、第一種奨学金を利用すれば必ず返還免除を受けられるわけではありません。論文、学会発表、研究成果などをもとに選考されます。


博士後期課程向けの経済支援

筑波大学では、博士後期課程の学生が研究へ専念できるよう、生活費相当額や研究費を支援する事業が実施される場合があります。

JSTの次世代研究者挑戦的研究プログラムなどを活用した支援では、選考を通過した博士学生に研究奨励費や研究費が支給されます。

支援額は年度や事業によって異なり、年間数百万円規模となる場合もあります。ただし、対象となる課程、国籍、収入、勤務状況などに条件が設けられることがあります。

社会人として給与を得ている場合や、ほかの奨学金を受けている場合は、応募できない可能性もあります。博士後期課程への進学を検討する方は、入試情報とあわせて支援事業の募集条件を確認しましょう。


民間財団や自治体の奨学金も確認する

大学や日本学生支援機構以外にも、民間財団、地方自治体、企業などが大学院生向けの奨学金を募集しています。

研究分野、出身地域、年齢、国籍などが応募条件になる場合があります。返還不要の給付型奨学金もありますが、募集人数が少なく、選考が行われることが一般的です。

大学を通じて応募する奨学金と、個人で直接応募する奨学金があります。応募期限が入学前に設定されているケースもあるため、合格後ではなく受験準備中から情報を集めておくとよいでしょう。


支援制度を利用するときの注意点

免除、奨学金、TA、博士向け支援は、すべての学生が利用できるとは限りません。採用されることを前提に資金計画を立てると、不採用だった場合に学費や生活費が不足する可能性があります。

入学前には、支援を受けられない場合でも最低限どの程度の費用が必要かを計算しておきましょう。

社会人の場合は、勤務を続けながら通うのか、勤務時間を短縮するのか、休職するのかによって収入が変わります。学費だけでなく、進学によって減少する収入も含めて考える必要があります。

また、TAやRA、奨学金による収入が、税金や扶養、勤務先の副業規定に影響する可能性もあります。必要に応じて勤務先や専門窓口へ確認しましょう。


入学前に資金計画を作ろう

まず、検定料、入学料、授業料、交通費、教材費、研究費など、修了までに必要な費用を一覧にします。

次に、貯蓄、給与、家族からの支援、奨学金、TAなど、利用できる資金を整理します。

修士課程であれば2年間、博士後期課程であれば3年間を基本として、月単位または年単位の収支を計算しましょう。

長期履修を利用する場合は、年間の授業料を抑えられる一方で、通学費や生活上の負担が続く期間は長くなります。総額と毎年の支払額の両方を比較することが大切です。


まとめ

筑波大学大学院の標準的な学費は、検定料30,000円、入学料282,000円、授業料年額535,800円が目安です。

経済的な負担を軽減する制度として、入学料・授業料の免除や徴収猶予、長期履修制度、TA・RA、日本学生支援機構の奨学金、博士後期課程向けの支援事業などがあります。

ただし、免除や奨学金には審査があり、TAやRAにも採用枠があります。利用できることを前提にするのではなく、複数の方法を組み合わせて資金計画を立てましょう。

大学院進学では、研究内容や指導教員との相性だけでなく、修了まで安心して学び続けられる費用計画も重要です。早い段階から制度を調べ、自分の働き方や生活状況に合った支援を検討してください。


※検定料、入学料、授業料、免除制度、長期履修制度、TA・RA、奨学金、博士後期課程向け支援の金額や条件は変更される場合があります。出願・申請前には必ず筑波大学公式サイトと最新の募集要項をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。