研究計画書の「研究方法」の欄。ここに何を書くかで、あなたが「プロの研究者予備軍」か、「普通の学生」かが判別されます。

多くのNGパターンはこうです。 「関連する資料を広く収集し、分析する」 「関係者にインタビューを行い、課題を抽出する」

これを見た教授は、心の中でこう思います。 「資料って何の? どうやって集めるの? 関係者って誰? アポは取れるの?」

大学院入試において、アイデアの面白さ以上に重視されるのが「実現可能性(Feasibility)」です。 「面白いけれど、どう考えても2年じゃ終わらないよね」「そのデータ、個人情報だから取れないよね」と思われた瞬間、不合格が確定します。 今朝は、確実に実行できると信じさせる「調査設計」の書き方を解説します。

1. 5W1Hで解像度を上げる

「調査します」という動詞を、具体的な名詞のセットに変換してください。

Who(対象): 「A社の若手社員」ではなく「A社に勤務する、入社3年目以内の営業職50名」

What(データ): 「意識」ではなく「職務満足度尺度(〇〇版)を用いた5件法の回答スコア」

How(手法): 「アンケート」ではなく「Web調査フォームを用いた無記名式質問紙調査」

When(期間): 「入学後」ではなく「202X年9月〜10月の2ヶ月間」

ここまで具体的であれば、教授はあなたの研究プロセスを脳内で再生できます。「これなら修士論文として成立するな」と安心させることができます。

2. 「アクセス権」を持っているか?

特にインタビュー調査や、企業の内部データを扱う研究の場合、最大の壁は「協力が得られるか」です。 「Amazonの物流センターのデータを分析したい」と書いても、あなたがAmazonの社員でない限り、そんな極秘データは手に入りません。

もし、あなたが社会人で、自社のデータを扱うなら、 「勤務先より、匿名化処理を施したデータ利用の許諾を内諾済みである」 と明記してください。これだけで実現可能性の評価は高くなります。

学生の場合は、「公開データ(有価証券報告書や政府統計)」を利用するか、あるいは「大学の先輩を通じて〇〇社へのアクセスを依頼予定」など、入手ルートの勝算があることを匂わせてください。

3. 分析手法(ツール)を固有名詞で出す

集めたデータをどう料理するか。ここでも専門性を見せつけましょう。

量的研究なら: 「SPSS(またはR)を用い、重回帰分析を行う予定である」

質的研究なら: 「得られた語りは逐語録化し、M-GTA(修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ)を用いて分析する」

「分析する」ではなく、「どの道具を使って、どの分析モデルで」と書く。 まだ使い方がわからなくても構いません(入学後に学べばいいのです)。しかし、「この研究にはこの手法が適切だ」と知っていること自体が、重要な予備知識です。

まとめ:計画書は「工程表」である

家を建てる時、「いい感じの家を作ります」という大工には頼みません。「この木材を使い、この工法で、何日までに作ります」という設計図が必要です。

研究計画書も同じです。 「情熱」は「背景」の欄に込めてください。「方法」の欄に必要なのは、「段取り」です。 教授に「これなら明日からでも始められるね」と言ってもらえるようにしましょう。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。