プレゼンのあとに待っている質疑応答(Q&A)を不安に感じる受験生は少なくありません。

「鋭い質問が来たらどうしよう」
「答えに詰まってしまったらどうしよう」

こうした不安を感じるのは自然なことです。
ただ、質疑応答は必ずしも「乗り越えるべき試練」ではありません。

むしろ、自分の研究の理解を深めてもらう機会でもあります。

そのための有効な方法が、質問される前に、スライドの中で答えを準備しておくことです。


1. 想定される疑問をあらかじめ示す

研究計画には、必ず「気になる点」や「別の見方」が存在します。

そこで有効なのが、想定される疑問を自分から提示する方法です。

例えば次のような形です。

「この研究には〇〇という懸念が考えられます。」

このように疑問点を自分から言及することで、聞き手は

「この人は課題をきちんと理解している」

と感じやすくなります。

自分の研究の弱点や難しさを把握していることは、研究者としての思考力の表れでもあります。


2. 疑問に対する考え方を示す

疑問を提示したあとには、そのままにせず、次の一歩を示します。

例えば次のような流れです。

「この点については〇〇という方法で検討する予定です。」
「先行研究では△△という結果も報告されています。」

こうした説明を加えることで、

疑問 → 検討の方向 → 研究の意義

という論理の流れが生まれます。

この姿勢は、質疑応答の場でも大きな安心感につながります。


3. 質疑応答はプレゼンの続き

質疑応答は、プレゼン本編と切り離された時間ではありません。
むしろプレゼンの延長と考えると理解しやすくなります。

本編では伝えきれなかった補足説明や背景を、質問をきっかけに補うことができます。

例えば、

「ご質問ありがとうございます。その点について補足させてください。」

と落ち着いて説明できれば、研究内容への理解も深まります。


まとめ:質疑応答は研究理解を深める時間

大学院入試のプレゼンでは、質疑応答そのものが評価対象でもあります。

しかし、それは完璧な答えを求められているという意味ではありません。

大切なのは、

・自分の研究の課題を理解しているか
・それについてどう考えているか

を落ち着いて説明できることです。

想定される疑問を整理し、
「なぜそう考えるのか」を自分の言葉で説明できるよう準備しておきましょう。

その準備が、質疑応答の時間を安心して迎えるための大きな支えになります。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。