書類を作成している時、多くの受験生は「研究計画書」は計画書モード、「志望理由書」は志望理由モード、と頭を切り替えて書いてしまいます。
その結果、完成した書類を並べてみると、まるで「別人が書いたような矛盾」が生じていることがあります。これを「人格分裂」と呼びます。
面接官(教授)は、すべての書類をセットで読みます。
「志望理由では『実務に役立てたい』と言っているのに、計画書はガチガチの『理論研究』だな……どっちが本音だ?」
この違和感は、面接での不信感に直結します。
提出前に必ず行うべき、書類間の整合性チェック(横串チェック)のポイントを解説します。
1. 「動機」と「計画」の接続テスト
最も多い矛盾が、志望理由書(過去・現在)と研究計画書(未来)の不一致です。
志望理由書: 「現場のコミュニケーションの問題を解決したい」
研究計画書: 「法制度の変遷について文献研究を行う」
これでは繋がりません。「コミュニケーションの問題」が動機なら、計画書も「コミュニケーションの分析」であるべきです。あるいは、「法制度がコミュニケーションを阻害している」というロジックが必要です。
「やりたいこと(Will)」と「やること(Do)」が、一本の矢印で繋がっているか確認してください。
2. 「履歴書」と「研究テーマ」のリンク
社会人の場合、職務経歴と研究テーマの乖離も致命的です。
履歴書: 「銀行で10年間、法人営業を担当」
研究テーマ: 「幼児教育における絵本の読み聞かせ効果」
もちろん、全く新しい分野に挑戦するのは自由です。しかし、何の説明もなくこれが出てくると、教授は「なぜ今?」「単なる趣味では?」と疑います。
この場合、志望理由書や備考欄で、「営業職として子育て世代と接する中で、教育格差の問題に直面し……」といった「ミッシングリンク(繋ぎの物語)」を補完する必要があります。
他人から見て「唐突だ」と思われないストーリー構築ができているか、客観的に見直してください。
3. 用語の統一(定義の揺れ)
細かいですが、書類間で用語の使い方がブレているのもマイナスです。
計画書では「顧客(Customer)」と書いているのに、志望理由書では「消費者(Consumer)」と書いている。
「マーケティング」という言葉を、計画書では「市場調査」、志望理由書では「販促活動」という意味で使っている。
こうした定義の揺れは、「論理的思考力の甘さ」と見なされます。
自分が使う重要なキーワードは、すべての書類を通じて同じ意味、同じ表記で統一してください。
まとめ:一人の人間として語れ
面接官が見ているのは、書類の向こうにいる「あなた」という人間です。
過去(履歴書)があり、現在(志望理由)があり、未来(研究計画)がある。
その全てが、一つの人格として矛盾なく統合されているか。
全部の書類を机に並べ、最初から最後まで通して読んでみてください。
そこに「一貫した主人公」はいますか? もし違和感があれば、それは面接官も必ず気づく違和感です。今すぐ修正してください。
志樹舎
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


