
- 1. 京都大学公共政策大学院とは?
- 2. 一般選抜・職業人選抜・外国人特別選抜がある
- 3. 一般選抜は夏に出願して秋に選考
- 4. 一般選抜では英語と専門科目を準備する
- 5. 一般選抜の論述試験は3時間で2科目
- 6. 専門科目は学部の専攻だけで決めなくてもよい
- 7. 専門科目は論述できる状態まで仕上げる
- 8. 職業人選抜は冬に試験が行われる
- 9. 職業人選抜は1科目を1時間30分で論述する
- 10. 職業人選抜では推薦書の準備を早めに始める
- 11. 職業人は実務上の課題を政策上の問いへ変える
- 12. 外国人特別選抜は出願資格を最初に確認する
- 13. 筆答試験後はすぐに口述試験対策を始める
- 14. 口述試験では志望理由を具体化する
- 15. 口述試験の想定質問を20問作る
- 16. 2028年度一般選抜を目指す場合の準備
- 17. 職業人選抜を目指す場合は仕事との両立を前提にする
- 18. 最初に選抜区分と専門科目を決めよう
京都大学公共政策大学院の入試|一般選抜・職業人選抜・外国人特別選抜の違いと対策
院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。
京都大学公共政策大学院は、行政や公共政策に関わる高度な専門知識を学び、国や地方自治体、国際機関、民間企業など、さまざまな立場から公共的な課題に取り組む人材の育成を目指す専門職大学院です。
入試には一般選抜、職業人選抜、外国人特別選抜があり、受験者の経歴によって選択できる区分や試験内容が異なります。特に一般選抜では英語と専門科目の両方を準備する必要がある一方、職業人選抜では実務経験を踏まえた出願書類や口述試験への準備も重要になります。
この記事では、2027年度入試の情報をもとに、3つの選抜の違い、出願時期、筆答試験、専門科目の選び方、口述試験まで、京都大学公共政策大学院を目指す人がどのように準備すればよいのかを具体的に解説します。
京都大学公共政策大学院とは?

京都大学公共政策大学院は、公共政策に関わる専門職を育成する大学院です。一般的な研究者養成型の修士課程とは異なり、公共的な課題について法律、政治、経済など複数の視点から考え、政策の形成や実施に必要となる能力を身につけることを目指します。
公共政策というと、国家公務員や地方公務員を目指す人のための大学院という印象を持つかもしれません。しかし、公共的な課題に関わる仕事は行政だけに限られません。民間企業、シンクタンク、国際機関など、さまざまな進路が考えられます。
そのため、受験前には「公務員になりたいから」という理由だけでなく、どのような政策分野に関心があり、大学院で何を学び、修了後にどのような形で社会に関わりたいのかまで考えておくことが重要です。
一般選抜・職業人選抜・外国人特別選抜がある
2027年度入試では、一般選抜、職業人選抜、外国人特別選抜の3つの選抜が設けられていました。
募集人員は一般選抜が30名、職業人選抜が10名程度、外国人特別選抜が若干名です。
一般選抜は、大学を卒業した人や卒業見込みの人などが中心となる選抜です。学部からそのまま大学院への進学を考えている人は、まず一般選抜を確認することになります。
職業人選抜は、社会人としての経験を持つ人を対象とする選抜です。出願時には推薦書なども必要となるため、筆答試験の勉強だけでなく、早めの書類準備が必要になります。
外国人特別選抜については、外国において学校教育における一定の課程を修了した人などを対象とした出願資格が定められています。どの選抜を利用できるかは個人の学歴や経歴によって異なるため、必ず募集要項の出願資格を確認してください。
一般選抜は夏に出願して秋に選考
2027年度の一般選抜では、出願期間が2026年7月27日から8月3日までとされていました。
筆答試験は9月11日に行われ、筆答試験で一定の水準に達した受験者を対象として10月18日に口述試験が実施されました。合格発表は10月23日です。
このスケジュールで注意したいのは、7月末には出願が始まることです。夏休みに入ってから受験勉強を本格化しようと考えていると、出願準備と試験勉強が同時になってしまいます。
2028年度入試を目指す場合も、過年度と同様の時期に選考が行われる可能性を考え、春までに専門科目の基礎を固め、初夏から答案練習へ進めるような計画を立てるとよいでしょう。
一般選抜では英語と専門科目を準備する

一般選抜の筆答試験では、英語と論述試験の両方に対応する必要があります。
過年度の英語試験では、社会や国家などに関係する英文を読み、日本語に訳す形式が採られています。試験時間は2時間とされており、長い英文を正確に読み取る力が必要です。
英語対策では、単語帳だけを繰り返すのではなく、政治、行政、社会、経済、国際関係などに関する英文を日常的に読むことをおすすめします。
一文が長い文章では、単語の意味が分かっていても、主語と述語や修飾関係を取り違えると正確に訳せません。最初は時間をかけて構文を確認しながら訳し、慣れてきたら時間を計って一定量を読む練習に移りましょう。
一般選抜の論述試験は3時間で2科目
一般選抜では、専門科目について3時間の論述試験が行われます。受験生は出願時に選択した専門科目2科目について解答します。
過年度には、法学系として憲法、民法、行政法、国際法、政治学系として現代政治分析、政治史・政治思想、国際関係論、比較政治、経済学系として経済理論、経済政策、経営学などが設定されています。
3時間で2科目を解答するため、単純に考えると1科目に使える時間は1時間30分程度です。実際には問題を選択したり答案構成を考えたりする時間も必要になるため、時間管理が重要になります。
専門科目の勉強では、基本書を読むだけでなく、過去問などを使って実際に答案を書く練習を行いましょう。「知っている」状態から「限られた時間で説明できる」状態にする必要があります。
専門科目は学部の専攻だけで決めなくてもよい
専門科目を選ぶ際には、学部で学んだ分野を中心にすると、これまでの知識を生かして準備しやすくなります。法学部であれば法学系、経済学部であれば経済学系が候補になるでしょう。
ただし、学部の専攻だけを理由に機械的に決める必要はありません。これまでどの科目をどの程度学んできたのか、過去問との相性はどうか、今後研究・学修したい政策分野とどのような関係があるのかを考えて選びます。
たとえば環境政策に関心がある場合でも、行政法から制度を考える方法、国際関係から国際的な協調を考える方法、経済政策から規制やインセンティブを考える方法など、複数の視点があります。
候補となる科目の過去問を一度確認し、基本書を読んだ経験や現在の知識量も踏まえて、2科目を決めるとよいでしょう。
専門科目は論述できる状態まで仕上げる
公共政策大学院の専門科目対策では、重要な概念を暗記するだけではなく、問題に応じて論点を組み立てる力が必要です。
まず、選択した科目について基本書を1冊決め、全体を通して読みます。その後、重要なテーマについて400字程度で説明する練習をします。
たとえば行政法を選ぶのであれば、重要な制度や判例について「何が問題になるのか」「どのような考え方があるのか」を説明できるようにします。経済政策であれば、政策手段の内容だけでなく、その効果や副作用についても考えます。
基礎が固まったら、過去問を使って1時間30分を目安に答案を完成させる練習へ進みましょう。最初は時間内に書けなくても、答案構成に何分、執筆に何分必要なのかを把握することで改善できます。
職業人選抜は冬に試験が行われる

2027年度の職業人選抜では、出願期間が2026年11月18日から11月25日までとされていました。
筆答試験は2027年1月10日、口述試験は1月31日、合格発表は2月12日という日程でした。
一般選抜とは入試時期が大きく異なるため、社会人が秋から冬にかけて受験することも可能です。ただし、仕事を続けながら受験する場合には、年末年始と筆答試験対策が重なる点に注意しましょう。
特に12月は仕事が忙しくなる人も少なくありません。11月に出願してから勉強を本格化するのではなく、夏から秋にかけて専門科目の基本書を読み進めておくと安心です。
職業人選抜は1科目を1時間30分で論述する
職業人選抜の筆答試験では、過年度には1時間30分の論述試験が課され、専門科目1科目を選択する形式が採られています。
一般選抜のような英語試験が課されない点は大きな違いですが、その分、選択した専門科目について一定の水準まで仕上げる必要があります。
仕事で関わっている分野と専門科目が近い場合には、実務経験が理解の助けになることもあります。しかし、入試答案は仕事上の経験談を書く場ではありません。
「実務ではこうだった」という話だけではなく、法律、政治、経済などの理論や制度を踏まえて論じることが必要です。実務経験は、学術的な議論を理解するための具体例として位置づけるとよいでしょう。
職業人選抜では推薦書の準備を早めに始める
職業人選抜では、出願時に推薦書などの書類が必要になる場合があります。
推薦書は自分だけでは作成できないため、出願直前になって上司などへ依頼するのは避けましょう。依頼する側にも書類を準備する時間が必要です。
目安としては、出願期限の1か月以上前には相談しておくと安心です。受験する大学院、出願期限、提出方法を伝え、自分が公共政策大学院で何を学びたいのかも簡潔に説明します。
仕事上の問題意識をまとめたメモや志望理由の下書きなどがあれば、推薦を依頼する相手にも進学目的を理解してもらいやすくなります。
職業人は実務上の課題を政策上の問いへ変える
社会人が公共政策大学院を目指す場合、仕事で感じた問題意識は大きな強みになります。しかし、「仕事で○○に困ったので大学院で勉強したい」というだけでは、進学目的として十分に具体化されているとはいえません。
たとえば自治体で働いていて、子育て支援制度の利用率に課題を感じているのであれば、「なぜ制度が利用されないのか」「情報提供、所得、地域差など、どの要因が関係しているのか」「現在の制度にはどのような課題があるのか」と問いを深めていきます。
民間企業で働いている人であれば、自社だけの課題として考えるのではなく、その問題が社会や制度全体とどのように関係しているのかを考えてみましょう。
実務上の経験を、より広い公共政策上の課題として捉え直すことが、出願書類や口述試験の準備につながります。
外国人特別選抜は出願資格を最初に確認する
外国人特別選抜を検討する場合には、試験対策を始める前に、まず自分が出願資格を満たしているかを確認しましょう。
外国での教育課程を修了した人などについて条件が定められており、学歴によっては資格確認などに時間が必要になる可能性があります。
過年度の外国人特別選抜では、専門科目2科目について3時間の論述試験が行われる形式が採られています。
海外の大学を卒業した受験生の場合、日本語で専門的な論述を書くことに慣れていないケースも考えられます。専門知識だけでなく、日本語で時間内に答案をまとめる練習も早めに行いましょう。
筆答試験後はすぐに口述試験対策を始める
各選抜では、筆答試験で一定の水準に達した受験者が口述試験へ進む形になります。
2027年度一般選抜では、9月11日の筆答試験から10月18日の口述試験まで1か月以上ありました。職業人選抜でも、1月10日の筆答試験から1月31日の口述試験まで約3週間ありました。
この期間には、「なぜ公共政策大学院なのか」「どのような政策分野に関心があるのか」「修了後にどのような仕事をしたいのか」といった基本的な質問への回答を整理します。
さらに、関心のある政策について、現状、課題、現在の制度、考えられる対応策まで説明できるようにしておきましょう。
筆答試験が終わった直後には、自分がどのような答案を書いたのかをできる範囲でメモしておくこともおすすめします。口述試験で筆答試験や出願時の内容に関連した質問を受ける可能性を考え、受験時の考えを再現できるようにしておくと安心です。
口述試験では志望理由を具体化する
「政策に興味があるから」「社会を良くしたいから」という理由だけでは、京都大学公共政策大学院を志望する理由としては抽象的です。
まず、自分が関心を持つ政策課題を一つか二つ挙げます。その課題について、現在どのような制度があり、どのような問題が議論されているのかを調べましょう。
次に、その課題を考えるために、大学院で法律、政治、経済などの何を学ぶ必要があるのかを整理します。最後に、修了後にその学びをどのように生かしたいのかをつなげます。
この流れを作ることで、「なぜ公共政策を学びたいのか」「なぜ大学院へ進学するのか」「将来何をしたいのか」という質問に一貫して答えやすくなります。
口述試験の想定質問を20問作る
口述試験対策では、想定質問を20問程度作り、実際に声に出して回答する練習をおすすめします。
志望理由、関心のある政策、大学院で学びたい内容、専門科目を選んだ理由、修了後の進路などを中心に質問を作ります。
職業人選抜の場合には、「現在の仕事でどのような課題を感じているか」「なぜ仕事を続けるだけではなく大学院で学ぶ必要があるのか」「学んだことを仕事や社会にどう還元するのか」といった質問も想定しましょう。
回答を一字一句暗記する必要はありません。30秒程度で答える短い説明と、追加質問を受けた場合に1~2分で説明する内容をそれぞれ準備しておくと対応しやすくなります。
2028年度一般選抜を目指す場合の準備
2028年度入試の一般選抜を目指す場合には、まず専門科目の候補を決め、過年度の試験内容を確認しましょう。
冬から春にかけて選択する2科目の基本書を読み、重要な概念や論点を整理します。英語についても、この時期から社会科学系の英文を継続的に読む習慣をつけます。
春から初夏には短い論述答案を書き始め、夏に入るころには過去問を使って時間を計った練習へ移ります。英語も本番の2時間を意識した和訳演習を行います。
一般選抜では英語と2つの専門科目を並行して仕上げる必要があります。試験直前に一つの科目へ集中しすぎないよう、曜日ごとに学習内容を決めるなどして継続的に取り組みましょう。
職業人選抜を目指す場合は仕事との両立を前提にする
職業人選抜を目指す場合には、仕事があることを前提に学習計画を作ることが重要です。
平日にまとまった勉強時間を取れない場合には、通勤時間や昼休みに基本書を読み、休日に90分の答案練習を行うなど、インプットとアウトプットを分ける方法があります。
また、出願書類や推薦書の準備は、筆答試験の勉強とは別に進めなければなりません。出願直前にすべてを重ねないためにも、推薦書の依頼や必要書類の確認は早めに済ませておきましょう。
仕事の経験は職業人選抜を受験するうえで重要な材料ですが、それだけに頼るのではなく、基本書を通じて理論や制度を学び直すことが必要です。実務と学術的な知識をつなげて説明できる状態を目指してください。
最初に選抜区分と専門科目を決めよう
京都大学公共政策大学院を目指すなら、まず一般選抜、職業人選抜、外国人特別選抜のどれで受験するのかを確認しましょう。
次に、過年度の募集要項や試験問題を確認し、自分が受験する専門科目を決めます。一般選抜であれば2科目と英語、職業人選抜であれば1科目を中心として、試験日から逆算して学習計画を作ります。
同時に、「自分はどの政策課題に関心があるのか」「大学院で何を学びたいのか」「その学びを将来どのように生かしたいのか」を文章にしてみましょう。この作業は口述試験だけでなく、公共政策大学院への志望そのものを整理することにもつながります。
公共政策大学院の入試では、専門知識、論述力、志望理由を別々に準備するのではなく、自分が取り組みたい政策課題を軸に結びつけていくことが重要です。まずは選抜区分と専門科目を決め、基本書と過去の試験内容を確認するところから準備を始めていきましょう。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
※この記事で紹介した募集人員、選抜区分、出願期間、試験日程、試験科目、専門科目、推薦書などには2027年度入試や過年度の情報が含まれています。入試制度や必要書類、試験内容などは年度によって変更される場合がありますので、出願の際は必ず京都大学公共政策大学院の公式サイトと、対象年度の最新の募集要項を確認してください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。



