京大大学院文系の外国語試験対策|筆記試験型と外部スコア型の違い

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京都大学大学院の文系研究科を受験するとき、多くの受験生が不安に感じる科目の一つが外国語です。特に注意したいのは、「京大大学院の英語対策」と一括りにはできないことです。研究科や専攻、選抜区分によって、大学独自の外国語試験を受験する場合もあれば、TOEFLやIELTS、TOEICなどの外部試験スコアを提出する場合もあります。

さらに、独自試験でも英文和訳が中心の場合、専門分野の英文読解が重視される場合、英語以外の外国語を選択できる場合など、求められる力はさまざまです。志望先を決めたら、まず「どの外国語を、どの形式で、いつまでに準備する必要があるのか」を確認することが重要です。

この記事では、京都大学大学院の文系研究科を目指す方に向けて、筆記試験型と外部スコア型の違いを整理し、それぞれの対策方法や準備を始める時期について具体的に解説します。


最初に「筆記試験型」か「外部スコア型」か確認する

京都大学大学院の外国語試験について募集要項を確認する受験生

外国語対策を始める前に確認したいのが、志望する研究科・専攻・選抜区分でどのような外国語能力が求められているかです。

大きく分けると、京都大学大学院の文系入試では、大学が作成した問題を試験当日に解く筆記試験型と、TOEFLなどを事前に受験してスコアを提出する外部スコア型があります。

この2つは対策方法が大きく異なります。筆記試験型で英文和訳が中心なら、複雑な英文を正確に読み、日本語としてまとめる訓練が重要です。一方、TOEFL iBTやIELTSでは、リーディングだけでなくリスニング、スピーキング、ライティングを含めた対策が必要になります。

また、研究科名だけで判断するのも避けましょう。同じ研究科でもコースや選抜区分によって外国語の扱いが異なる可能性があります。必ず自分が受験する年度・区分の募集要項まで確認してください。


独自の外国語筆記試験を行う研究科もある

京都大学大学院の文系研究科では、大学独自の外国語試験を実施する入試があります。

法学研究科法政理論専攻では、選抜区分によって外国語科目が試験に含まれます。過年度には英語、ドイツ語、フランス語などから選択する形式が採られています。どの言語を選択できるか、外国語が必須なのか、専門科目との選択になるのかについては、受験するコースの募集要項を確認する必要があります。

教育学研究科でも、過去の修士課程入試において外国語試験が課され、英語以外の言語を選択できる区分が設けられた例があります。一方で、コースや選抜区分によって英語が指定される場合もあります。

人間・環境学研究科では、過去の入試問題として外国語の問題が公開されることがあります。志望する講座や区分によって必要となる科目が異なる可能性があるため、過去問だけを見るのではなく募集要項と組み合わせて確認しましょう。

公共政策大学院でも、一般選抜では外国語能力が重要な試験要素となります。政策、政治、経済、社会などに関係する学術的な英文を正確に理解する力が必要になるため、一般的な英語学習だけでなく専門分野に近い英文を読む習慣をつけておくことが大切です。


筆記試験型は「英文を読める」だけでは足りない

京都大学大学院の外国語筆記試験に向けて英文和訳を練習する受験生

外国語の筆記試験で注意したいのは、英文を読んで「だいたい意味が分かった」という状態と、答案として正確な日本語を書ける状態には差があることです。

英文和訳では、単語の意味だけでなく、主語と述語の関係、修飾語がどこにかかっているのか、接続詞が文章全体でどのような役割を持っているのかを把握する必要があります。

特に学術的な英文では、一文が長くなったり、抽象的な概念が続いたりすることがあります。関係詞、分詞構文、挿入、同格などを正確に把握できないと、単語は分かっていても文章全体の意味を取り違えることがあります。

対策では、英文を読むだけで終わらせず、実際に日本語訳を書いてみましょう。そのあと英文と訳文を照らし合わせ、「主語を取り違えていないか」「否定や比較を正確に訳しているか」「専門用語の意味が適切か」を確認します。

最後に日本語だけを読み返すことも大切です。英文の語順に引っ張られて不自然な日本語になっている場合は、内容を変えない範囲で読みやすく整えましょう。


専門分野の英単語を優先して覚える

院試の外国語試験では、一般的な英単語だけでなく、自分の専門分野で頻繁に使われる語彙を知っていることが重要です。

たとえば法学、政治学、経済学、教育学、心理学などでは、それぞれ頻繁に登場する専門用語があります。同じ英単語でも、日常的な意味と学術分野での意味が異なることがあります。

単語帳だけで対策するよりも、自分の専門分野の論文や教科書を読みながら、繰り返し登場する語句をまとめたほうが院試にはつながりやすくなります。

ノートを作る場合は、「英単語=日本語訳」だけでなく、その単語が使われていた英文も一緒に残しておくと、実際の文章の中でどのように使われるのかを理解できます。


辞書持ち込み可でも辞書頼みにはしない

外国語試験では、選抜区分によって辞書の持ち込みが認められる場合があります。しかし、「辞書を使えるから単語を覚えなくてもよい」と考えるのはおすすめできません。

試験時間には限りがあります。知らない単語が出てくるたびに辞書を引いていると、最後まで解答できなくなる可能性があります。

基本的な単語や専門分野で頻繁に使われる語句については、辞書を使わず意味を判断できる状態を目指しましょう。辞書は、文章全体の理解に影響する重要な単語や、複数の意味があって判断に迷う単語を確認するために使うイメージです。

また、電子辞書が使えるのか、紙の辞書のみなのかなど、持ち込み可能なものの条件も年度や試験によって異なる場合があります。本番前には必ず最新の募集要項や受験案内を確認してください。


過去問を使って必要な読解速度を把握する

外国語試験の過去問を入手できたら、最初に確認したいのは問題の難易度だけではありません。「この量の英文を、この試験時間で処理しなければならない」という時間感覚をつかむことが重要です。

最初の段階では時間を気にせず、辞書や文法書を使いながら丁寧に解いて構いません。文章構造を正確に理解し、自分なりの訳文を完成させます。

慣れてきたら、次は辞書を使える回数を減らして解きます。そして試験の1~2か月前になったら、本番と同じ時間を計って過去問を解いてみましょう。

時間内に終わらない場合は、単語力が不足しているのか、構文を理解するのに時間がかかっているのか、日本語訳を書く速度が遅いのかを分析します。原因によって、その後の対策は変わります。


ドイツ語やフランス語などを選ぶ場合の考え方

研究科や選抜区分によっては、英語以外の外国語を選択できる場合があります。大学時代にドイツ語やフランス語などをしっかり学んだ経験があり、現在も読解力があるのであれば選択肢になります。

一方、「英語が苦手だから別の外国語に逃げる」という理由だけで選ぶのは慎重に考えたほうがよいでしょう。大学院入試で使われる外国語は、基礎的な会話力ではなく、専門的な文章を読む力が必要になる場合があります。

また、入学後の研究との関係も考えておきたいところです。たとえば研究対象の重要文献がドイツ語やフランス語で書かれている分野であれば、入試に向けた外国語学習がそのまま研究の基礎になります。

どの言語を選択するか迷う場合は、過去問を実際に確認し、問題の難易度と現在の自分の力を比較して判断しましょう。


外部スコアを利用する研究科では早めの受験が重要

京都大学大学院出願に向けてTOEFLやIELTSなどの英語試験を準備する受験生

一方、大学独自の英語筆記試験ではなく、TOEFLなどの外部試験スコアを利用する入試もあります。

経営管理大学院では、入試区分に応じてTOEFL iBT、IELTS、TOEICなどのスコアが評価に用いられる場合があります。複数の試験が利用できる場合には、どの試験が自分に向いているかを考えて早めに受験計画を立てましょう。

経済学研究科でも、英語能力を示す外部試験スコアについて提出方法が指定される場合があります。特に注意したいのが、スコアの種類や提出方法です。自分でダウンロードした画面やPDFを提出すればよいとは限らず、試験実施団体から大学へ公式スコアを送付するよう指定されることがあります。

外部試験を利用する場合は、「何点取ればよいか」だけでなく、「どの試験が認められるのか」「スコアの有効期間はいつまでか」「大学への直送が必要か」「出願締切までに何が完了している必要があるか」を募集要項で確認してください。


外部試験は出願直前の1回勝負にしない

外部スコア型の入試で避けたいのが、出願直前に初めてTOEFLやIELTSなどを受験することです。

外部試験では、初めて受験すると問題形式や時間配分に慣れず、本来の英語力を十分に得点へ反映できないことがあります。また、希望する試験日が満席になる可能性や、スコアの発行・送付に時間が必要になる可能性も考えておかなければなりません。

目安としては、出願期限から逆算し、数か月前までに一度目の受験を終えられるよう計画を立てておくと安心です。最初のスコアが十分でなければ、弱点を分析して再受験する時間を確保できます。

たとえば夏に出願する入試であれば、春までに一度受験して現在の実力を把握し、必要に応じて初夏に再受験するといった計画が考えられます。実際のスケジュールは利用する試験と募集要項の締切に合わせて調整してください。


TOEFL・IELTS・TOEICは同じ勉強では対応できない

複数の外部試験から選べる場合、それぞれの試験の特徴を理解して選ぶことが重要です。

TOEFL iBTやIELTSは、読む、聞く、話す、書くという複数の技能を測ります。特にスピーキングやライティングは、単語や文法を覚えるだけでは対策しにくいため、実際に英語を話したり書いたりする練習が必要です。

一方、TOEIC Listening & Reading Testが利用できる入試では、リスニングとリーディングを中心に対策することになります。TOEFLやIELTSとは問題形式や求められる能力が異なるため、「英語試験だからどれを受けても同じ」と考えないようにしましょう。

すでに有効なスコアを持っている場合は、そのスコアを利用できるかを最初に確認します。まだ何も受験していない場合は、志望研究科で利用できる試験の中から、自分の現在の英語力と準備期間を考えて選択しましょう。


筆記試験型と外部スコア型では勉強時間の使い方も違う

筆記試験型の場合は、専門科目の勉強と外国語対策を組み合わせやすいのが特徴です。たとえば自分の研究分野の英語論文を読むことで、専門知識と英文読解の両方を学ぶことができます。

一方、外部スコア型では、大学院入試とは別に試験日が設定されています。そのため、「研究計画書を書く時期」「専門科目を勉強する時期」「TOEFLなどを受験する時期」を分けて考える必要があります。

特に外部試験の勉強を出願直前まで残すと、研究計画書や専門科目の対策と重なって負担が大きくなります。できれば出願書類の作成が本格化する前に、ある程度のスコアを確保しておくと受験準備を進めやすくなります。


外国語が苦手な人は毎日の学習量を小さくする

外国語に苦手意識があると、「休日にまとめて3時間勉強しよう」と考えてしまうことがあります。しかし、語彙や読解力は短期間の詰め込みだけでは定着しにくいため、毎日少しずつ触れる方法がおすすめです。

たとえば平日は30分だけ英文を読む、専門単語を10個確認する、一つの段落だけ和訳するといった学習でも構いません。それを数か月続けると、専門分野の英文に対する抵抗感が少なくなっていきます。

筆記試験型を受験する人なら、週末に時間を取って過去問や長文和訳に取り組みます。外部試験型なら、平日に語彙やリスニングを進め、週末に模擬問題をまとめて解くといった方法も考えられます。

重要なのは、外国語だけに時間を使いすぎて研究計画書や専門科目が準備不足にならないことです。入試全体の配点や選考方法を確認し、自分の弱点に合わせて時間を配分しましょう。


今週から始める外国語対策

まず、志望する研究科の最新または直近年度の募集要項を開き、自分が受験する区分の外国語試験について確認してください。「独自試験か外部スコアか」「利用できる外国語・外部試験は何か」「試験時間や配点はどうなっているか」「辞書を使えるか」「スコアの提出方法と期限はいつか」の5点を整理すると、その後の計画を立てやすくなります。

筆記試験型なら、次に過去問を確認します。まず1年分を時間を計らずに解き、現在の語彙力や読解力でどこまで対応できるかを確認しましょう。その結果から、単語、文法、専門英文、和訳のどこを重点的に勉強するかを決めます。

外部スコア型なら、利用可能な試験と受験日を確認し、一度目の受験日を先に決めてしまう方法が有効です。その日から逆算して学習計画を作れば、「英語はそのうち勉強しよう」と先延ばしにしにくくなります。

外国語は短期間で一気に仕上げることが難しい科目です。その一方で、早い段階から毎日少しずつ続ければ、専門科目や研究計画書と並行して力を伸ばすことができます。まずは今日から、自分の研究分野に関係する外国語の文章を1ページ読むところから始めてみましょう。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

※外国語の試験科目、選択できる言語、外部試験の種類、スコアの提出方法、有効期限、辞書の持ち込み条件、試験時間や配点などは、年度・研究科・専攻・選抜区分によって変更される場合があります。過年度の情報だけで判断せず、出願の際は必ず京都大学大学院および各研究科の公式サイトと、対象年度の最新の募集要項を確認してください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。