「図表から読み取れることを書きなさい」と言われると、すべての年度の数値を順番に書き写してしまう人がいます。

「2000年は100人、2001年は105人、2002年は……」

丁寧に読んでいる証拠ではありますが、試験で求められているのは「転記」ではなく分析です。
大切なのは、数字の並びから「意味のある動き(トレンド)」を見つけ出すことです。

ポイントを押さえれば、誰でも読み取りの質を一段上げることができます。

1. 着目すべき3つの「動き」

細かい数値をすべて追う必要はありません。
全体としてどう動いているかを言葉にしてみましょう。

傾向(Trend):右肩上がりか、右肩下がりか、横ばいか。
例:「全体として増加傾向にある。」

変化点(Change Point):流れが大きく変わったのはいつか。
例:「2015年を境に、増加から減少に転じている。」
  「2020年に急激な落ち込みが見られる。」

特異点(Outlier):他と比べて突出している項目はどれか。
例:「A国とB国は横ばいだが、C国だけが突出して高い。」

この3点を押さえるだけで、読み取りの骨格はしっかり整います。

2. 「約」と「倍」を使うと伝わりやすい

細かい数字(例:19,824人)をそのまま書く必要はありません。
小論文では、おおまかな規模感が伝われば十分です。

・約2万人
・約2倍に増加した
・3割近く減少した

このように概数倍率・割合を用いると、文章がすっきりし、読み手にイメージが伝わりやすくなります。

問われているのは「細かい数値の暗記」ではなく、
数字が示す意味を理解しているかという点です。

3. タイトルと単位にも目を向ける

見落としやすいのが、グラフのタイトル単位です。

「実数(人・円)」なのか「割合(%)」なのかで、読み取り方は変わります。
ここを確認するだけで、解釈のズレを防ぐことができます。

また、タイトル横の注釈出典もヒントになります。

例:「出典:総務省『通信利用動向調査』」
→ 通信環境やデジタル化の文脈と関連づけて考えられます。

まとめ:木より森を見る

分析とは、情報を増やすことではなく、要点を整理することです。

「要するに、増えているのか、減っているのか。」
その一言を導き出すつもりでグラフを眺めてみてください。

視点が整理されるだけで、あなたの答案はぐっと読みやすく、伝わりやすくなります。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。