大学院に興味を持ったら最初にすること|進学への第一歩

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「大学院で学んでみたい」「仕事で感じている疑問をもっと深く考えたい」「大学卒業後も研究を続けてみたい」。そんな気持ちが芽生えたとき、最初に何をすればよいのでしょうか。

大学院への進学に興味はあっても、具体的な準備方法がわからず、行動に移せない方もいるでしょう。

大学院にはさまざまな研究科や専攻があり、入試制度も異なります。しかし、最初から志望校を決めたり、難しい専門書を読み始めたりする必要はありません。

志樹舎では、大学院進学の第一歩は、大学院を探すことよりも、自分が何を学びたいのかを考えることにあると捉えています。

この記事では、大学院に興味を持った方が最初に取り組みたい7つのステップを紹介します。


大学院選びは大学名から始めなくてもいい

大学院への進学を考えるとき、最初に有名大学の名前を検索する人もいるでしょう。

もちろん、大学名から情報を集めることも一つの方法です。しかし、大学院では、大学の知名度だけでなく、研究内容や指導教員との相性が重要になります。

例えば、心理学に興味があっても、認知心理学を研究したいのか、発達心理学を学びたいのかによって、適した進学先は異なります。

経営学でも、組織について学術的に研究したい場合と、MBAで経営に必要な知識を体系的に学びたい場合では、選ぶ課程が変わることがあります。

大切なのは、大学名に自分の関心を合わせるのではなく、自分の関心に合った大学院を探すことです。

ステップ① 大学院に興味を持った理由を書き出す

最初に取り組みたいのは、大学院に興味を持った理由を言葉にすることです。

「大学時代に学んだことを深めたい」「仕事で経験した問題を研究したい」「新しい専門知識を身につけたい」など、理由は人によって異なります。

この段階では、立派な志望理由を考える必要はありません。

例えば、「なぜ職場によって働きやすさが違うのだろう」という素朴な疑問も、経営学や社会学の研究につながる可能性があります。

まずは、大学院に興味を持った理由を三つ書き出してみましょう。

自分の考えを言葉にすることで、漠然とした関心の中に、学びたいテーマが見えてくることがあります。

大学院進学に興味を持った理由をノートに書き出すイメージ

ステップ② 興味のある学問分野を調べる

大学院に興味を持った理由が見えてきたら、関連する学問分野を調べてみましょう。

例えば、「人の行動について知りたい」という関心は、心理学だけでなく、社会学や経営学にも関係します。

「地域の問題を解決したい」という関心であれば、経済学、公共政策、都市計画などが候補になるでしょう。

一つの疑問が、複数の学問分野につながることは珍しくありません。

まずは入門書や大学院の研究紹介を読み、どの分野が自分の関心に近いのかを考えてみてください。

ステップ③ 気になる大学院を三つ調べる

興味のある分野が見えてきたら、大学院の公式サイトを確認しましょう。

最初は三つ程度の大学院を調べるだけでも十分です。

研究科や専攻の特徴、授業科目、研究テーマなどを比較すると、同じ分野でも大学院によって特色が異なることがわかります。

例えば、教育学を学べる大学院でも、学校教育を中心とするところもあれば、教育政策や生涯学習を重視するところもあります。

大学院名だけでなく、気になった研究内容もメモしておくと、後から比較しやすくなります。

ステップ④ 指導教員の研究内容を確認する

研究を中心とする大学院では、指導教員との相性も重要です。

例えば、企業の人材育成を研究したい場合、人材開発や組織行動を専門とする教員がいるかどうかを調べます。

教員の研究内容は、大学院の公式サイトや研究者情報などで確認できる場合があります。

ただし、関心の近い教員がいても、必ず指導を受けられるとは限りません。受入状況や事前連絡の必要性は大学院によって異なります。

まずは気になる教員の名前と研究テーマを整理してみましょう。

大学院の研究科や指導教員について調べるイメージ

ステップ⑤ 大学院入試の基本情報を確認する

興味のある大学院が見つかったら、募集要項を確認します。

最初に調べたいのは、出願資格、出願期間、試験日、選考方法の四つです。

大学院入試では、専門科目や英語の筆記試験、研究計画書、面接などが課される場合があります。

社会人特別選抜を設けている大学院では、実務経験が出願条件になることもあります。

入試制度は大学院によって異なるため、まずは必要な準備を把握することが大切です。

翌年度の募集要項がまだ公開されていない場合は、過去の情報を参考にしながら、最新情報の公表時期を確認しておきましょう。

ステップ⑥ 入学後の生活を想像する

大学院進学を考える際には、合格することだけでなく、入学後に学び続けられるかどうかも重要です。

大学生であれば、卒業研究と受験準備の両立が課題になるかもしれません。

社会人であれば、仕事を続けながら授業や研究に参加できるかを考える必要があります。

夜間や土曜日に授業がある大学院でも、予習や復習、研究活動には別の時間が必要です。

現在の生活を振り返り、1週間のうち、どの程度の時間を学習に使えるのかを考えてみましょう。

ステップ⑦ 学費と生活費を確認する

大学院への進学には、入学金や授業料などの費用が必要です。

さらに、通学費や書籍代、研究に必要な費用などが発生する場合もあります。

社会人が休職や退職をして進学する場合には、収入の変化や生活費も考えなければなりません。

大学院によっては奨学金や授業料減免制度を利用できる場合がありますが、対象者や条件は異なります。

学びたい気持ちを実現するためにも、早い段階で費用の目安を把握しておくことが大切です。

大学院進学に向けて学習時間や学費を計画するイメージ

最初の1週間でできること

ここまで紹介した内容を、一度にすべて進める必要はありません。

例えば、最初の1週間を次のように使ってみましょう。

1日目は、大学院に興味を持った理由を書き出します。2日目は、関心のある学問分野を調べます。

3日目と4日目は、気になる大学院の公式サイトを確認し、研究内容や教員について調べてみましょう。

5日目は募集要項、6日目は学費や授業時間を確認します。

そして7日目に、集めた情報を振り返り、次に何を調べたいのかを整理します。

もちろん、仕事や学業が忙しければ、数週間かけても構いません。

重要なのは、大学院への興味を具体的な行動につなげることです。

大学院に行くかどうかは、調べてから決めてもいい

大学院について調べ始めると、早く志望校を決めなければならないと感じるかもしれません。

しかし、大学院進学は、時間や費用、将来の進路にも関わる選択です。

調べた結果、今すぐ進学するのではなく、数年後を目標に準備するという判断もあるでしょう。

また、学びたい内容によっては、科目等履修生や公開講座など、大学院への正規入学以外の方法が適している場合もあります。

志樹舎では、大学院に進学すること自体を目的にするのではなく、その学びが自分にとってどのような意味を持つのかを考えることが大切だと捉えています。

大学院は、人生の選択肢を広げるための場所です。だからこそ、自分自身が納得できる進路を選ぶことに意味があります。

第1章を終えて|大学院進学は、自分の問いから始まる

ここまでの第1章では、大学院の基本的な仕組みや学び方、修士課程と博士課程の違い、文系・理系の研究内容、社会人の学び直しについて紹介してきました。

大学院は、単に大学の勉強を延長する場所ではありません。

自分の関心や疑問を掘り下げ、専門的な知識や研究方法を用いて考える場所です。

大学院進学を考えるとき、最初から明確な研究テーマがなくても構いません。

「なぜだろう」「もっと知りたい」「今のままでよいのだろうか」。そうした疑問が、学びの出発点になります。

大切なのは、その疑問を見過ごさず、自分の言葉で考えてみることです。

大学院進学の第一歩は、特別な能力を身につけることでも、有名大学を目指すことでもありません。

自分が何を知りたいのか、何を明らかにしたいのかを問い直すことから始まります。

まとめ|大学院進学は小さな行動から始められる

大学院に興味を持ったら、まずは進学したい理由を書き出し、関心のある学問分野を調べてみましょう。

次に、大学院の公式サイトで研究内容や教員、入試制度、学費などを確認します。

最初からすべてを理解する必要はありません。気になる大学院を一つ調べることも、進学に向けた大切な一歩です。

そして、大学院について知ることは、必ずしも進学を決めることと同じではありません。

自分にとって必要な学びを考え、納得できる選択をすることが重要です。

次回からは第2章「大学院に行くと、何が変わる?」が始まります。第11話では「大学院に進学するメリットとは?専門性・キャリア・人との出会い」をテーマに、大学院で学ぶことによって得られる可能性を紹介します。

※大学院の研究内容、入試制度、出願資格、学費、授業形態、奨学金などの条件は大学院・研究科によって異なります。最新の情報は、各大学院の公式サイトや募集要項で必ずご確認ください。

志樹舎 では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。