筑波大学大学院の英語スコア提出ルールとは?TOEIC・TOEFL・IELTSの扱いと換算方法を解説

筑波大学大学院の受験準備を進める中で、多くの受験生が悩むのが、TOEIC・TOEFL・IELTSなどの外部英語試験です。

「現在持っているスコアは使えるのか」「TOEIC IPテストやTOEFL ITPも提出できるのか」「何点くらい取れば合格に近づけるのか」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

筑波大学大学院では、独自の英語筆記試験を行わず、外部英語試験のスコアによって英語力を評価する学位プログラムがあります。ただし、利用できる試験、スコアの有効期間、提出方法、点数への換算方法は学位プログラムごとに異なります。

この記事では、筑波大学大学院入試における外部英語スコアの基本的なルール、提出時の注意点、換算の考え方、受験までの準備スケジュールを解説します。


筑波大学大学院で利用される主な外部英語試験

筑波大学大学院の入試では、主にTOEIC Listening & Reading Test、TOEFL iBT、IELTS Academicなどが利用されています。

TOEFL iBT Home Editionを利用できる学位プログラムもありますが、認められる試験は志望先によって異なります。TOEICだけを利用できる場合、TOEICとTOEFLから選べる場合、IELTSも含めて選択できる場合などがあります。

そのため、「筑波大学大学院で使える試験」という大きな括りだけで判断してはいけません。必ず自分が志望する研究群・学位プログラムの募集要項を確認してください。

同じ研究群の中でも、学位プログラムや選抜区分、試験時期によって利用できる英語試験が異なる場合があります。


スコアの有効期間はどう決まる?

外部英語試験のスコアには有効期間が設定されています。筑波大学大学院では、試験日や口述試験日から遡って2年以内に受験したスコアを有効とする学位プログラムが多く見られます。

例えば、口述試験が2026年8月20日に実施され、「口述試験日から2年以内」という条件であれば、2024年8月20日以降に受験したスコアが対象になります。

注意したいのは、出願日ではなく、入学試験日や口述試験日を基準にする場合があることです。出願時には2年以内でも、試験日には有効期間を過ぎてしまう可能性があります。

また、募集要項に「2024年7月以降に受験したもの」など、具体的な年月が記載されている場合もあります。その場合は、募集要項に示された期間を優先してください。


TOEICの提出方法

TOEIC Listening & Reading Testを利用する場合は、公式認定証またはデジタル公式認定証を提出します。

デジタル公式認定証を利用する場合は、Web出願時に認定証のURLを入力し、印刷した認定証を提出するよう求められることがあります。QRコードや受験者の写真が確認できる状態で印刷することが大切です。

紙の公式認定証を提出する場合は、原本の提出を求められることがあります。提出した証明書は返却されない場合があるため、必要に応じて自分用の控えを保管しておきましょう。

英語スコア票貼付台紙への貼り付けが必要な学位プログラムもあれば、スコア票をそのまま郵送する学位プログラムもあります。Web出願後にダウンロードできる提出書類を確認し、指定された方法に従ってください。


TOEFL iBTの提出方法

TOEFL iBTでは、受験者用スコア票であるTest Taker Score Reportの提出や、ETSから筑波大学へOfficial Score Reportを直接送付する方法が利用される場合があります。

大学への直送を求められた場合は、ETSの手続き画面で筑波大学のコードを指定します。筑波大学への直送では、Institution Codeとして9995、Department Codeとして99を使用する案内が出される場合があります。

ただし、コードや提出方法は変更される可能性があるため、手続き前に最新の募集要項と外部英語スコアに関する案内を確認してください。

直送手続きを行っても、それだけで提出が完了するとは限りません。受験者用スコア票を印刷し、ほかの出願書類と一緒に提出するよう求められる場合があります。

大学へスコアが届くまでに時間がかかることもあるため、出願締め切りの直前ではなく、数週間以上の余裕を持って手配しましょう。


IELTSの提出方法

IELTSを利用できる学位プログラムでは、一般的にIELTS Academicの公式成績証明書が必要です。

受験者が持っている成績証明書を提出する場合と、試験実施機関から筑波大学へ追加成績証明書を送付する場合があります。電子送付を指定されることもあるため、募集要項の指示を確認してください。

IELTS Academicのペーパー版とコンピューター版は認められていても、IELTS Onlineは対象外となる場合があります。受験を申し込む前に、希望する受験形式が利用できるか確認することが重要です。


TOEIC IPやTOEFL ITPは利用できる?

大学や企業で実施されるTOEIC Institutional Program、いわゆるTOEIC IPテストのスコアは、利用できない学位プログラムがあります。

同様に、団体向けのTOEFL ITPも対象外となる場合があります。TOEIC Speaking & Writing TestsやTOEIC Bridge Testについても、通常のTOEIC Listening & Reading Testとは別の試験であるため注意が必要です。

学内で受験したTOEICであっても、公開テストなのかIPテストなのかによって扱いが異なります。スコア票に「Institutional Program」と記載されている場合は、提出前に利用の可否を確認しましょう。

対象外の試験を提出すると、英語の得点として認められない可能性があります。「英語のスコアなら何でもよい」と考えず、試験の正式名称まで確認してください。


コピーや画面のスクリーンショットは提出できる?

紙の公式認定証を提出する場合、単なるコピーでは認められないことがあります。また、オンライン上のスコア確認画面を印刷しただけの書類や、スマートフォンで撮影した画像も、公式な証明書として認められない可能性があります。

一方、デジタル公式認定証は、大学が指定する手順に従って印刷したものを提出できます。重要なのは、大学が内容の真正性を確認できる公式書類であることです。

提出方法を自己判断せず、「原本」「デジタル公式認定証」「大学直送」「PDF版」のどれが認められているのかを確認しましょう。


英語スコアはどのように換算される?

提出した英語スコアは、学位プログラムが定める方法で入試の得点に換算される場合があります。例えば、英語を100点満点や200点満点として評価し、研究計画書、専門科目、口述試験などの得点と合わせて総合的に合否を判断します。

ただし、筑波大学大学院全体で共通する一つの換算表があるわけではありません。TOEICで何点を満点とするか、TOEFLやIELTSをどのように比較するかは、学位プログラムによって異なります。

一部の募集要項では、満点換算となる基準点や計算方法が公開されています。一方、具体的な換算表が公表されていない学位プログラムもあります。

そのため、「TOEIC850点なら必ず満点」「TOEFL iBT80点なら十分」と一律に判断することはできません。過去の別プログラムの換算基準を、そのまま自分の志望先へ当てはめないよう注意しましょう。


目標スコアはどのように決める?

最初に確認したいのは、志望する学位プログラムが最低点や満点換算の基準を公開しているかどうかです。基準がある場合は、その点数を目標設定の出発点にします。

最低点が示されている場合でも、最低点を超えれば有利になるとは限りません。英語の配点が高い入試では、ほかの受験生との差がつく可能性があります。

例えば、英語が200点、口述試験が400点という配点であれば、英語の結果も合否に影響します。一方、英語が参考資料として使われるだけの選抜では、研究計画や面接対策の優先度が高くなります。

まずは現在の実力を確認するために一度受験し、志望先の配点や換算方法を見ながら、再受験するか判断するとよいでしょう。


外部英語試験はいつ受験するべき?

英語対策は、出願の8か月から1年前に始めると余裕があります。最初の受験では現在の実力を確認し、目標との差を把握します。

出願の6か月から4か月前には、目標スコアの取得を目指しましょう。一度で希望するスコアを取れない場合に備えて、2回から3回受験できる計画を立てることが大切です。

遅くとも出願の2か月前までに利用するスコアを確定できると、デジタル公式認定証の発行や大学への直送手続きを落ち着いて進められます。

試験日だけでなく、申し込み締め切り、結果発表日、公式認定証の発行日も確認してください。出願直前に受験しても、証明書の発行が締め切りに間に合わないことがあります。


提出前に確認したいポイント

提出前には、試験の正式名称、受験日、スコアの有効期間、受験者氏名、顔写真、証明書の形式を確認します。

結婚や改姓などにより、スコア票と出願書類の氏名が異なる場合は、同一人物であることを証明する書類が必要になる可能性があります。

Web出願でスコアを入力しただけでは、正式な提出が完了しない場合もあります。Web入力、URLの登録、証明書の郵送、試験実施機関からの直送など、必要な手続きをすべて終えているか確認しましょう。

英語スコアの提出期限は、通常の出願書類と同じとは限りません。募集要項だけでなく、外部英語試験スコアに関する別紙やお知らせも確認することが重要です。


まとめ

筑波大学大学院では、TOEIC Listening & Reading Test、TOEFL iBT、IELTS Academicなどの外部英語試験を入試に利用する学位プログラムがあります。

ただし、利用できる試験、有効期間、提出方法、換算基準は学位プログラムや選抜区分によって異なります。TOEIC IPやTOEFL ITP、コピーしたスコア票などが認められない場合もあるため注意が必要です。

英語スコアは、試験当日に急いで対策できるものではありません。出願の8か月から1年前に学習と受験を始め、遅くとも2か月前までには提出するスコアを確定させておくと安心です。

高いスコアを目指すことは大切ですが、それ以上に重要なのは、志望先が指定する試験を受験し、正しい方法で期限内に提出することです。募集要項を丁寧に読み、手続きの不備で評価を受けられないことがないよう準備しましょう。


※利用できる英語試験、スコアの有効期間、換算方法、提出書類、大学直送の手続きなどは、年度や学位プログラムによって異なります。出願前には必ず筑波大学公式サイトと最新の募集要項をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。