
- 1. 修士課程には2つのプログラムがある
- 2. 研究者を目指すなら研究者養成プログラム
- 3. 高度専門人材養成プログラムは学修設計が重要
- 4. 博士後期課程への進学方法も確認しておく
- 5. 一般選抜は書類選考と口述試験がポイント
- 6. 特別選抜は一般選抜より早く動く
- 7. 研究者養成プログラムでは研究計画書を具体化する
- 8. 先行研究は「何がまだ分かっていないか」まで整理する
- 9. GPA計算書は早めに成績表と照合する
- 10. 学業・人物評価書は1か月以上前に依頼する
- 11. TOEFLなどの英語スコアは提出方法まで確認する
- 12. 担当教員一覧から指導を受けたい教員を探す
- 13. 口述試験は研究計画書・学修設計書から準備する
- 14. 2028年度特別選抜を目指す場合の準備
- 15. 2028年度一般選抜を目指す場合の準備
- 16. まずはプログラムと入試区分を決めよう
京都大学大学院経済学研究科の修士課程入試|2つのプログラムと一般選抜・特別選抜
院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。
京都大学大学院経済学研究科の修士課程には、研究者養成プログラムと高度専門人材養成プログラムがあり、進学後の目的に応じて異なる学び方が用意されています。また、入試には一般選抜と特別選抜があり、出願時期や対象者にも違いがあります。
経済学研究科の入試で特に注意したいのが、書類選考の重要性です。研究計画書や学修設計書だけでなく、GPAに関する書類や学業・人物評価書など、複数の書類を準備する必要があります。募集要項が公開されてから慌てて作成するのではなく、数か月前から準備を進めておくことが大切です。
この記事では、2027年度入試などの情報をもとに、2つのプログラムの違い、一般選抜と特別選抜、研究計画書・学修設計書、GPA、英語スコア、口述試験まで、京都大学大学院経済学研究科を目指す人が知っておきたいポイントを具体的に解説します。
修士課程には2つのプログラムがある

京都大学大学院経済学研究科の修士課程では、研究者養成プログラムと高度専門人材養成プログラムが設けられています。
研究者養成プログラムは、経済学や経営学について本格的な研究を行い、博士後期課程への進学も視野に入れる人に適したプログラムです。大学院で先行研究を検討し、理論やデータなどを用いながら、自分自身の研究成果を論文としてまとめていくことになります。
一方、高度専門人材養成プログラムは、経済学や経営学の高度な専門知識と分析能力を身につけ、それを社会で生かしたい人を想定しています。研究者になることだけを目的とするのではなく、専門性を実務やキャリアにつなげたい人にとっても選択肢になります。
どちらも同じ経済学研究科の修士課程ですが、出願時に求められる書類にも違いがあります。まずは「経済学研究科に入りたい」と考えるだけでなく、修了後に何をしたいのかまで考えてプログラムを選ぶことが重要です。
研究者を目指すなら研究者養成プログラム
将来的に博士後期課程へ進学し、大学や研究機関などで研究を続けたい場合には、研究者養成プログラムが中心的な選択肢になります。
研究者養成プログラムを目指す場合、入試準備の中心になるのが研究計画です。「経済学に興味がある」「○○について調べたい」という段階から一歩進み、研究上の問いとして具体化する必要があります。
たとえば「少子高齢化と地域経済を研究したい」というテーマだけでは範囲が広すぎます。対象地域、期間、産業、人口動態などを絞り、「何と何の関係を、どのようなデータを使って明らかにするのか」というところまで具体化すると、研究計画として整理しやすくなります。
また、経済学研究では統計データや計量分析などを利用することも多いため、テーマだけでなく研究方法についても検討しておく必要があります。どのようなデータが利用できるのか、そのデータから研究上の問いを検証できるのかを早めに確認しましょう。
高度専門人材養成プログラムは学修設計が重要
高度専門人材養成プログラムでは、研究者養成プログラムとは異なる目的を意識して出願準備を進める必要があります。
過年度の出願では、研究者養成プログラムで研究計画書が用意される一方、高度専門人材養成プログラムでは学修設計書が用意されていました。
学修設計書では、大学院で何を学びたいのか、その学びを将来どのように生かしたいのかというつながりを意識することが重要です。
たとえば企業でデータ分析や事業企画に関わりたいのであれば、「経済分析を学びたい」というだけではなく、現在どのような知識や能力が不足していて、大学院でどのような分野を学び、それをどのような仕事に生かしたいのかまで整理すると、進学目的が伝わりやすくなります。
研究者養成プログラムの研究計画書をそのまま書き換えるのではなく、高度専門人材養成プログラムの目的と自分のキャリアを結びつけて考えましょう。
博士後期課程への進学方法も確認しておく
研究者を目指す場合には、修士課程入学後の進路についても確認しておきましょう。
博士後期課程への進学は研究者養成プログラムからだけに限られるとは限らず、高度専門人材養成プログラムから選考を経て進学する道や、編入学試験などが設けられる場合があります。
また、経済学研究科には、学部と修士課程を連携させた学士・修士5年プログラムなど、通常とは異なる期間で学ぶ制度も用意されています。
英語で教育を行う国際的なコースもあるため、英語による研究・学修を希望する人は、通常の日本語による修士課程入試だけでなく、国際コースの募集情報も確認してみるとよいでしょう。
制度や出願資格は年度によって変更される可能性があるため、「最終的に博士号を目指したい」「英語だけで学べるコースを探している」といった希望がある場合には、入学後の進路まで含めて最新情報を確認してください。
一般選抜は書類選考と口述試験がポイント

修士課程の入試には一般選抜と特別選抜があります。
2027年度入試の一般選抜では、7月10日午前9時からWeb出願システムへアクセスできる日程が案内され、夏から秋にかけて選考が進められました。
一般選抜では、提出した書類による審査と、その後の口述試験への準備が重要です。筆記試験だけで一気に合否を決めるタイプの大学院入試とは異なり、出願時点で提出する書類の完成度が重要になります。
そのため、7月になってから研究計画書や学修設計書を書き始めるのでは遅くなります。春から研究テーマや大学院での学修目的を整理し、5月から6月には書類を何度か修正できる状態を目指しましょう。
特別選抜は一般選抜より早く動く
特別選抜は、対象となる学生や出願資格が一般選抜とは異なります。過年度の案内では、日本の大学を卒業予定で、学部で優れた成績を修め、大学院での研究目的が明確な学生などが対象とされていました。
2027年度入試では、5月20日午前9時からWeb出願システムへのアクセスが可能となり、その後、書類選考と口述試験が行われる日程でした。
一般選抜よりかなり早く入試が進むため、特別選抜を目指す人は学部4年生になってから研究テーマを考え始めるのではなく、学部3年生のうちから準備を進めたいところです。
3年生の終わりごろまでに関心のある研究分野を絞り、関連する論文を読み始めます。春休みには研究計画書の構成を作り、3月から4月には初稿を書ける状態を目指すと、その後の修正時間を確保できます。
特別選抜の対象になるかどうかは出願資格を満たす必要があります。成績が良いという理由だけで利用できるとは限らないため、必ず募集要項を確認しましょう。
研究者養成プログラムでは研究計画書を具体化する
研究者養成プログラムを受験する場合、研究計画書は入試準備の中心になります。
研究計画書では、研究テーマだけでなく、問題意識、研究上の問い、先行研究、研究方法、使用するデータや資料、研究の意義などを整理します。
特に経済学の研究計画では、「データを分析する」と書くだけでは不十分です。どのようなデータを利用する予定なのか、分析単位は個人なのか企業なのか地域なのか、どのような変数を見るのかなど、可能な範囲で具体化しておきましょう。
計量分析を予定している場合には、どのようなモデルや分析方法が考えられるのかも検討します。入試段階ですべてを完璧に設計する必要はありませんが、「何を使って、どう問いに答えるのか」がつながっていることが重要です。
また、利用を予定しているデータが実際に入手可能かどうかも確認してください。存在しないデータや利用できないデータを前提に研究計画を作ると、実現可能性に疑問を持たれる可能性があります。
先行研究は「何がまだ分かっていないか」まで整理する
研究計画書を書く際には、関連する先行研究を集めるだけではなく、それぞれの研究から何が分かっているのかを整理する必要があります。
まず、日本語の論文や専門書を使って研究分野全体の議論を把握します。そのうえで、必要に応じて英語論文にも範囲を広げていきます。
論文を読んだら、研究目的、使用データ、分析方法、結論、自分の研究との関係を簡単に表にまとめておくと便利です。
最終的には「先行研究Aではここまで分かっている」「先行研究Bでは別の方法からこの点が示されている」「しかし○○については十分に検討されていない」という形で、自分の研究が必要になる理由を説明できる状態を目指します。
GPA計算書は早めに成績表と照合する
経済学研究科では、過年度の出願書類としてプログラムごとのGPA計算書が公開されています。
GPA計算書を作成する場合には、自分の感覚でGPAを計算するのではなく、研究科が指定する方法に従って成績を整理する必要があります。
大学によって成績評価の方式は異なります。「秀・優・良・可」で評価される大学もあれば、S・A・B・Cなどを使う大学もあります。研究科指定の計算方法を確認し、成績証明書と照らし合わせながら作成しましょう。
入力する科目数が多い場合には意外と時間がかかります。出願直前に作成すると入力漏れや計算ミスにつながるため、書式が確認できた段階で一度作っておくことをおすすめします。
学業・人物評価書は1か月以上前に依頼する
出願書類の中には、自分だけでは作成できないものもあります。過年度の一般選抜では、学業・人物評価書の書式が公開されていました。
大学の教員など第三者に作成してもらう書類が必要な場合は、締切直前に依頼するのは避けましょう。推薦・評価する側にも内容を確認して書類を作成する時間が必要です。
目安として、出願の1か月以上前には依頼できるよう準備します。その際、受験する研究科とプログラム、提出期限、提出方法を伝え、必要であれば自分の研究計画や志望理由について簡潔に説明します。
研究計画書の初稿ができていれば、それを一緒に渡すことで、どのような目的で大学院を目指しているのかを理解してもらいやすくなります。
TOEFLなどの英語スコアは提出方法まで確認する

英語資格試験を利用する場合には、「何点取るか」だけでなく「どのように大学へ提出するか」まで確認することが重要です。
京都大学大学院経済学研究科では、TOEFLのスコア提出についてOfficial Score Reportに関する案内が行われています。受験者自身が画面を印刷したものではなく、試験実施機関から大学側へ送付される公式スコアが必要になる場合には、受験から大学側での確認まで時間がかかる可能性があります。
そのため、出願締切の直前に初めてTOEFLを受験する計画は避けたほうが安心です。
英語スコアの提出が必要な選抜を受験する場合には、まず最新の募集要項で利用できる試験、スコアの有効期間、提出方法、到着期限などを確認しましょう。そのうえで、できれば出願の数か月前までに一度受験し、必要であれば再受験できるスケジュールを組んでおくと安心です。
担当教員一覧から指導を受けたい教員を探す
研究計画を考えるときには、研究テーマだけでなく、経済学研究科で誰から指導を受けたいのかも確認しましょう。
担当教員一覧を見て、自分のテーマと近い研究をしている教員を探します。研究科の教員紹介ページだけで判断せず、最近の論文や研究プロジェクトまで確認することをおすすめします。
候補となる教員を3人程度挙げ、それぞれについて最近の論文を1本ずつ読んでみると、自分の研究テーマとの距離が見えてきます。
「地域経済を研究しているから近そう」という程度ではなく、使用しているデータ、分析方法、研究対象などまで確認すると、自分がその教員のもとで何を学びたいのかを具体的に考えられます。
口述試験は研究計画書・学修設計書から準備する
書類選考を通過したあとには、口述試験に向けた準備が必要です。
研究者養成プログラムの場合には、「研究上の問いは何か」「なぜそのテーマを研究するのか」「どのようなデータを使うのか」「どのような分析方法を考えているのか」「先行研究との違いは何か」といった質問を想定します。
高度専門人材養成プログラムでは、「大学院で何を学びたいのか」「なぜその学修が必要なのか」「修了後にどのように生かしたいのか」など、学修目的と将来の進路を結びつけて説明できるようにしておきましょう。
想定質問を20問程度作り、実際に声に出して答える練習をします。回答文を丸暗記するのではなく、質問ごとに結論と理由を整理しておくことが大切です。
研究テーマについては30秒、1分、3分程度の3種類で説明する練習をしておくと、質問に応じて説明量を調整しやすくなります。
2028年度特別選抜を目指す場合の準備
2028年度入試の特別選抜を考えている場合には、2027年度入試のように春から選考が始まる可能性を考え、早めに準備を進めましょう。
年内から学部3年生の終わりごろまでに研究分野を決め、関連する先行研究を読みます。3月ごろには研究計画書の初稿を作り、4月には教員などから意見をもらいながら修正できる状態を目指します。
同時に、成績関係の書類を確認し、第三者に依頼する評価書などが必要であれば早めに相談します。英語スコアが必要な場合には、さらに前から受験日程を確保しておきます。
特別選抜は一般選抜より準備期間が短いのではなく、「入試が早く始まるため、準備開始も早くする必要がある」と考えましょう。
2028年度一般選抜を目指す場合の準備
一般選抜を目指す場合も、7月ごろから出願手続きが始まる可能性を想定して、春から準備しておくことが重要です。
3月から4月には志望プログラムと研究分野を決め、担当教員の研究内容を確認します。5月には研究計画書または学修設計書の初稿を作り、6月は内容の修正と出願書類の確認に使える状態を目指しましょう。
評価書などの依頼が必要な場合は、6月になって初めて依頼先を探すのではなく、春のうちに相談しておくと安心です。
Web出願が始まったら、入力だけでなく、アップロードする書類の形式、ファイル名、提出方法なども確認します。書類が多い入試では、一つの不足や形式の間違いを防ぐため、研究科が公開するチェックリストがあれば必ず利用しましょう。
まずはプログラムと入試区分を決めよう
京都大学大学院経済学研究科を目指す場合、最初に決めたいのが研究者養成プログラムと高度専門人材養成プログラムのどちらを志望するのかという点です。
そのうえで、自分が特別選抜の対象になるのか、一般選抜で受験するのかを確認します。この2つが決まると、いつまでに研究計画書や学修設計書を作るべきか、評価書をいつ依頼するべきかといったスケジュールを立てやすくなります。
今から始めるなら、まず過年度の募集要項と書類様式を確認し、担当教員一覧から関心の近い教員を3人程度探してみましょう。そして、その中から最も関心の近い教員の論文を1本読んでみてください。
経済学研究科の入試では、出願書類、研究テーマ、指導を希望する分野、口述試験がそれぞれ独立しているわけではありません。「大学院で何を研究・学修したいのか」という軸を作り、そこから必要な書類と対策をつなげて準備していくことが大切です。
志樹舎では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。院試受験でお困りの方は、無料相談にお気軽にお申し込みください。
※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
※この記事で紹介したプログラム、選抜方法、Web出願の開始時期、必要書類、英語スコアの提出方法、口述試験などには2027年度入試や過年度の情報が含まれています。入試制度や提出方法は年度によって変更される場合がありますので、出願の際は必ず京都大学大学院経済学研究科の公式サイトと、対象年度の最新の募集要項を確認してください。
志樹舎
では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
研究計画書から志望理由書・小論文・面接・プレゼン対策まで、どこから手を付けるべきか個別にアドバイスします。
多くの受験生が「もっと早く相談すればよかった」と話されます。
「何から始めればいいか分からない」
「この研究テーマで通用するか不安」
そんな院試受験で迷いや不安がある方は、今すぐ
無料相談
にお申込みください。
※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


