
- 1. 京大大学院の口述試験は研究科によって位置づけが違う
- 2. 出願したら提出書類を一式保存しておく
- 3. 筆記試験と口述試験の日程差を確認する
- 4. 研究計画書から想定質問を20個作る
- 5. 「研究テーマを1分で説明する」練習をする
- 6. 先行研究については「著者名+内容」まで説明できるようにする
- 7. 研究方法の弱点を自分で説明できるようにする
- 8. 「なぜ京都大学なのか」も具体的に準備する
- 9. 筆記試験終了直後に答案を再現しておく
- 10. 分からない質問への対応も練習しておく
- 11. 模擬面接は最低2回行う
- 12. オンライン面接は機材と通信環境も試験対策の一部
- 13. 口述試験の1週間前にやること
- 14. 前日は「自分が提出した内容」の確認を優先する
- 15. 出願後から口述試験までの時間を有効に使おう
京大大学院文系の口述試験対策|出願後から試験日までにやるべきこと
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京都大学大学院の文系研究科を受験する際、筆記試験や研究計画書とあわせて重要になるのが口述試験です。研究科によって「口述試験」「口頭試問」「面接」など名称は異なりますが、提出した研究計画書やこれまでの学修内容、志望理由などについて直接説明する機会になります。
特に大学院入試の口述試験では、一般的な就職面接とは異なり、研究内容について踏み込んだ質問を受ける可能性があります。「なぜそのテーマを研究するのか」「先行研究では何が分かっているのか」「その方法で本当に研究できるのか」といった質問に、自分の言葉で答えられる状態にしておくことが大切です。
また、筆記試験から口述試験まで1か月以上ある研究科がある一方、筆記試験の翌日に口述試験が行われる入試もあります。この記事では、京都大学大学院の文系研究科を目指す方に向けて、口述試験の位置づけや、出願後から本番までに準備しておきたいことを具体的に解説します。
京大大学院の口述試験は研究科によって位置づけが違う

まず確認したいのが、自分の志望研究科において口述試験がどのように位置づけられているかです。筆記試験と口述試験を連続して実施する場合もあれば、書類選考や筆記試験を通過した受験生だけが次の口述試験へ進む場合もあります。
アジア・アフリカ地域研究研究科では、選抜区分によって筆答試験と口述試験が実施され、口述試験にも大きな配点が置かれる場合があります。研究テーマだけではなく、地域研究の方法や、実際に研究を進めるうえで考えなければならない問題についても準備しておく必要があります。
経済学研究科でも、選抜区分によって書類選考と口述試験を組み合わせた選抜が行われます。この場合、出願時に提出した研究計画などが、口述試験の重要な材料になると考えて準備したほうがよいでしょう。
公共政策大学院では、筆答試験と口述試験を組み合わせた選抜があります。経営管理大学院でも、選抜区分によって書類選考後にオンライン面接が行われる場合があります。
「筆記試験のほうが難しそうだから、面接は後から考えればよい」と決めつけず、募集要項を確認し、口述試験まで含めて一つの入試として対策することが重要です。
出願したら提出書類を一式保存しておく
口述試験対策で最初にやっておきたいのが、大学へ提出した書類を自分の手元にも残しておくことです。
研究計画書、志望理由に関する書類、学修計画、自薦書など、出願時に作成した書類はPDFなどで保存しておきましょう。紙で提出する場合も、発送前にコピーやデータを残しておくことをおすすめします。
口述試験まで数週間から数か月空くと、自分が研究計画書にどのような表現を書いたのか細部まで覚えていないことがあります。しかし、試験官は提出された書類を見ながら質問する可能性があります。
「研究計画書では○○と書いてありますが、これはどういう意味ですか」と聞かれたとき、自分が書いた内容を思い出せない状態は避けたいところです。
出願後に研究内容について考えが深まり、計画が変化すること自体は不自然ではありません。その場合も、「提出時にはこのように考えていましたが、その後文献を読み、現在はこのように考えています」と説明できるようにしておきましょう。
筆記試験と口述試験の日程差を確認する
口述試験の準備方法を決めるためには、筆記試験と口述試験の間にどの程度の期間があるのかを確認する必要があります。
法学研究科法政理論専攻では、年度によって筆答試験から口述試験・口頭試問まで1か月以上空く日程が組まれる場合があります。公共政策大学院でも、筆答試験から口述試験まで一定の準備期間が設けられることがあります。
一方、アジア・アフリカ地域研究研究科のように、筆答試験と口述試験が近い日程で行われる入試では、「筆記試験が終わってから面接対策を始める」という進め方では間に合いません。
募集要項を確認したら、出願日、筆記試験日、口述試験日、合格発表日を一つのカレンダーに書き込みましょう。そして口述試験の準備をいつ始めるべきかを逆算します。
口述試験まで時間がある場合でも、出願後から少しずつ準備しておけば、筆記試験終了後に焦って一から想定問答を作る必要がなくなります。
研究計画書から想定質問を20個作る

口述試験対策の中心になるのが、研究計画書をもとにした想定問答です。まず自分の研究計画書を、試験官になったつもりで読み返してみましょう。
最初に準備したいのは、「あなたの研究テーマを説明してください」「何を明らかにしたいのですか」「なぜこのテーマを研究したいのですか」「先行研究では何が明らかになっていますか」「先行研究とあなたの研究は何が違うのですか」「どのような方法で研究するのですか」といった基本的な質問です。
さらに、「その資料は入手できますか」「なぜその地域を対象にするのですか」「なぜその年代に限定するのですか」「その方法で研究上の問いに答えられますか」「修士課程の2年間で終わりますか」といった、研究計画の実現可能性に関する質問も考えます。
最低でも20問程度を書き出し、それぞれについて自分なりの答えを準備しておくとよいでしょう。ただし、完成した回答文を一字一句暗記する必要はありません。質問に対して何を最初に答え、どの根拠を説明するのかという骨組みを作ることが重要です。
「研究テーマを1分で説明する」練習をする
研究内容について十分に考えていても、それを短時間で説明するのは簡単ではありません。そこで、研究テーマを1分程度で説明する練習をしてみましょう。
説明するときは、「私は○○について研究したいと考えています」から始め、「現在○○という問題がある」「先行研究では○○まで明らかになっている」「そこで私は○○を対象に、○○という方法で明らかにしたい」という流れにすると整理しやすくなります。
1分で話せない場合は、研究テーマそのものがまだ整理できていない可能性があります。反対に、専門知識がない人でも大まかな研究内容を理解できる程度まで整理できれば、口述試験でも質問に答えやすくなります。
さらに、1分版だけでなく、30秒で説明する短い版と、3分程度で詳しく説明する版も練習しておくと、試験官の質問に合わせて情報量を調整しやすくなります。
先行研究については「著者名+内容」まで説明できるようにする
研究計画書に先行研究を書いた場合、その内容について質問されても答えられるようにしておきましょう。
研究者の名前や論文タイトルを書いただけで、その内容を十分に理解していない状態は避けたいところです。「その研究では何が明らかになっていますか」「あなたの研究との違いは何ですか」と聞かれたときに説明できるようにします。
特に、自分の研究計画の中心となる先行研究については、著者、論文や著書の内容、研究方法、主な結論、自分の研究との関係を整理しておくと安心です。
提出後に新しい重要文献を見つけた場合は、それも読んでおきましょう。研究計画書を提出した時点で勉強を止めるのではなく、口述試験まで研究テーマについて理解を深め続けることが大切です。
研究方法の弱点を自分で説明できるようにする
口述試験では、研究方法について質問されることがあります。特に重要なのが、研究の実現可能性です。
たとえばインタビュー調査を予定しているのであれば、「誰にインタビューするのか」「対象者へどのように接触するのか」「何人程度を想定しているのか」といった点を考えておきます。
海外でフィールドワークを予定しているのであれば、現地の言語、調査期間、安全面、研究対象へのアクセスなども問題になります。史料研究なら、利用予定の史料がどこに所蔵され、実際に閲覧できるのかを確認しておく必要があります。
すべてについて完璧な答えを持っている必要はありません。重要なのは、自分の研究計画にどのような課題があるかを理解し、それにどう対応しようとしているかを説明できることです。
「なぜ京都大学なのか」も具体的に準備する
研究内容だけでなく、志望理由についても準備しておきましょう。「なぜ京都大学なのですか」「なぜこの研究科なのですか」「なぜこの教員の指導を希望するのですか」といった質問は、自分の志望先との適合性を説明する機会になります。
ここで「京都大学はレベルが高いから」「有名だから」と答えるだけでは、自分の研究との関係が伝わりません。
志望する研究科の研究環境、カリキュラム、教員の専門分野などを調べ、「自分の研究テーマに必要な○○という専門性がある」「○○教授の研究方法から指導を受けたい」といった具体的な理由を整理しましょう。
指導を希望する教員の研究に触れる場合には、教員紹介ページだけでなく、可能であれば論文や著書にも目を通しておきます。そのうえで、自分の研究とどこに接点があるのかを説明できるようにしておくと、志望理由にも具体性が出ます。
筆記試験終了直後に答案を再現しておく
筆記試験と口述試験が別の日に行われる場合は、筆記試験が終わった直後に自分の答案をできる限り再現しておくことをおすすめします。
どの問題を選び、どのような構成で、何を書いたのかをメモしてください。完全に再現できなくても、主要な論点だけでも残しておきます。
口述試験で必ず筆記答案について聞かれるとは限りませんが、選考全体を振り返るうえでも役立ちます。また、試験後すぐであれば、「この部分は説明不足だった」「この用語の使い方が不安だった」といった点も覚えています。
気になった論点については口述試験までに改めて確認し、もし関連する質問を受けた場合に説明できるようにしておきましょう。
分からない質問への対応も練習しておく

口述試験では、準備していなかった質問を受けることもあります。そのときに焦って無理に答えを作る必要はありません。
質問の意味が分からなければ、「申し訳ありません。○○という意味でのご質問でしょうか」と確認する方法があります。専門的な内容について分からない場合も、知っているふりをして誤った説明をするより、自分が理解している範囲を示したうえで答えるほうが適切です。
また、試験官から研究計画の問題点を指摘されたときに、すぐ反論しなければならないわけではありません。「ご指摘の点は十分に検討できていませんでした。○○という方法も含めて再検討したいです」といった対応が必要になる場合もあります。
大学院の口述試験は、暗記した正解を言えるかだけを見る場ではありません。質問を理解し、考え、自分の研究について説明する姿勢も重要です。
模擬面接は最低2回行う
想定質問への答えをノートに書くだけでは、十分な口述試験対策になりません。実際に声に出して答える練習を行いましょう。
可能であれば、家族や友人、大学の教員、大学院受験に詳しい人などに試験官役を依頼し、模擬面接を行います。少なくとも2回程度行うと、1回目で見つかった問題を2回目で修正できます。
自分一人で練習する場合は、スマートフォンなどで録音・録画して確認する方法もあります。「結論までが長い」「同じ言葉を繰り返している」「早口になっている」「質問とは違うことを答えている」といった癖に気づくことがあります。
回答するときは、最初に結論を述べ、そのあと理由や具体例を説明することを意識すると、短い時間でも内容が伝わりやすくなります。
オンライン面接は機材と通信環境も試験対策の一部
オンラインで口述試験や面接が行われる場合は、内容だけでなく通信環境も準備しておきましょう。
使用するパソコン、インターネット接続、マイク、カメラなどを事前に確認します。自分の声が聞き取りにくくないか、顔が暗く映っていないか、背景に不要なものが映り込んでいないかもチェックしてください。
オンライン会議に慣れていても、本番で初めて使用する端末や場所を使うのは避けたほうが安心です。模擬面接も本番と同じ環境で行えば、カメラを見ながら話す感覚や音声の聞こえ方を確認できます。
大学から接続方法や受験場所、使用機器などについて指示がある場合は、その内容を必ず優先してください。
口述試験の1週間前にやること
試験1週間前になったら、新しいことを大量に増やすより、これまで準備した内容を整理していきます。
提出した研究計画書を最初から読み直し、研究テーマ、問い、先行研究、方法、意義を説明できるか確認します。重要な先行研究についても、著者と内容、自分の研究との違いをもう一度整理します。
さらに、志望理由、指導を希望する教員との研究上の接点、修士課程での研究スケジュール、修了後の進路についても声に出して答えてみましょう。
対面試験の場合は、会場までの交通手段や所要時間も確認します。遠方から京都へ行く場合は、交通機関の遅延なども考え、時間に余裕のある予定を組みましょう。
前日は「自分が提出した内容」の確認を優先する
口述試験の前日に新しい専門書を一冊読み始めても、短時間で身につけるのは難しいものです。それよりも、自分が大学へ提出した研究計画書やその他の書類を読み返しましょう。
特に数字、研究対象、年代、研究者名、文献名など、自分が書いた具体的な情報を確認しておきます。そして研究テーマを1分程度で説明する練習を最後に行います。
オンライン面接なら機器の充電や接続環境、対面なら受験票や必要な持ち物も確認します。研究内容以外の不安を前日までに減らしておくことで、本番では質問に集中しやすくなります。
出願後から口述試験までの時間を有効に使おう
口述試験対策は、筆記試験が終わってから始めるものではありません。出願した時点から少しずつ準備できます。
まず提出書類を保存し、研究計画書から想定質問を20問程度作ります。そして研究テーマを1分で説明する練習を始めます。筆記試験終了後には答案を再現し、口述試験までの期間に模擬面接を行います。
毎日長時間練習する必要はありません。1日10分でも、自分の研究について声に出して説明する時間を作ると、頭の中だけで考えていた内容を言葉にする力が身についていきます。
口述試験では、完璧な研究者として答えることを求められているわけではありません。自分が何を研究したいのか、そのために何を考え、どのように研究を進めようとしているのかを、自分の言葉で説明できる状態を目指しましょう。
志樹舎では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。院試受験でお困りの方は、無料相談にお気軽にお申し込みください。
※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
※口述試験・口頭試問・面接の有無、試験日程、配点、実施方法、オンライン面接の条件などは、年度・研究科・専攻・選抜区分によって変更される場合があります。過年度の情報だけで判断せず、出願の際は必ず京都大学大学院および各研究科の公式サイトと、対象年度の最新の募集要項を確認してください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


