社会人入試やMBA受験において求められる「職務経歴書」。ここで多くの社会人が、転職活動用の職務経歴書をそのまま使い回して失敗してしまいます。

「〇〇年度、営業部で売上120%達成(MVP受賞)」
「〇〇プロジェクトのリーダーとして50名をマネジメント」

すごい実績です。しかし、アカデミックな教員から見ると、こう思われます。
「仕事ができるのはわかった。でも、研究ができるかはわからない」

大学院入試における職務経歴書は、「自慢大会」の会場ではありません。あなたの実務能力が、いかに研究活動に応用可能かを証明する「翻訳」の場です。ビジネススキルをアカデミックスキルに変換する3つの法則を紹介します。

法則1:成果(Result)よりプロセス(Process)

ビジネスでは「結果が全て」ですが、研究では「プロセス(手続きの妥当性)」が重視されます。「売上を上げました」ではなく、「どうやって上げたか」を分析的に書いてください。

Before: 「新規開拓営業で支店トップの成績を達成」

After: 「顧客データを多角的に分析し、成約率の高いターゲット層を特定(仮説設定)。アプローチ手法を標準化し(検証)、チーム全体に展開することで支店の売上向上に貢献した(一般化)。」

このように書くと、教授は「お、この人は仮説検証のサイクルを回せる人だ」と評価します。

法則2:専門用語(Jargon)を排除し、概念化する

社内用語や業界用語をそのまま使うのはNGです。教授はその業界の素人かもしれません。具体的な業務内容を、抽象度の高い「概念」に置き換えてください。

Before: 「Web広告の運用調整を行い、CPAを改善した」

After: 「デジタルマーケティングにおける費用対効果の最適化モデルを構築し、リソース配分の効率化を実現した」

この「抽象化能力」こそが、大学院生に最も求められる資質です。個別の事象を、普遍的な理論の言葉で語り直す練習をしてください。

法則3:失敗経験こそ詳しく書く

転職活動では隠したい「プロジェクトの失敗」も、大学院入試では宝の山です。なぜ失敗したのか?何が足りなかったのか?その分析こそが、研究の「問題意識」になるからです。

「〇〇プロジェクトにおいて、当初の計画通りの成果が出なかった。その要因として、メンバー間のコミュニケーション不全と、リーダーシップのスタイルの不適合が考えられる。この経験が、本大学院で『組織行動論』を学ぶ強い動機となっている。」

失敗を客観的に分析できる人材は、研究者として非常に伸びしろがあります。

まとめ:あなたは「実務家研究者」である

職務経歴書は、あなたが単なる「サラリーマン」ではなく、実務の現場から知見を生み出す「実務家研究者(Practitioner Scholar)」の卵であることを証明する書類です。

「私は仕事ができます」ではなく、「私は仕事を通じて、御校で研究すべき『問い』を見つけました」。そう語りかける経歴書を作成できるようになることが合格への最短ルートです。

志樹舎 では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。