研究計画書の内容がどれほど素晴らしくても、たった一つのミスで全てが水泡に帰すことがあります。 それが「引用(Citation)」と「参考文献(Reference)」の不備です。
アカデミア(学問の世界)において、他人の文章やアイデアを、さも自分のもののように書くことは「盗用(Plagiarism)」と呼ばれ、追放に値する重罪です。 「悪気はなかった」「書き方を忘れてしまった」は通用しません。 形式が守られていない計画書は、読む側からすれば「ルール違反の書類」と判断されます。
今夜は、引用の鉄則を解説します。
1. 「本文」と「リスト」はセットである
引用にはルールがあります。必ず以下の2箇所にセットで記載しなければなりません。
本文中の引用(In-text citation): 文章の中で、「これは私の意見ではなく、〇〇さんの意見ですよ」と示すタグ。
例:「佐藤(2020)によれば、……である。」
例:「……という指摘もある(鈴木, 2018)。」
巻末の参考文献リスト(Reference list): 計画書の最後に、その文献の詳細情報をリストアップする。
例:佐藤太郎 (2020). 『大学院入試の教科書』 〇〇出版.
「本文に名前があるのにリストにない」、あるいは「リストにあるのに本文に出てこない」。 これはケアレスミスではなく、研究者としての資質欠如と見なされます。提出前に必ず指差し確認(照合)をしてください。
2. 孫引き(まごびき)をするな
やってしまいがちなのが、誰かが書いたブログやまとめサイトを見て、「〇〇先生がこう言っているらしい」と書くこと。これを「孫引き」と言います。 非常に危険です。まとめサイトの解釈が間違っている可能性があるからです。
必ず「一次情報(元の論文や書籍)」に当たってください。 原典を自分の目で確認していない文献をリストに載せてはいけません。面接で「この本の第3章の議論だけど……」と聞かれて答えられなければ、その場で「読んでいないこと」がバレて終わります。
3. 表記スタイル(スタイルガイド)を守れ
引用の書き方には、学問分野ごとに厳密なルール(スタイル)があります。
心理学・教育学など: APAスタイル
社会学など: 社会学評論スタイル
人文学など: MLAスタイル
志望する大学院の要項に指定があればそれに従い、なければその分野の代表的な学会誌の投稿規定を参考にしてください。 「()」の位置、カンマとピリオドの使い分け、発行年の場所。これらが美しく統一されている計画書は、それだけで「おっ、この学生は訓練されているな」と加点対象になります。
まとめ:形式は「礼儀」である
引用のルールを守ることは、面倒な事務作業ではありません。先人の知恵に対する「敬意(リスペクト)」の表明です。 「あなたの研究があったから、私の研究が成り立っています」という感謝のメッセージでもあります。
神は細部に宿ります。 誤字脱字、カッコの全角半角の不統一、引用のズレ。 こうしたノイズを極限まで減らすことで、あなたの主張(中身)が初めてクリアに教授に届くようになります。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。



