慶應義塾大学大学院の修士課程を目指すうえで、最初に理解しておきたいのが入試制度の仕組みです。

大学院入試にはいくつかの方式があり、どの制度で受験するかによって準備の進め方やリスクが変わってきます。

特に慶應では、基本となる一般入試に加えて、一部の研究科で独自の入試制度が設けられています。

この記事では、一般入試の基本と、商学研究科で実施されているAO選抜入試の違いについて、受験生目線でわかりやすく解説します。


すべての基本となる一般入試|まずはここを理解する

慶應義塾大学大学院の文学研究科、経済学研究科、法学研究科、社会学研究科、商学研究科では、修士課程の中心となる入試制度は「一般入試」です。

この一般入試は、出身学部や大学を問わず、出願資格を満たしていれば誰でも受験できる最もスタンダードな方式です。

他大学からの受験生や、分野を変えて挑戦する人も多く、このルートが基本になります。

一般入試の特徴として押さえておきたいのが、「再受験が可能」という点です。

もし一度不合格になってしまっても、翌年以降に再度出願することができます。

そのため、初めて大学院受験に挑戦する方にとっては、リスクを抑えながらチャレンジできる制度と言えます。


商学研究科のAO選抜入試とは|一般入試との違い

商学研究科では、一般入試とは別に「AO選抜入試」という制度が設けられています。

この入試は、筆記試験中心の一般入試とは異なり、これまでの経験や志望動機、研究への意欲などを重視して評価される方式です。

そのため、社会人経験がある方や、明確な問題意識を持っている方にとっては、有利に働く場合もあります。

ただし、評価の観点が異なる分、準備の内容も大きく変わります。

単に知識を身につけるだけではなく、「なぜこの研究をしたいのか」「どのような背景があるのか」を言語化できるかが重要になります。


最大の違いは再受験ルール|AOは1回きりのチャンス

一般入試とAO選抜入試の最も大きな違いは、「不合格後に再受験できるかどうか」です。

一般入試の場合は、仮に不合格となっても、翌年度以降に再度受験することが可能です。

一方で、商学研究科のAO選抜入試では、2018年度入試以降、「2回以上の出願」が認められていません。

つまり、AO選抜入試は一度しか受験できない制度となっています。

このルールは非常に重要で、準備が不十分なまま出願してしまうと、その後同じ方式で再挑戦することができません。

そのため、AO選抜入試を選ぶ場合は、「今の自分が本当に出願するタイミングとして適切か」を慎重に判断する必要があります。


その他の入試制度|条件に当てはまる人は要チェック

慶應義塾大学大学院では、一般入試やAO選抜入試以外にも、特定の条件に当てはまる人向けの入試制度が用意されています。

たとえば、法学研究科では公法学・政治学専攻の専修コースにおいて社会人入試が実施されています。

また、社会学研究科では教育学分野において現職教員を対象とした枠が設けられています。

さらに、商学研究科では一般入試やAO選抜入試とは別に、9月入学となる国際租税留学プログラム入試も実施されています。

これらの制度は対象者が限定されるため、自分が該当するかどうかを事前に確認することが重要です。


まとめ|入試制度の理解が合格へのスタートになる

慶應義塾大学大学院の修士課程では、一般入試を中心に、研究科ごとにさまざまな入試制度が用意されています。

一般入試は再受験が可能で幅広い受験生に開かれた制度である一方、商学研究科のAO選抜入試は一度しか受験できないという大きな特徴があります。

どの制度を選ぶかによって、準備の進め方やリスクが変わるため、自分に合った方式を選ぶことが重要です。

まずは志望研究科の入試要項を確認し、それぞれの制度の違いを正しく理解したうえで、計画的に準備を進めていきましょう。


※本記事の内容は変更される可能性があります。必ず公式サイトをご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。