筑波大学大学院の国際連携専攻・英語プログラムとは?英語で学位を取得する魅力を解説

「日本にいながら、海外大学と連携した環境で研究したい」「英語で修士号や博士号を取得し、将来は国際機関やグローバル企業で活躍したい」と考えている方もいるのではないでしょうか。

筑波大学大学院には、英語を中心に授業や研究指導を受けられる学位プログラムが設けられています。さらに、海外大学と共同で教育課程を運営するジョイント・ディグリー・プログラムや、複数の大学で学位取得を目指すダブル・ディグリー・プログラムなど、国際的な学びの選択肢も充実しています。

ただし、すべての英語プログラムが同じ仕組みではありません。授与される学位、留学の有無、修業年限、英語スコアの条件、事前連絡の必要性などは、プログラムごとに異なります。

この記事では、筑波大学大学院の国際連携専攻や英語プログラムの特徴、代表的なプログラム、受験前に確認したいポイントをわかりやすく解説します。


筑波大学大学院の国際連携・英語プログラムの特徴

筑波大学大学院では、複数の学位プログラムや専攻で英語による教育が行われています。講義だけでなく、研究指導や学位論文の作成、口述試験などを英語で行い、英語を中心に学位取得を目指せるプログラムもあります。

日本語力に不安がある留学生にとって学びやすいだけでなく、英語で研究成果を発表したい日本人学生にとっても魅力的な環境です。海外の研究者と議論する力や、英語で論文を執筆する力を身につける機会にもなります。

ただし、「英語で学べる」と案内されていても、すべての科目が英語で開講されるとは限りません。修了に必要な科目を英語のみで履修できるのか、日本語科目の履修が必要なのかは、各プログラムのカリキュラムを確認する必要があります。


ジョイント・ディグリーとダブル・ディグリーの違い

筑波大学大学院の国際プログラムを調べる際には、ジョイント・ディグリーとダブル・ディグリーの違いを理解しておくことが大切です。

ジョイント・ディグリー・プログラムは、複数の大学が共同で1つの教育課程を編成し、修了者に連名の単一学位を授与する仕組みです。学生は連携する大学の教員から指導を受け、それぞれの大学が持つ研究設備や教育資源を活用します。

一方、ダブル・ディグリー・プログラムは、連携する大学の教育課程を一定の条件で修了し、原則として複数の学位を取得する仕組みです。

名称が似ていますが、授与される学位の数や修了条件は異なります。出願前には、取得できる学位、滞在する国や期間、必要単位数、学費の扱いまで確認しましょう。


国際的な学びを支えるCampus-in-Campus構想

筑波大学は、海外のパートナー大学と教育・研究資源を共有する「Campus-in-Campus構想」を進めています。

この構想では、学生や教員の交流、共同授業、研究活動などを通じて、大学のキャンパス機能を国際的に広げることを目指しています。筑波大学に所属しながら海外大学の教育に触れたり、海外の学生と一緒に学んだりする機会につながります。

英語を学ぶこと自体が目的ではなく、英語を使って専門分野を研究し、異なる背景を持つ研究者と協力できる環境が整えられている点が特徴です。


国際連携食料健康科学専攻 GIP-TRIAD

国際連携食料健康科学専攻は、筑波大学、フランスのボルドー大学、台湾の国立台湾大学が共同で運営する修士課程の国際連携専攻です。

食料と健康の関係を中心に、生命科学、食品科学、健康科学などを横断して学びます。安全で安定した食料供給や、食生活を通じた健康の維持といった地球規模の課題に取り組むことが特徴です。

3大学の教員から指導を受け、国や大学によって異なる研究方法や考え方に触れられます。海外での学修や実践的な活動が含まれる場合もあるため、研究内容だけでなく、移動時期や滞在費用、生活環境も確認しておきましょう。

食品、農学、生命科学、栄養、健康などを学んできた方に加え、食料問題を国際的な視点から研究したい方にも適したプログラムです。


国際連携持続環境科学専攻

国際連携持続環境科学専攻は、筑波大学とマレーシア日本国際工科院が共同で教育を行う国際連携専攻です。

持続可能な社会の実現を目指し、水資源、水環境、自然災害、生態系保全、都市や地域の環境問題などを研究します。理学、農学、工学だけでなく、社会科学の視点も取り入れながら環境課題を考えることが特徴です。

特に、熱帯アジア地域が抱える環境問題を現地の状況と結びつけて学べる点に魅力があります。筑波大学とマレーシア側の教員による共同指導を受けながら、異なる地域や社会条件を比較した研究にも取り組めます。

環境科学や工学の知識を深めたい方だけでなく、防災政策、地域開発、環境行政などに関心がある方も研究テーマを検討できるでしょう。


スポーツ国際開発学共同専攻

スポーツ国際開発学共同専攻は、筑波大学と鹿屋体育大学が共同で設置する修士課程です。英語を中心に教育と研究指導が行われ、スポーツを通じた国際協力や社会開発について学びます。

研究対象は競技力の向上だけではありません。スポーツによる平和構築、青少年教育、健康支援、地域づくり、国際開発など、社会的な課題も扱います。

体育学部やスポーツ科学系の出身者だけでなく、国際関係、教育、開発学などを学んできた方にも関連する分野です。競技経験や指導経験がある場合は、その経験をどのような研究課題へ発展させるのかを整理すると、志望理由を伝えやすくなります。


そのほかの英語で学べるプログラム

筑波大学大学院には、国際連携専攻以外にも、英語を中心に学べるプログラムがあります。

東京キャンパスで開講される国際経営プロフェッショナル専攻は、英語で経営学を学ぶ専門職大学院です。実務経験を持つ社会人が、国際経営やリーダーシップについて学ぶ選択肢になります。

ライフイノベーション学位プログラムでは、生物情報、病態機構、創薬、食料、環境など、生命科学と関連分野を組み合わせた教育が行われています。

また、ヒューマニクス学位プログラムは、生命医科学と理工学・情報学などの異分野を融合する5年一貫制博士課程です。公衆衛生学を英語で学べる教育課程などもあり、医療・健康分野で国際的に活動したい方にも選択肢があります。

英語で学べる範囲や出願条件は年度によって変わる可能性があるため、プログラム名だけで判断せず、最新の履修案内を確認しましょう。


出願前に確認したい英語スコア

英語プログラムでは、TOEFL iBTやIELTSなどの外部英語試験のスコア提出を求められることがあります。プログラムによっては、TOEICなど別の試験を利用できる場合もあります。

注意したいのは、利用できる試験の種類、最低スコア、スコアの有効期限、提出方法がそれぞれ異なることです。スコア票の原本提出が必要な場合や、試験実施団体から大学へ直接送付する場合もあります。

募集要項の公開後に受験を始めると、出願期限までに公式スコアが届かない可能性があります。英語プログラムを検討している方は、少なくとも出願時期の数か月前から受験計画を立てておくと安心です。


志望指導教員への事前連絡

筑波大学大学院の入試では、出願前に志望指導教員へ連絡することが必要、または強く推奨されているプログラムがあります。

事前連絡では、自分の経歴、研究したいテーマ、これまでの学習内容、進学を希望する時期などを簡潔に伝えます。研究計画書の概要や履歴書の添付を求められることもあります。

英語プログラムの場合は、教員への連絡も英語で行うケースが多いため、研究内容を英語で説明できるよう準備しておきましょう。

ただし、教員から返事をもらっただけで合格が決まるわけではありません。事前連絡は、研究テーマが指導可能かを確認するための手続きであり、入試では書類や面接などによる審査を受けます。


安全保障輸出管理に関する手続き

研究分野や出願者の経歴によっては、安全保障輸出管理に関する確認が行われる場合があります。これは、高度な技術や研究情報が適切に管理されるようにするための手続きです。

対象者だけでなく、出願者全員に確認書類の提出を求めるケースもあります。特に、工学、情報、材料、生命科学などの分野を志望する方は、募集要項や出願システムの案内を早めに確認しましょう。

必要書類の提出が遅れると、研究開始や受け入れ手続きに影響する可能性があります。自分には関係がないと判断せず、大学から案内された項目には正確に回答することが大切です。


まとめ

筑波大学大学院には、英語を中心に修士号や博士号の取得を目指せる学位プログラムや、海外大学と共同で運営する国際連携専攻があります。

国際連携食料健康科学専攻、国際連携持続環境科学専攻、スポーツ国際開発学共同専攻などでは、複数の大学や国をまたいだ教育・研究に取り組めます。そのほかにも、経営、生命科学、医療、公衆衛生、異分野融合など、英語で学べる分野は多岐にわたります。

一方で、必要な英語スコア、海外滞在、学費、修業年限、事前連絡の方法はプログラムごとに異なります。国際的なイメージだけで選ぶのではなく、自分の研究テーマや将来の進路と教育内容が合っているかを具体的に確認しましょう。

英語を使って専門性を深め、海外の研究者や学生と協力して研究したい方にとって、筑波大学大学院の国際連携専攻・英語プログラムは有力な選択肢になります。


※国際連携専攻や英語プログラムの内容、授与学位、英語スコア、出願条件、事前連絡の要否などは変更される場合があります。出願前には必ず筑波大学公式サイトと最新の募集要項をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。