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今回のテーマは、研究計画書における「問い(リサーチ・クエスチョン)」の立て方です。
大学院入試の核心、それは「研究計画書」です。
しかし、多くの学部生が提出する計画書は、残念ながら本来の「研究計画書」の体を成していません。
多くの場合、それは「興味のあることについての長い感想文」か、あるいは「壮大すぎる夢物語」になってしまっています。
学部レポートや卒業論文と、修士課程の研究計画書。
この二つの決定的な違いは、「問い」の鋭さにあります。
今回は、教授が一目置く「合格レベルの問い」を立てるための具体的な手順を解説します。
1. 「テーマ」と「問い」は別物である
まず、この区別を明確にしましょう。
面接で「君の研究テーマは?」と聞かれて、
「日本の貧困問題です」と答える学生がいます。
しかし、それはジャンル(領域)であって、問いではありません。
ジャンル: 日本の貧困問題
問い:
「生活保護受給世帯の子供における、学習塾利用の有無が、高校進学後のドロップアウト率に与える影響は有意か?」
このように、「イエス・ノー」あるいは「程度」で答えが出せる形に具体化されたものが「問い」です。
大学院入試で評価されるのは、「貧困問題を解決したい」という情熱ではなく、
この問いなら2年間で検証可能だと分かる設計力です。
2. 「大きな主語」を因数分解する
研究計画書が「感想文」になりがちな最大の原因は、主語が大きすぎることです。
「現代社会」「若者」「インターネット」などの大きな言葉を使っているうちは、研究計画書は成立しません。
以下の3つの軸で、主語を因数分解してください。
- 対象(Who):「若者」ではなく「都内の私立大学に通う、地方出身の女子学生」
- 場面(When / Where):「SNS」ではなく「Instagramのストーリーズ機能における親しい友達リスト」
- 変数(What):「コミュニケーション」ではなく「自己開示の頻度と幸福感の相関」
ここまで絞り込んで初めて、アンケートやインタビューの具体像が見えてきます。
教授が見ているのは、夢の大きさではなく、この解像度の高さです。
3. 先行研究の「隙間」を狙い撃つ
「問い」を立てる上で欠かせないのが、先行研究の確認です。
「誰もやっていないこと」を探そうとする必要はありません。
王道テーマの中にある隙間を見つけるのです。
例えば、
「Aという理論は、アメリカのデータでは証明されている(先行研究あり)」
「しかし、日本で同様に成り立つかは検証されていない(隙間)」
「したがって、日本版データで比較検証する(研究計画)」
このように、先人の研究の延長線上に問いを置くことが研究の基本です。
「まだ誰もやっていないから」ではなく、
「ここまで分かっているが、ここから先が分かっていないから」という文脈で語れるようになると、計画書は一気にアカデミックになります。
まとめ:あなたの「小さな疑問」を大切に
壮大な社会問題を解決しようと気負う必要はありません。
「なぜ、学食のこのメニューだけ売り切れるのが早いのか?」
「なぜ、同じサークル内でもこのタイプの人は辞めやすいのか?」
そんな身近な「なぜ」を、学術的な言葉に置き換え、検証可能な形に磨き上げることが、研究計画書の第一歩です。
今日から、日常の「なぜ」をノートに書き留める習慣を始めてみてください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。



