一日お疲れ様でした。
帰りの時間帯は、大学院入試(院試)の研究計画プレゼン後の質疑応答において起こり得る、 「本当に答えがわからない質問」への対応について考えてみましょう。

質疑応答では、審査員からの質問が 自分の準備や知識の範囲を少し超えてしまうこともあります。

そのような場面で最も避けたいのは、 知ったかぶりでその場を取り繕うことです。

アカデミックな世界では、 知的誠実さ(Intellectual Honesty)がとても大切にされます。

わからないことを無理に説明するよりも、 誠実に認識している範囲を示すことの方が、 研究者としての信頼につながることも多いのです。

自分の「知の境界線」を明確に示す

答えが難しい質問を受けた場合は、 まず自分の知識の範囲を整理して伝えてみてください。

例えば次のような答え方です。

「申し訳ありません。〇〇に関する正確なデータについては、
現在の私の知見では明確な回答を持ち合わせておりません。」

そのうえで、

「ただ、関連する××の指標から考えると、
〜という傾向がある可能性はあるのではないかと考えています。」

と続けることで、

  • どこまで理解しているのか
  • どこから先がまだ検討中なのか

を丁寧に説明することができます。

このプロセスを示すこと自体が、 論理的に考える力の表れでもあります。

学びへの姿勢を前向きに示す

わからないことに出会ったときは、 それを学びの機会として受け止める姿勢も大切です。

例えば次のように伝えることができます。

「重要な観点をご指摘いただきありがとうございます。
私自身まだ十分に検討できていない視点ですので、帰宅後に関連文献を確認し、理解を深めたいと思います。」

このような姿勢は、

  • 学習意欲
  • 研究への誠実さ
  • 知的好奇心

を自然に伝えることにもつながります。

専門家に助言を求めるという選択

審査員がその分野の専門家である場合、 助言を求めることも一つのコミュニケーションです。

例えば次のような言い方です。

「その点について、私自身も課題に感じていました。
もし差し支えなければ、先生のご見解をヒントとしてお聞かせいただけると大変ありがたいです。」

このような姿勢は、 専門家への敬意を示しながら、 より良い議論を生み出すきっかけにもなります。

誠実さは信頼につながる

「わからない」と認めることは、 決して評価を下げるものではありません。

むしろ、

  • 誠実さ
  • 冷静さ
  • 研究への姿勢

が伝わる場面でもあります。

大学院入試(院試)のプレゼン質疑応答は、 すべての答えを持っているかを試す場ではなく、 研究者としてどのように考えるかを見る場でもあります。

落ち着いて、自分の知識の範囲を誠実に伝えてみてください。
その姿勢こそが、信頼につながる大切な一歩になります。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。